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5、悪魔は戦ってみた

起きたら昼だった。





起きてすぐ、窓からさす太陽の光がいやに真上にあるなと思ったら・・・。


あちゃー、やってしまった。

いつもはスマホのスヌーズで起きてたから、朝起きれなくて当たり前か。

朝食食いっぱくれてしまった・・・。

夕食が美味しかっただけに、なんかショックだ。


もう今は昼食をやってるだろうな。

着替えて1階に降りて食堂に行くと、ララがいた。

「あ!ユウジン、朝食べに来なかったでしょ!?もしかして、今起きたの?」

「あはは・・・。おはようございます?ララ。ということなんで、昼食お願いできますか?」

苦笑してそう答えると、ララはちょっと呆れ顔で席に案内してくれた。


昼食もオススメを頼んだら、アサリをたくさん使ったトマトソースのパスタとサラダだった。

それもやはり美味しく頂き、部屋に一旦戻ると予定通り観光に出掛けた。




このフラヴィーナの町は端から端まで歩くと数時間かかるほど大きな町で、中心地に役所や冒険者ギルドや商業のお店があり、北側がお金のある人が住む家が多く、東に商業関係の人の家が多く西に農家など一般的な家が多く、南は観光客向けに宿屋が多いというのが町のだいたいの区分だ。


そしてこの街の東の方に行ったらすぐに海に面している関係で、町の特産物は海産物や珊瑚・真珠だそうだ。

かといって海のものだけでなく、町の西は農園が広がっているので農作物も豊富で、町の北はすぐ山なので季節によっては山の特産品もあるらしい。


この情報は「世界の歩き方」に載っていやがった。

あの本、全都市・町・村の情報が載ってたんだが、どうやって情報仕入れてるんだ?

神様は暇なのか?


町を実際に観光しながら露店のおっちゃんとかにそれとなく聞いてみたら、本の情報合ってたし。

自分で見つける楽しさが薄れた気がする。

これから別の町に行っても情報は見ないようにしよう。


そう心に誓いながら数時間、町ブラをした。


途中で服屋を見つけたので服と下着と靴下、タオルなどを複数買った。

そして防具屋があったので寄って、ひと目で気に入ったローブがあったので買った。

白のロングコートで彩飾はちょこちょこあるが目立たない感じのものだ。

本当は黒系が好きなんだけど、顔に合わないんだよねえ。


続いて武器屋に行って、安めの短い杖を買った。

ナイフと同じように腰にさしておくようにしよう。

本当は杖要らないけど魔法使いと名乗った以上はローブと杖持っとかないと、また笑われたらめんどくさいし。


それからまた町ブラして、途中で道具屋を見つけてMPポーションがあったのでいくつか買った。




町ブラを終えた俺は魔物と戦ってみようと、町の外に出た。

門番にそれとなく弱い魔物が出る場所を聞いたら、俺が最初にいたあの森を教えてくれた。

昨日結構歩き回ったのに、いたのか?あの森に魔物・・・。


何はともあれ早速行ってみると、森を入ってすぐにエンカウントした。



ポヨンという音とともに草むらから出てきた水色のゼリー状の塊。


「・・・スライム、だよな?」

もちろん返事はない。


あ、こういう時のために鑑定魔法があるじゃないか。


『この者を暴き我に教えろ、アプレイサル』


すると頭の中に情報が浮かんできた。


種族:スライム

属性:水

レベル:1

HP:5

MP:3


鑑定魔法が初級だからか、情報はこれだけのようだ。

でもまあ、今はこれで十分か。

スライムということははっきりしたんだから、戦ってみよう。


まずは火魔法でどれだけのダメージを与えられるか様子を見てみよう。


『我が前の敵を燃やせ、ファイア』


するとボッとスライムが火に包まれた。

スライムはビックリしたようでブルブル震えていたが、火にやられてあっという間に小さくなって消えた。


「・・・は?一発で倒したのか?」

やがて火も消えて、焦げあとだけ残った。

「・・・呆気ないというかなんというか。と、とにかく火魔法はだいたい5くらいのダメージ量と考えていいのか?」


しばらく森の中をランダムに歩いていたらまたスライムがいた。


『我が前の敵を潰せ、ウォーター』


今度は水魔法を使ってみたが、水の玉がバシャッとかかったくらいであまり効いてはなかった。

多分スライムが水属性なのとウォーターがただ水を出す魔法だから、あまりダメージを与えられなかったのだろう。

そう考えたら、先ほどのファイアは水属性と対極の火魔法だったから一発で倒せたと考えてよさそうだ。

試しに火魔法を使ったら今度は一発で倒れた。


「お!レベル2になってる。」



名前:ユウジン・アクライ(阿久来優人)

種族:人間(魔法使い)

年齢:24

レベル:2

HP:50

MP:60

攻撃力:10

防御力:8

智力:15

速力:9

精神力:7

運:3


振り分けポイント:100:50


超適性:罠魔法

戦闘スキル:初級短剣術

魔法スキル:初級罠魔法・初級鑑定魔法・アイテム収納魔法・初級火魔法・初級水魔法


取得可能スキル:1



ステータスを見てみたら、レベルがあがっていた。

振り分けポイントと取得可能スキルというのがある。

そして何気に種族のところにかっこで職業が書かれている。

たぶん冒険者ギルドに書いたのが反映されたか?

