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どうしてこうなった!?(仮)

作者: ゆう

別になにか特別なことがあったわけでも、不幸なことがあったわけでもない。

ただただいつも通りの日常に過ぎない。

そんな日に起きた話。



僕の名前はシン。僕とか言ってるけど実は“おんな”である。

なんでそんな紛らわしいことをしているのか。

と色々言いたいことはあると思うが、ひとまず聞いて欲しい。


ある日のこと、僕は何の変哲もない日々を過ごしていた・・・はずだ。


いつも通り朝起きて、朝ご飯を軽く食べ、学校へと行き。

友達と駄弁り、ボーっと授業を受けて、放課後だらだらしたのちに帰る。

いつも通りだ。変わり映えのない日常・・・がいつもと違ったのは帰宅途中。

普通に帰っていたはずだ。うん、そのはず。

帰路を歩いたとき、いきなり目の前が明るくなった。眩しくて目を閉じると

そよ風が吹いて鼻孔をくすぐる。緑のいい匂いがした。


おかしい。私が歩いていた道はバリバリのコンクリートだ。緑といっても

雑草レベルのもので、近づいたとしても匂いがするかどうかすら怪しい・・・。

にもかかわらず、今は木々に囲まれたのか?と思うぐらい感じる・・・正直、目を開けるのすら怖い。普通に考えて欲しい。目を閉じている間にそんな環境って変わりますか??いや、そんなことはない。ありえない。


見ないのも見ないで怖いが、見たら見たで後悔する。でもやるしかないのだ。なんなら一択だ。

“YES”か“はい”か“喜んで”しか言わせてもらえないやつである。

心の中でめちゃくちゃ饒舌になりながら、ゆっくりと目を開ける。

視界が眩しくてぼやけていたが徐々に今の状況を映し出す。


「・・・マジで森じゃん。」


ボソッと言ってしまったが許してほしい。

何が悲しくてコンクリートだらけの道から自然豊かな森の中に変わってしまうのか。意味が分からなすぎて泣きそうである。

しかも周りに人がいるわけでもなく、私一人しかいない。


「こんなことがあっていいのか・・・いやダメでしょ!!」


ついに心の内に秘めていた(秘めていない)気持ちが溢れ出した。


「なんでこんなことになったの!?私なにかした??えっ?してないよね?何もしてないよね!?」


こんがらがる頭で、思っていたことをすべて吐き出す。自分でも何を言っていたか定かではない。もはや自問自答を永遠に繰り返していた気もする。


・・・何時間経ったのだろう。少し暗くなってきた気がする。

冷静になり、自分の置かれた状況を整理する。


「私はいつも通り家に帰っていた。その途中で、急に目の前が明るくなって・・・それで目を閉じて、開けたらこの状況・・・・・私って瞬間移動できたっけ?」


訂正。全然冷静ではなかった。現実味がなさ過ぎて、現実逃避真っ最中なだけである。


心の中で「いや、瞬間移動ってなんだ。テレビの観すぎだ。」とツッコミを入れ、深呼吸する。


「とりあえず荷物はあるし、現在地がどこなのか確認しなきゃ。」


とポケットに入っていた携帯を取り出し、画面を確認する。


「・・・圏外」


肩を落としてまた現実逃避を開始する。


「圏外ってあれだよね。電波が、受信できない状態・・・だよね。あれ?これって詰んでる?」


また自問自答を繰り返そうとして、ふと思った。


「いや、森って普通に電波悪いし、なんなら圏外になることもあるよね?ってことは森から抜け出せればなんとかなる・・・?」


希望が見えてきた。やっぱり冷静になることは大切だ。混乱していると当たり前のことがみえなくなってしまうから気を付けよう。そう心掛けて歩きだそうとし


「これってどっちに進めばいいの・・・?」


と足を止めた。


「この森・・・どのくらい続いてるんだろう。アフリカとかそのレベルだったら何日も野宿する上、食にもありつけないかもしれない・・・それは無理。というか平成の世しか生きてないんだよ?

サバイバルとかやったことないし森での生活とかキャンプくらいよ?一日で息絶えるんじゃない?」


恐怖で体が震える。死を覚悟しながら生活しなくてはいけないなんて。


「私の人生短かったな・・・」


未来の絶望を感じ、悟りを開こう・・・・・として気持ちを切り替える。


「いやでも、もしかしたら警察沙汰になって捜索しているかもしれないし、森の中で誰かと出会って助かるかもしれない。」


ネガティブ思考に陥りすぎている。ポジティブシンキング!!“たられば”ばかり考えても仕方がない。

なるようにしかならん!!


ネガティブな気持ちを無理やり押しやり、まずは進む方向を決める。


「どうしよう、コンパスは携帯に入ってるけど方角とか関係なさそうだし・・・よしっ!こういう時は。」


まわりを見渡し、あるものを見つけて取りに行く。


「ときには運に身を任せるのも大切だよね。」


そういいながら木の棒を見つけて立たせ、手を離す。

押さえを失った棒はそのまま倒れ、地面に叩きつけられる。


「よしっ!こっち!」


若干のなげやり感も感じつつ棒の倒れたほうに歩みを進める。






この先どんなことが待ち受けているのかはまた別のお話・・・

ご覧いただきありがとうございました。

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