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悪魔は王子から情報を得る


『上級鑑定魔法を一定数使用したことを確認しました。最上級鑑定魔法の取得可能条件をお知らせします。』



その声と文字に、思わず目を見開いた。



『最上級鑑定魔法の取得可能条件は、

・智力400以上

・隠蔽魔法取得済み

・隠蔽魔法持ちに1万回鑑定魔法をかける

以上の条件が達成されると取得が可能となります。』



なんつータイミングだよ!

・・・もしかしてこれが、神様が言っていた最上級に上がるための条件か!

確か神様が一定の数を使うと頭に条件が浮かんでくると言ってたな。


ていうか、てっきり条件は1つと思ってたら、3つもあるのか!?

・・・あ、でも智力と隠蔽魔法の2つはもう達成している!

隠蔽魔法取っといてよかった・・・!

残り1つのは、1万回か・・・。





・・・ん?

よく考えたら、今の俺にとっては容易いことじゃないのか?



近くにじいさんという隠蔽魔法持ちがいるのだから、じいさんに密かに鑑定魔法を多重魔法でかけたら数日でいくんじゃないだろうか。


鑑定魔法は無詠唱でもかかる消費魔力はわずかなもので、MP1くらいしか消費しない。

これを1万回だから単純にMPは1万いる。

俺のMPは約3000×4だから1万2000。

ということは、多重魔法を立て続けに使っても問題はないということだ。

しかも2つの指輪の効果で1秒に4回復するから、明日には全回復するだろう。


最上級鑑定魔法は隠蔽魔法が関係していることから、もしかしたら隠蔽魔法も関係なくステータスが見れるようになるんじゃないだろうか。

そうしたらじいさんはもちろん、オーランド王子のステータスも見れるようになるかもしれない。

そう考えたらいいタイミングだった・・・か?




「・・・おい、ユウジン。急に黙りこんでどうした?」

急にマスティフに話しかけられ、俺はハッと我に返った。

オーランド王子はじいさんとアシュア、レフィと雑談していてアシュアのたわいもない話をにこやかに聞いていた。

俺は少し離れた後方で立っていて、隣にマスティフがいた。

「・・・すいません、ちょっと考え事をしていました。」

俺は気を取り直して、ふと隣にマスティフがいることに不思議に思った。


「マスティフこそ、どうしたんです?話に入らなくていいのですか?あなたの性格なら真っ先に話しかけそうなのに。」

そう、マスティフの明るい性格ならアシュアのようにオーランド王子にフレンドリーに話しかけそうなものなのに、なぜか後方にいる。

マスティフはすごく微妙な顔をした。

「うーん、なんかあの王子、ニコニコしてるけど本当はあんなとは違う気がするんだよ。」

あ、そういえばこいつ、恐ろしく勘が鋭かった。

「人当たりよさそうでそうでもないっていうか、基本的に他人に興味がないような気がする。」

そうなのか?俺も人を見る目は確かな方だが、オーランド王子は人当たりがよさそうに見えるんだが・・・。




まあ、面白い目はしてるけど。



「・・・1度絶望を味わった目をしていますけど、ね。」

「え?絶望?」

俺が小さく呟いた声が少し聞こえたのかマスティフが聞いてきた。

でも俺はニコリと笑顔を張り付けて、「いえ、なんでもないです。」と言っておいた。




しばらく雑談していた王子たちはだいぶ馴染んだのか、緊張感もいい感じに薄れた雰囲気のまま内紛の話へと移った。

「父は他国侵略して領土拡大をすれば生活が豊かになると思い込んでいて、それで毎年のように他国侵略を掲げようとしていました。それに反対した大臣が次々と不審な事故死をしたのが、俺が立ち上がったきっかけでした。その反対していた大臣が事故死する前に俺のところに来まして、「国王に殺されるかもしれない」と、とある書類を見せてきたのです。」

「その書類とはなんじゃ?」

「国王が他国侵略を掲げる上で最大の問題が、ヴェネリーグ王国の軍事力の低さにありました。そこで国王は魔物を使役できる自身の魔法を使って、魔物を戦力にできないかと画策しているというものです。」

魔物を戦力に・・・。

あのフラヴィーナのようなことだろうか?


