湖のダンジョン .5
ミコの視点
私は巫女。湖の主様の怒りを治めるための話し相手をしていました。
私の住んでいた村は、主さまと共存していました。
湖の魔物を食べてもらい、漁師たちに安全に漁をしてもらい、魚がよく捕れたときは、料理して主さまに奉納する宴を開きました。
なにもない村でしたが、私たちは穏やかに暮らしていてのです。
しかし、ある日のこと。湖が、迷路の形になり、主さまは、怒り狂い。
近辺の魔物たちは、強くなり村などあっという間に滅ぼされてしまいまし。
あの時のことを思い出すと、胸が張り裂けそうになります。
ともかく、主さまの怒りを沈めようと、湖の迷宮に踏み込んだものの、魔物が強くて、途中でダウンしてしまいました。
「……一人でなんて、無茶ですよ」
小さな女の子に心配されました。名前はリアさま。
利発そうで、とても可愛らしい薄い桃色の髪色の童です。
「そうだよ。あたしたちが来たからいいようなものを」
こ、この恥ずかしい攻めた格好をしてるのは、コハクさま。
背が高くスタイルも抜群な方です。羨ましい。私は背が低いから。
「なら、みんなでその主さまをなだめに行こうよ?」
子供みたいに無邪気に微笑むのは、プラチナさま。
童顔の無邪気な方ですが、身に纏うオーラは神々しい。まるで、天の神々のような。
「……立てるかな?」
気遣うように手を差し出してくれた方は、ハヤテさま。
コハクさんと同じ東方の島国の方なのでしょうか?
私の故郷と似た国なのかもしれません。
ハヤテさまは、優しいお方。心配してくれてるのが、ひしひしと伝わって来ます。
でも、周りを女子で囲っているのですから、男の狩人としての本能が強いのでしょうか?
みんな美人ですから、おモテになるに違いありません。
「共に行ってくれるのですか?ありがとうございます」
ぺこりと一礼すると、コハクさまが先頭に立ちます。
そして、そのまま歩き出しますので、とても勇敢な方です。
私は、武器の錫杖を取り出しました。前衛にいる時は、徒手空拳ですが、中衛後衛では、術を行使するために錫杖を使います。術力がアップするからです。
魔物を退治しながら進んでいくと不思議なことが起こりました。
私のレベルがグングン上がって行くのです。
主さまのとこに行くまで死ねないと、煙玉を使って逃げていましてこら、レベルは大して上がっていません。
むしろ、逃げるしか方法がないくらい弱かったのです。
いえ。周りの魔物が強すぎるのです。
そして、神様にお祈りしても救われないことも。
不平等の世界は、どこでも変わらないと言うことですか。
コハクさまのスキル『注目』で引き付け、私の魔法で穿つ。
「電撃之祝詞!」
空から、一筋の雷が降ってヤドカリお化けと、魚人男を痺れさせる。
まるで、パーティーグッズを被っているような敵ですね。
そして、リアさまの腱技瞬速二連で、仕留めます。
「いや。ミコさんは強いな」
「いえ。ハヤテさまたちがいなければ、ここまで強くなれませんでした」
「そ、そうか」
何やら、私を見て緊張なさっていますね。どうすればいいでしょうか。
壁の水の流れを見ながら考える。
ここが、魔物がいない場所ならば、滝行も良いのですが。
メンタルを強くするためには、一度くらい打たれてもよいかもしれません。
特に、街角でばか騒ぎしてる殿方などは。きっと目が覚めると思います。
「……あの。もしよろしければ、呼び捨てとタメ口で構いませんよ?
お見受けした所、ハヤテさまの方が、年上でしょう?」
「なら、俺のことも呼び捨てでいいよ?」
「それは、なりません。年上に大しての礼儀です」
タメ口を叩くのは、尊敬出来ないチャラ男とかでいいです。
「ウオオオオオオオオオオオオオン!」
それは、主さまの咆哮。ビリビリと心に恐怖を植えつけよつとします。
行けません。私の『お払い』で、ステータス異常を回復しなければ。
錫杖は、旅の山伏さまからいただいた大切なもの。気力を、ぶち上げます!
つづく
コハクのスキル―『注目』『頑固』
ミコのスキル―お払い』




