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獣と人・絆の儀式  作者: 佐井 愉遜
3/3

イッヌが・・・

 四足獣ことミニプリンスウルフことイッヌはびしょ濡れの少年が熾した焚火の暖かさに感動していた。獣では出来ないことを人間にやってもらう、知らないことを人間がやって生活を補ってくれる。

 何故かそうしてくれるということをイッヌは不思議とも思わなかった。一通り温まったイッヌは少年が横たわり再び気を失ったのを見て焚火のそばを離れた、周囲は草木が茂りこの池とも沼とも言える場所にそれなりの資源があることをわかっていた。

 左肩の痛みが少年の目を覚まさせた、うめき声をあげながら左肩を抑えようとした。ガサッ・・・と音がしたので痛む傷口を恐る恐る見た「・・・え?」傷口には煎じれば薬効のある葉が当てられ、近くにイッヌが左足を上げて固まっていた。

 「おまえが?・・・」少年はまさか!ともいやいやいや~!とも思ったが痛みがその思いを放棄させた。少年は傷を治すことを優先することにした、考えるのはあとだ。

 周りを見回すと竹もあった、起き上がり倒れた竹の丁度水が溜まるのを探し焚火で水を煮沸しその間にイッヌが拾ってきたであろう葉を全部軽く炙ってその2枚ほど右手で何回か揉んだ後左肩の傷口に擦り付けた。痛みと痺れが伝わり少しではあるが薬効が効いたことを伝えてくる。

 (大丈夫そうだ、この葉は薬効が強い)丸くなって寝ていたイッヌをチラ見し薬草づくりに戻った。


 傷口の治療も終わり薬効が傷の痛みを忘れさせてくれたところに空腹が彼を襲った、空腹音が鳴り焚火が小さく爆ぜる(腹減った)と思った時だ・・・ドサッ・・・という音に驚き「なっ!・・・えっ!?・・・・お前が?」そこにはイッヌと小さいながらもウサギが二匹「狩りしてきたのか・・・凄いな」「ワウッ」なんだろうな、通じてるのか余計に吠えないってことはわかってるのか?

 腰にあった短刀でウサギを処理しつつイッヌのことを考えた、こいつは不思議だ何をしてるかわかっているのか伏せ状態でこっちを見て・・・シッポがブンブンだ。と思いきや皮をはいだところで待ってました!と食らいつこうとしてきた。

「こらっ!焼いたほうが美味いんだから待てっ!!」「ワフッ!ワフッ!」伏せからの臨戦態勢?だがシッポがブンブンだぞ。

 このあと二匹のウサギを捌き火が通りやすい様に切れ目を入れ丸焼きにして一匹を渡したが食らいつきが凄かった、僕が食べれない骨を放ると空中キャッチしてガリガリと食べる食べる!シッポがブンブンだった。

 食べ終わったとはまた睡魔に襲われ起きた時にはイッヌが寄り添って寝ていた。

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