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トナの村にて.4

たまの投稿ですが、アクセス少し増えてて嬉しいです!ありがとうございます!

「分かりました。人前ではあまり力を見せないようにします」

「その方がいいよ。あんたらはこの村の恩人。いや、希望になるから」

なぜか、悔しそうに言う。

そうだ、あの貴族にもらったひょっとこのお面があるじゃないか。

人前で、力を振るう時にはそれを浸ければバレないかも。

「ホントだったら私が、この村を守りたいんだけどね」

「なにか、思い入れがあるんですか?」

「まあ、長年ここで働いていると、愛着は沸くさ。だけど、じじばばしかいない村だ。

よくて、中年のおじさんとおばさんだけだしね。

孤児だっあ私たちを受け入れてくれてるから、守ってやりたいのさ」

「わあ!ガレットさん素敵です!」

「フン。褒めてもなにも出ないよ」

照れてそっぽを向く。かわいいとこもあるんだね。

「照れるなよー。素直に喜べよー」

「ルリ!あんたの給料下げるよ!」

「や、やだな~!冗談ですよ、もう」

ルリは、ガレットの肩をバシバシ叩いて行ってしまう。

振り返り、こちらにウインクするの止めて。勘違いしちゃうから。

まあ、あんな素敵な女性と付き合いたいなとは思うけど。前世ではモテない男の代名詞だったからな。


「じゃあ、ワイバーンの巣に行こっか♪」

「こらこら。行くのはもう止めないけど、ちゃんと準備しなよ。中には毒を持つ魔物もいるからね」

「分かりました。明日にでも立ちます」

一礼して部屋を出ると、改めて提示版へ。

そこから、ワイバーンの巣退治の依頼書を外してカウンターへ。


ルリさんがにこりと微笑んで、向かえてくれる。そして、依頼を確認した後渡してくれる。

依頼を成功しようがしまいが、依頼書を持ってくればいいそうだ。


「……は!私としたことが!」

ルリは、慌ててこちらに来ると、ギルドについて説明してくれる。

「ランクは、GからSまであります。依頼をこなした数と評価によってぐんぐん上がるので頑張って下さいね?ちなみに私のあなたへの評価は龍が天に上がるくらいに上がっています!」

「は、はあ」

近いんだけど。誘えば上手く行きそうだけど、そこはスクールカーストの底辺で名を馳せた存在だから、ヘタレです。

「そして、依頼をこなす上でやむなく資金が尽きた場合は、このギルドの二階のボロ……いえ、部屋で泊まることが出来ます。それか、あなただったら私のお・う・ちでもいいですよ?」

上目遣いでなにを言ってるんだこの人。ちょいちょいトラップに引っかけようとしてますか?

「もう、駄目ですよ。ハヤテくんを誘惑しちゃ!」

「でも、プラチナさんの彼氏でもないんでしょ?」

「そりゃあ、まあ……」

頬を膨らませてなぜかうつむく。

「……あの、もう行ってもいいかな?」

「「駄目ですよ!」」

なんで?僕、なんかしたのか?もういいや。女のいがみ合いほどめんどくさいもなのはないんだな。

外へ出ると、村人の方々が集まってくる。な、なんだ?

「あんたが、守ってくれたのか!ありがとう!」

「中々のナイスガイじゃのう。わしの孫の婿にならんかの?」

「い、いえ」

「希望じゃー!我らじじばばの希望じゃー!」

なんか抱きつかれて動けないんだけど!

「お兄ちゃん、私の将来のお婿さんなのー!かっこいいからいいよ!」

「おお、わしの孫も気に入ったようじゃのう!」

「なに、この老人のちやほや感!?」

解放されるまで一時間くらいかかった。


ワイバーン二体をギルドに売って素材と金貨20枚だ。

飛竜はまがりにもドラゴンなので、CランクやBランクが必要なようだ。

ワイバーンの巣を壊滅したら、とんでもない額かもね。


それから、宿屋で必要な物をチェック。光の女神様がエリクサーとか鬼のようにたくさんストックしてくれている。毒消しや麻痺消しも。

ゲームなら、簡単すぎてつまらなくなるけど、これは現実なので助かる。

「ふう」

部屋に戻ってきたプラチナはどこか不満そうだ。

「どうしたの、プラチナ?」

「やっぱりお風呂がないのが残念です。村だからしょうがないですけど」

それは、僕も気になった。大きな街なら風呂やシャワーもあるらしいけど、この村には無いのでお湯を沸かして布で拭くしかないという。

それだけで、銅貨2枚だしね。どうにかならないかな。

「……温泉でもあればな」

僕の呟きにハッとするプラチナはポンと手を叩く。

「それだよ、ハヤテくん!」

近づいて僕の手を掴む。距離が近い。胸に触れて柔らかい。

「どれ?胸?」

「え?胸……ひゃっ!」

慌てて僕の手を離す。そして、照れ笑い。

「もう。ハヤテくんのえっち」

なにが?僕からはなにもしてないんだけど。

「……よーし!今日の内にやっちゃうよ!」

「やる気ですね、お嬢さん」

「温泉だよ、温泉♪ハヤテくんは、村人集めてね」

「あ、ああ」

天使ならば、なにもないとこから温泉も生み出せるのだろうか?

僕は、首を捻りつつ外へ出ると、閑散とした村を歩き回った。

ちなみにまた、空の魔物が狙っていたので撃ち落としたら、悪魔みたいな奴だった。

説明書を見てみたらデーモンだった。魔族だっけ。なんでそんなのが、この辺の空飛んでるの? それはそれ。取り敢えず温泉だ。



つづく

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