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31、悪魔は依頼をこなす

貴族の人身売買事件から2週間が経った。




俺はその間、箱の依頼を受けて解決してを繰り返している。

やった依頼は「図書の返却期限を過ぎた本の回収」「飲食店の調理補助」「装飾品の移動販売の売り子」「学者の植物採取の護衛」「ゴブリンに盗まれた家宝の盾の奪還」などなど、色々やって面白かった。


特に印象的だったのは、「ゴブリンに盗まれた家宝の盾の奪還」で、依頼人の目撃証言から首都の南を探していたらゴブリンの村を発見してしまい、1人で壊滅したことだ。

ゴブリンはレベル20くらいだったので弱かったが数が30匹以上いて、しかもボスのゴブリンキングがいたので倒すのに苦労した。



種族:ゴブリンキング

属性:土

レベル:44

HP:1720

MP:170

攻撃力:287

防御力:223

智力:89

速力:180

精神力:126

運:51


戦闘スキル:中級剣術・中級斧術・双剣術

魔法スキル:初級土魔法



倒せるかどうかというよりは、30匹以上相手した後に相手しなければならず、それがしんどかった。

途中で初めてMPが尽きたので物理攻撃しながらMPポーションを飲んで倒したのだが、さすがに疲れて倒した後に休憩しないと動けないほどだった。


本当は冒険者パーティ数組で壊滅するようなやつだからな。

そりゃ1人でやったらしんどいわ。

でもレベル上げにちょうどいいと安易に考えて突撃してしまった。

ちょっと反省して、ゴブリンが盗んだ家宝の盾を見つけて回収して、その他色々溜め込んでいたのでそれの中で価値がありそうなものだけをいただいた。

因みにこのゴブリンの村を見つけて壊滅したことは誰にも言ってない。




今も、依頼で首都から南東に数日行ったところにある岩山の頂上にいる。




『我が前の敵に岩の雨を降らせろ、ロックドロップ×10』


俺がそう唱えると、目の前の魔物の頭上から大岩が10個降ってきた。

多重魔法を使ったので、MP節約のために詠唱した。

魔物は背中に生えた大きな翼をはためかせ、飛びながら器用にかわすがいくつか当たって「ピィイイイ!」と、猛禽類特有の甲高い叫び声をあげた。


魔物は唸り声をあげて勢いよくこちらに近づいて来て、鋭い鉤爪の前足を振り下ろしてきた。

俺はそれを魔法剣をクロスすることで防ぎ、横にいなして無詠唱で雷魔法を撃つ。

魔物が驚いて一瞬固まった隙にあらかじめはっていた罠魔法を発動して、リンクさせたアイテムからマジックアイテム『力の大剣』を魔物の上に出した。

大剣は重力に従って自らの重みで勢いよく落ちてきて、魔物の背中に突き刺さった。


「ピィイイイ!?」

魔物に刺さった大剣は深く突き刺さり、魔物は痛みに悶えて暴れ回り、俺はその隙に距離をとった。


「・・・さすがグリフォン。ちょっと、手強いですね。」



種族:グリフォン

属性:風

レベル:61

HP:2900

MP:830

攻撃力:388

防御力:297

智力:199

速力:295

精神力:102

運:62


戦闘スキル:上級鉤爪術・飛行術

魔法スキル:中級風魔法・初級土魔法



そう。俺は今、ゲームやラノベなどで超有名なあのグリフォンと戦っているのだ。


グリフォンは俺を睨み付け、声をあげた。

するとその声が3つの風の刃となって俺に向かってきた。

俺はアースウォールで土の壁をすぐさま出現させて防ぎ、お返しと火魔法を唱えた。


『我が前の敵を射ろ、ファイアアロー×10』


俺がそう唱えると、空中から火の矢が10本出現してグリフォンに飛んでいき、次々と体に刺さった。

痛みと熱さにグリフォンは叫び声をあげてフラッとしだした。

よし!弱ったな。

俺は左に持っていたの魔法剣をしまって、右に持っていた魔法剣を両手で持って構え、グリフォンに素早く近づいて首を突き刺した。


