表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/25

4.奴隷商館②

 奴隷が連れて来られるのを待っているとバトラーのレイモンドが、


「アルお坊ちゃま、奴隷を7人も購入してどうなさるおつもりなんですか?」


 と聞いてきた、その瞬間俺は何言ってんだこいつと最初は思ったが、よくよく考えてみれば、俺は崇めてもらうこと、チヤホヤしてもらうことしか考えていなかったことを思い出した。


 買って欠損を治してやった後の事を考えれば普通に奴隷なので仕事をさせないといけないが、基本的な俺の身の回りの世話などはすべて執事で事足りている。


 これは非常ーーーーーにまずい!俺の天才のイメージが崩れることをなんとしても阻止しなくては。俺は今生も?やたらハイスペックな頭をフル回転させて最強で完璧な言い訳を考えた。この間0.3秒


「なに、ちょっと貿易会社でも作ろうと思ってさ」


「貿易会社ですか?、御父上の所有する船をねだっても貸してもらえないと思いますが」


「いや、一から創るところ所から始めようと思っているんだ」


「一からですか?それはまたどうして?」


「そんなの金儲けの為だよ、まぁ、最終的には我がエアハート家の発展の為になると思っているけどね」


「金儲けとお家の発展ですか、それは素晴らしいお考えかと思いますが、方法は考えていらっしゃるのですか?」


「あぁ、最低でも10個ぐらい実用的な案を直ぐ出せるけど聞く?」


「それはもち・・・続きは屋敷に戻ってからに致しましょう」


 ふぅ、何とか最低限の誤魔化しをしたところでようやくミリアが戻ってきた。


「アルフレッド様お待たせ致しました。こちらが現在我が商館で取り扱っております欠損奴隷たちでございます」


 そういって連れて来られた者達を見やると、どの奴隷にも共通して言えることは顔に生気が無いことだ。


 奴隷たちは黙って座らせれていく中で諦めたような表情でこちらを見ていた。


 そういった表情でこちらを見ている物達は大方、魔術師によって被検体にされた者達であろうか?眼球が無いものが3名混じっており、探るようにこちらに顔を向けていた。


「アルフレッド様一人一人紹介したいと思いますがよろしいでしょうか?」


「えぇ、お願いします」


 では初めに、ーーーと言って紹介を始めたミリアの話を要約するとこんな感じだ、1人目がサハギン種の男性で元戦闘奴隷手足に水かきがあり、皮膚が青白く一部に鱗が混じっている、見た目は人間に見えるが水生生物の特徴が随所に見られる。欠損部分は右前腕だ。比較的軽傷で一番目に生気がある。


 2人目と3人目はライノス種の男女でこちらも元戦闘奴隷で夫婦との事、2人とも身体が大きく皮膚の色は人間に近い、2人とも右の足首から下を切り落とされており、全身に打撲や鞭打ちの跡があり額の角がへし折られている。逃亡奴隷の見せしめとして現状に至ったとの事。


 4人目は街中でもよく見かけるネコ種のおじさんでヒョウ属に類するとの事、元技能奴隷だ。欠損個所は両腕、欠損理由はミリア曰く商人との契約で騙されて贋作を作ってしまったとの事。


 5人目はリザード種の男性で元々は軍人で戦闘奴隷であったが、右足を欠損した後さらに魔術師に被検体として購入された事で両目と尻尾が欠損している。身体も大きく全身に分厚い赤黒い鱗を備えた戦闘向けでは最高峰の奴隷だそうだ魔力の上限も非常に多いとの事。


 6人目と7人目は共に人種の男女であった、どちらも同じ魔術師により施術をされたとの事で両目の欠損に加えて左右片方ずつ手足が欠損している。また、女性の方は性目的にも使用されていた上に、内臓を弄りまわされたせいか、妊娠はしていないとの事。


 ハッキリ言って反吐がでるが、現状俺に出来ることは回復魔法で治してやる事だ。それ以外に出来る事は無いと分かり切っているので変に義憤など起こさず黙って話を聞き終えた。


「以上になります、アルフレッド様全員購入で宜しいでしょうか?」


「えぇ、全員私が引き取らせて頂きます」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