まあ、それは置いといて、早速ポイント振り分けをやりたいところだが、もうちょっと他の魔物と戦ってみたいな。


俺は一旦ステータスを閉じて再び森を散策した。



しばらくすると、近くの草むらガサガサ音がして、額から角を生やしたウサギが飛び出してきた。


「お!?これはホーンラビットか?」

俺はすぐさま鑑定してみた。



種族:ホーンラビット

属性:土

レベル:1

HP:10

MP:5


やっぱり!

さすが神様、ラノベで主人公が最初に戦うのはスライムかホーンラビットと相場は決まってるもんな。

これくらいはおさえてるか。


早速火魔法と水魔法をホーンラビットにうってみた。

そしてそのつど鑑定する。

「うーん、どちらもHPが3ずつ減ったか。対極した属性でないからたいしたダメージにならなかったか?」

ホーンラビットは少しフラフラしているが、こちらを睨み付けて体当たりをしようとしている。

よし、今度はナイフで切りつけたらどれくらいのダメージになるか攻撃してみよう。

腰のナイフを取り出し構え、体当たりしてくるタイミングを待った。

そして勢いよく突進してきたのをギリギリで避けて切りつけた。


ホーンラビットは甲高い声をあげて倒れて動かなくなった。


う~む、倒せてよかったけど、戦うのが初めてだからどうやったらいいか、戸惑うな。

初級短剣術のおかげで避けて攻撃できたという感じで、なかったら多分体当たり当たってたな。

これからこうやって武器持って戦わないといけないこともあるかもしれないから、今のうちに慣れといた方がいいかもしれない。


そういえばこのホーンラビットはどうしよう?

ラノベなら、討伐証明部位とってポイだが、肉剥いだら自分の食料にする奴もあるし。

というか、剥ぎ取りは知識ないとできないわ。

とりあえず、ラノベでよく聞く血抜き?をしてアイテムに入れとこう。

ギルドで有料で剥ぎ取りやってくれるラノベがあったから、町に帰ったらギルドに寄って聞いてみたらいいや。


それからホーンラビットの血抜きをしながら、わざと血をそのままにして血の匂いに寄ってきた魔物をナイフの練習の的にして次々に戦った。

こちらの凡ミスで攻撃を受けたりしたが、来るのは弱い魔物ばかりだったのでたいしたダメージにならず、時には罠魔法を使ったり火魔法・水魔法を使ったりした。

そうして森に入って数時間となった夕方になったので切り上げた。


倒したのは全部でスライム5匹・ホーンラビット4羽・幼虫の魔物キャタピラー3匹だ。

スライムは全部火魔法で倒してしまったので蒸発してなにも残ってないが、ホーンラビットとキャタピラーは一応全部アイテムに入れた。


そして俺のレベルは4になっていた。


全く振り分けてなかったので振り分けは300:150、取得可能スキル2になっていた。

俺は町に戻る前に振り分けて、スキルも2つあるものを取得した。



名前:ユウジン・アクライ(阿久来優人)

種族:人間(魔法使い)

年齢:24

レベル:4

HP:50→150

MP:60→260

攻撃力:10→30

防御力:8→35

智力:15→50

速力:9→41

精神力:7→30

運:3→16


超適性:罠魔法

戦闘スキル:初級短剣術

魔法スキル:初級罠魔法・初級鑑定魔法・アイテム収納魔法・初級火魔法・初級水魔法・(取得)初級土魔法・(取得)隠蔽魔法



魔法に関係する智力をあげて、速力もあげた。

俺のイメージは、素早く動ける魔法使いだ。

素早く動けるなら罠もはりやすいだろうし、攻撃を受けるより回避の方が俺は好きなんだよな。痛くないし。


取得可能スキルは2つとも魔法をとった。

隠蔽魔法は鑑定魔法をかけられてもステータスが見えなくする魔法だが、その他にも色々使えるからとった。

特に罠魔法と相性がいいと俺は考えてるんだが。

土魔法も罠魔法と相性がいいと思ってとったものだ。




さて、剥ぎ取りお願いしないといけないし、町に帰ろうかな。





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