ザクッと音がしてグリフォンが叫ぶ。

俺は力を入れて魔力を注いだ。

魔法剣はギュンッと音がしてのびてグリフォンの首を貫通した。

それを確認したらさらに力と魔力を込めて、そのまま外側に切り裂いた。


「はあああっ!」

柄にもなくそんな声をあげて切ったおかげでグリフォンの首は半分切れて、それによりこと切れ、グリフォンはゆっくりと倒れていった。


「・・・ふうっ、疲れました。」

「ミャーー!」

俺がため息をついたら、終わったのがわかったクロ助が走り寄ってきた。

クロ助は離れた岩の影に隠れさせていたのでそこから見ていたのだろう。

おつかれー!という感じで鳴いて足元でスリスリしてきた。

「労いありがとうございます。でもこれから血抜きをしてアイテムに入れないといけないので、もうちょっと離れていてください。」

「ミャー」


俺は首のもう半分を魔法剣で切って、そこから血が出るようにして、背中に刺さったままの『力の大剣』を抜いてアイテムの中の適当な布で拭いてアイテムに入れた。

返り血はちょっと付いたが、例によって『不滅の外套』を着ていたので、はたいたらとれた。

それから血抜きが終わるまでちょっと休憩して、ステータスを見たらレベルが上がっていたので振り分けてスキルも取った。


ここ2週間ちょこちょこ魔物と戦ったし今の戦いで、レベルは晴れて50になった。



名前:ユウジン・アクライ(阿久来優人)

種族:人間(魔法使い)

年齢:24

レベル:50

HP:1720

MP:2990

攻撃力:388

防御力:466

智力:624

速力:522

精神力:266

運:186


超適性:罠魔法

戦闘スキル:(取得)上級短剣術・(取得)中級剣術・双剣術

魔法スキル:(取得)上級罠魔法・上級鑑定魔法・アイテム収納魔法・中級火魔法・(取得)中級水魔法・(取得)中級風魔法・(取得)上級土魔法・初級雷魔法・中級光魔法・(取得)拘束魔法・隠蔽魔法・剣魔法・(取得)中級多重魔法


取得可能スキル:1



この2週間の間に、新たに剣術と風魔法を中級までとり、短剣術、罠魔法、土魔法を上級にして水魔法と多重魔法を中級にした。

そして新たにとったのが拘束魔法だ。

まあ、これはその名の通り拘束する魔法だ。

戦うときにも隙を作るのに役に立つし、貴族の事件の時にロープで縛ったことを考えたらあったらいいかなと思ったのだ。

罠魔法と相性もよさそうな気もするしな。


さてさて。

血抜きができていたのでグリフォンを丸ごとアイテムに入れた。

グリフォンは3メートル以上あったが余裕で入った。

というか、レベルが上がったのに伴い、アイテムの要領も広がって45m×45m×45mになっていた。

もはや大概のもんは入るな。限界ないのか?



俺はクロ助を肩に乗せるとグリフォンの住みかに向かった。


グリフォンはこの岩山の頂上に巣を作っていて、その巣の真下にはものすごく貴重な鉱物があった。

それをとってきてほしいという依頼だったのだ。


巣は幸いにも空っぽだったので退けさせてもらうと、真下から銀色の光輝く鉱物が見えた。

「はあー。・・・これがミスリルですか。」

そう、ファンタジーの鉱物として有名な、あのミスリル。

本物はこんななのかとしばらく眺めて、土魔法でアイテムに入れやすいように砕いてポンポン入れていった。

確か依頼は50キロだったかな?

この50キロを運ばなければならないというのもネックとなって、この依頼は1年以上受けられてなかった。

まあ、レベル61のグリフォンがいる時点で並の冒険者じゃ無理だろうけどね。


まだまだ結構な量がありそうだったので、依頼分50キロと自分用に50キロとった。

これで防具を造ってもらおうかな?




俺は鼻歌混じりで首都に帰った。



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