家族会議を始めよう
「さぁ、家族会議を始めよう。」
と息子が凛々しく言い放ち、家族会議が始まった。
息子が話すところによると、自分は前前世はこちらの世界で生きていた事、
その時は孤児で、孤児院を出た後は水道局で働いていたこと、
その水道局での仕事中に偶然魔王を目撃し、殺されてしまった事、
その後今居る神様とは別の神様に転生させて貰ったこと等々一気に説明してくれた。
そこまで話していると旦那が目を白黒させて来た。
かく言う私も自分達の息子が人生これで3度目と言う衝撃が大きすぎて付いていくのがやっとだ。
「ちょっと一旦ストップ!コーヒーでも飲んで落ち着きたい!」
そう言ってキッチンに向かうが、そこで息子が衝撃的な事実を一言。
「コーヒー淹れるなら、母さんの力で浄化してから淹れてね」
「えっ?どういう事?」
と自然に湧き上がる疑問を息子に投げかけると衝撃的な答えが返ってきた。
「この地球上の水分には皆魔力や戦闘能力や異能力を吸い取る微生物レベルの小さな魔物が居るんだ。」
「「え!?」」
「母さんと父さんなら気付くはずだよ。自分の中の水分に気を巡らせてみて。」
そう言われて自分の中の水分に気を巡らせると、確かに小さな魔物がごまんと居ることに気づいた。
その驚異的な数もそうだけど、その一匹づつがかなりの量の魔力や戦闘能力や聖なる力なんかを奪っていっているのが分かった。
「何これ!?こんなんじゃ、私達以外の通常の魔力量の人なんてひとたまりもないよ!」
「それが魔王の狙いなんだよ、そうやって魔力と戦闘能力、異能力系を奪って、魔力や異能力がある人も無い人間にして、魔物も魔力を奪われすぎて動物になってしまう。植物なんかも魔力を含んだ薬草とかモンスター系の植物なんかも普通の植物になってしまう。そうして奪った魔力や戦闘能力や異能力を最終的には自分の中に取り込んでしまうんだ。」
またの衝撃的な事実を飲み込めず、少しだけ現実逃避をする。
「そう言えば見た目を前世に戻そうとしてたんだったな〜、前世基準だと黒目黒髪は闇の魔法使いの象徴だったから落ち着かなかったんだよな〜」
と若干声を裏返しながら見た目を前世の頃に戻した。
そうすると、魔法を使う寸前に魔物が一層のこと魔力を吸い込む気配がした。
もう、否が応でも納得せざるおえなかった。
「この魔物は地球の大気にも溶け込んでるんだ。そうすることで雨となり地球へ降り注ぎ、海水や川の水、そして地下水にも満ちていく。そうしてその水を吸い込んだ植物を草食動物や人間、それに虫が食べ、またさらに増殖していく。食物連鎖でどんどん広がっていくし、それに水も飲むでしょ?そうすることで、自分と味方にしか力が無い都合がいい世界が作られて行くんだ。」
そう聞かされ、納得する。
いくら力が封印されていたとしても、魂から生産されるおびただしい魔力を感じる事ができなかったのは、魔物に全て吸い取られていたのか、と。
「その魔物を浄水場で水に混入している所を見てしまって、前前世の僕は殺されてしまったんだ。」
「そうだったの…。」
「その後に父さんと母さんに出会えたから僕は幸せものだよ。前前世は孤児で家族の暖かさを感じられなかったから、むしろ感謝してる位だよ!」
そう言って息子はニヤッと笑った。
「さあ、そのお礼を家族と言うパーティで魔王にお見舞いに行く手筈を考えるよ!」
中々時間が作れず頭の中出てきたストーリーを文書化できません…
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