「魔物を戦力に!?」

「はい。使役魔法というのはかなり特殊な魔法でして、使役できる数に制限がないようなんです。その書類には、父は視察と称して様々なところに行って魔物を使役していたそうで、その時で約5000頭はいたと書いてました。」

5000!?しかもその時で、だ。

現在はどこまで使役しているのか考えるだけ恐ろしいな。

「使役した魔物はほとんどが首都のすぐ裏の山に潜伏させていると書いてました。もしかしたら最近魔物が増えてきている原因もそこにあるのではないかと思っているのです。使役している魔物が山から降りてきて暴れているのか、山に元々いた魔物が山に魔物が増えて追いやられて町の近くなどに現れたかとか・・・。」

「その可能性はありそうじゃな。」

じいさんが考えながらうんうんと頷いた。


「いくら父が魔物を使役できるとはいえ、魔物を戦力にするのは間違ってると思いました。しかも父はその魔物を使って実験をしているようなんです。」

実験・・・。

確かスラムにいたあの元大臣も実験台にされたと言っていたな。

なんの実験をしているんだ?


「父は秘密裏に、人と魔物を掛け合わせる実験をしているんです。」


その言葉に全員目を見張った。

「事故死した大臣を不審に思って、父の行動など徹底的に調べました。すると大臣たちは父に呼び出されてあるところに出向き、そこで監禁されて魔物を掛け合わせる実験の実験台にされて死んだことがわかったのです。」

「なんてひどい・・・!」

アシュアはショックを受けているようで、そう呟いた。

「いくら国王でもそんな実験をしていることや、大臣を実験台にしたことに憤りを感じました。命を軽んじている父は国王の資格はないと思いましたし、これ以上そんなバカな実験をさせないためにも、父に反旗を翻したのです。」

「なるほどのう。そういうことか・・・。」


オーランド王子は真剣な顔をして、頭を下げてきた。


「お願いします!魔物も多くなってますし、治安も悪くなってます。このような状況が続いているので国民は不安になっています。この内紛を早く終わらせるためにも、俺たちに協力して頂けないでしょうか!?」





その時、突然激しい目眩がして、一瞬意識が飛んだ。




うっ!?・・・な、なんだ?


ふらつきはしなかったが、何回か瞬きをしていると治ったが・・・。



「・・・そうだのう。わしは協力してもええと思うんじゃがのう。」


じいさんのその言葉にハッとしてじいさんを見ると、にこやかな笑顔で言っていた。

「私も賛成!そんなひどい王様なんてやっつけちゃいましょう!」

アシュアは気合いが入ったようにふんっと鼻息荒く言った。

「・・・私もそう思います。」

レフィは相変わらずの無表情で言った。

「おう!俺も許せねえな!ユウジンもそう思うだろう?」

マスティフはなんかやる気に満ち溢れた感じで聞いてきた。



え、4人とも、おかしくないか?


確かに魔物を戦力とか実験とか、結構物騒な話だったがそれだけでオーランド王子の味方に簡単につき過ぎじゃないか?

マスティフなんて、さっきあんまり良くない感じにオーランド王子のこと言ってたのに。変わるの急じゃね!?

ていうか、そもそも俺たちは内紛をどうにかするために来たのではなく、グラエム王が悪魔教に関わっているか調べにきただけではないか?

悪魔教の本部がある国を知りたいのだから、グラエム王派についた方がグラエム王と接触のチャンスが増えるからそっちの方がいいと思うんだが。



・・・んまあ、俺はどっちの派も、どうでもいいんだけど。



「・・・そうですね。」

とりあえず様子を見ようといつもの笑顔で肯定的な返事をして、流れに乗ることにした。




それから王子は明日には用事を済ませて本拠地だという南のキュベレの町に戻るそうだ。

するとなんかじいさんやアシュアが本拠地についていきたいと言い出し、俺らも王子と共に明日、キュベレの町に向かうこととなった。



・・・なんで用事もないのに本拠地に向かうんだ?



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