クリームソーダ農園の秋
サク●ヒメを観てたら思い付いてしまいました。
何もかもフィクションです。ご了承ください。
台風が過ぎ去って9月。
我が国最大にして唯一のクリームソーダの生産地であるクリームソーダ農園では、クリームソーダの収穫が始まります。
「「「「「「チェスト、チェスト、チェストオオオオオオオオッッッッッ!」」」」」
古めかしい鎧兜に身を包み、猿叫を轟かせながら日本刀を何度も上段から振り下ろすのは、薩摩示現流を学んだクリームソーダ収穫検定甲級を持つプロクリームソーダ収穫士の皆さんです。
声をかけてみましょう。
皆さん、おはようございます。
「「「「「ウェエエエイッスッッッッッ!」」」」」
とても元気な体育会系特有のご挨拶、ありがとうございま~す。
「「「「「ウェエエエイッスッッッッッ!」」」」」
皆さん気合は十分、いえ十二分ッッッッッ!ではクリームソーダ収穫の妙技を見せて……魅せていただきましょう。
「ではこちらの木なっているクリームソーダをご覧ください」
クリームソーダ農園のオーナーである東郷メロン炭酸郎さんが指差すのは、クリームソーダの木です。見事なクリームソーダがたくさん実っていますね。
「ちょっと触ってみてください」
触れると……
「わぁ、柔らか~い」
喫茶店等で見かけるクリームソーダですが、グラスの部分は……硬いはずなんですけど、触ると果物見たいにプヨプヨしています。
「このストローのような部分、ここを切断すると皆さんがよくご存じのクリームソーダに早変わりするんです。ではやってみますね。危ないので離れてください」
では下がりますね。
「いえ、もっとです」
10歩も下がれば良いのでしょうか?
「あと100歩ッッッッッ!ドローンも使わないでください。巻き込まれますよッッッッッ!」
どんだけ、とか言っている間に、東郷さんが構えました。
空が一気に暗くなって……落雷ッッッッッ!
東郷さああああああああああんッッッッッ!
えっ、生きてる。なんか東郷さんの刀にスパークが……
あっ、背中にカットイン。これヤベーやつッッッッッ!
にげろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!
「薩摩示現流ッッッッッ奥義ッッッッッ!クリームソーダ断ちッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!」
……すみません。意識を失ってたみたいです。
あっ、東郷さんの手にクリームソーダがッッッッッ!
「示現流農法は見事に成功ですッッッッッ!」
ありがとうございます。美味しそう……
「まだ飲めませんよ。獲れたてのクリームソーダはまだ荒いです。10年熟成モノを用意してありますので、こちらをどうぞ」
懐から、クリームソーダッッッッッ!
嘘、冷たいッッッッッ!
「市場に出回っているほとんどのクリームソーダは5年モノです。10年熟成モノでなければチェリーが生えて来ないんですよ」
あー、だから辻堂さんはなかなかチェリーを見つけられなかったんですね。納得。
「ぜひこの10年熟成モノをいただいてください」
ではでは。
ジュル……
ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……
旨っ。
ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……
旨っ。
素晴らしいクリームソーダですッッッッッ!
クリームソーダ農園の皆さん、薩摩示現流の皆さん、ありがとうございましたッッッッッ!
「「「「「ウェエエエイッスッッッッッ!」」」」」
ではスタジオにお返ししますね。
さて次のコーナーは。
「ひとっ風呂、ゴチになりま~すッッッッッ!」
無許可で辻堂さんの名前を使ってしまいました。申し訳ありません。