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277、悪魔は召喚される

うっかりもうひとつの方の小説に投稿してました。

寝ぼけて投稿するもんじゃないですねf(^^;

俺はいつもの笑顔を保てないほどぽかんとしてしまった。


俺が勇者?


いや、その前にこの世界・異世界と言ったが、どういうことだ?

ここは俺がさっきまでいた世界とは違う世界ということか?


混乱して言葉を発せない俺を男は目に止めて、マジマジと見定めるような目で見てきた。

そしてしばらく俺を見ていた男は明らかに落胆したような顔をした。


「なんだ、勇者というからにはもっと屈強で威風堂々とした者だと思っていたが・・・なんとも頼りない顔だな。そこらの庶民のようではないか。」

男はそう言って嘲笑うような顔を向けてきた。

まあ、頼りない顔なのは十分自覚しているし、シャツにズボンという身なりからして庶民のようだと思われてもおかしくない格好をしているが口に出すか?


「・・・まあいい。勇者よ、余はこの世界で1番豊かで1番発展しているこのモンフェーラ王国の国王フェリペ・イグナス・モンフェーラである。勇者を召喚するように命じたのも余だ。」


モンフェーラ・・・だって?


その国名には覚えがあった。

西大陸に向かうことになって一応事前情報として「神様監修:世界の歩き方」の西大陸のページを最近読んだ国名の中にモンフェーラ王国という名を確かに見たからだ。

船が着くアルバニカ王国が西大陸の東側にある国だが、西大陸の北側でアルバニカからは北西に隣接する国がモンフェーラ王国だったはずだ。

つまり俺は西大陸に向かう船の中から同じ世界の西大陸のモンフェーラ王国に召喚されたということか。

よかった、また違う世界に来たとかいうことになったらとても面倒臭いなと思ったが。


そしてここが同じ世界というなら、「勇者」「召喚」というキーワードから推測するに勇者召喚を行って俺がここに来たということか。

だが、勇者召喚は異世界の人間を召喚する魔法なのになぜ同じ世界にいた俺が召喚されたんだ?

俺は確かに異世界の人間だが、この世界に来てすでに1年以上になる。

もしかして勇者召喚に不備があったとか?

そこで俺はふと、倒れているローブ姿の男女の姿が目に写った。

7人はすでに事切れて血だまりの中に倒れていて、生きている3人は苦しげに膝をつき血を吐いているが、見たところ今すぐ死ぬような危険な状態には見えない。

・・・確か勇者召喚は・・・―――――――――。

・・・ふむ、だとしたら・・・―――――――――。



そこまで考えていると、開け放たれたドアの向こうからバタバタと複数人が慌ただしく来る足音がした。

そして足音の主たちはこの部屋に来た。

フェリペほどではないが豪華な服を着た男を先頭に4人の全身鎧を来た男たちで、やや豪華な服を着た男はフェリペを見つけるなり叫んだ。

「へ、陛下!急に部屋から飛び出されては危のうございます!」

男の後ろにいた全身鎧の男たちのうち2人が慌ててフェリペの後ろにうつった。

どうやら護衛をする騎士のようだ。

今頃護衛対象に追い付く護衛とはどうなんだろう。


「余は王であるぞ?敬われるならわかるが危険などあるわけがないだろう。」

フェリペは鼻で笑ってしも当たり前のように言った。

自身の危険性を自覚してないのか?

権力者は影響力があるゆえに誰かの反感や恨みを買いやすいのもあるとか、一国の王ならわかってることではないのか?

護衛の動きといい、この国王の発言といい、なかなかな国に来てしまったかもしれない。


「そうはおっしゃられてももし召喚魔法の暴走で凶悪な魔物が間違って召喚されてしまったり失敗して暴発してしまうこともありますから、召喚は終わった後しばらくは様子見されるようにと言ったではありませんか。」

「魔物は召喚されておらんし、暴発もしてないからいいではないか。余の行動にいちいち文句を言うな、バルドロ。」

ムッとしてフェリペがそう言うとバルドロと言われたやや豪華な服の男はやれやれと言う呆れた表情をした。


「・・・それで、勇者召喚の結果はどうなったでしょうか?」

バルドロが少し気を取り直したようにそう言うと、フェリペはニヤリと笑った。

「召喚は一応成功したようだぞ。ほれ。」

フェリペが顎で俺を指すと、バルドロは俺に視線を向けてきて大きく目を見張って、すぐにフェリペと同じようにニヤリと笑った。

バルドロは50代後半ぐらいで黒の短髪に鋭い青目の男で、神経質そうな顔であった。


「これはこれは勇者様、お会いできて光栄でございます。私は宰相をしていますバルドロ・キアルージと申します。」

バルドロは意地の悪そうな笑みでそう言ってきて、とてもお会いできて光栄だなんて思ってないのが丸わかりな表情だった。


・・・これはどう見ても面倒臭いことになったな。


俺は苦い顔をしそうになったがいつもの笑顔を張り付ける・・・のではなく、困惑した顔を張り付けた。

「あ、あの、ここはどこでしょうか・・・?」

そして頼りなげに声をかけてみる。

するとフェリペが応えた。

「ここは異世界だ。お前は余が指示して異世界から勇者召喚でこの世界に来た勇者なのだ。」

「お、俺が・・・勇者ですか?」

「左様。お前は余を・・・いや、この世界を助ける救世主となるべく喚ばれた存在なのだ。」


この世界を助ける?救世主?

なにを言っているんだろうこの王は。

俺は意味がわからなくて少し呆れた。


そもそもこの世界は救世主を呼ぶほど危機に陥っていないと思うんだが。

もし本当に危機ならば神様が動くはずだし、西大陸のみの危機だったとしても東大陸で噂でも聞く機会があるはずだがそういったのは聞いたことがない。

まあ、世界樹が一瞬枯れかけたのは世界の危機に入ることだったが。


それになにより、勇者はすでにいるじゃないか。

200年前に魔王と戦って100年前にこの世界の悪魔を根絶やしにしたと聞いている。

そしてどうやら現在も生きているようで、不老不死がないはずのこの世界で200年以上生きているとはどうなっているのかと思ったりもしているが、それこそテスターで特殊な能力をもらったりテスターでなくても特異な適性でも持っているんだろうと思っている。

まあ、今のところ勇者と関わるつもりはないのでどうでもいいんだが。


それにしてもこの国王フェリペは嘲笑うような見下すような言動があるし、宰相バルドロも通じるところがあるから信用はできないな。

だがなにを考えて勇者召喚をしたのは気になる。

とりあえず、情報を引き出すために本当に異世界に召喚されたばかりの無知のフリをして話をしてみたが、このままなにも知らないフリをして様子を見ることにしよう。

勇者とするなら悪いようにはしないだろうしな。

もちろん鑑定魔法は2人にも男女10人にもかけている。

詳しいウィキは後で時間ができたら読むとしよう。


「おや、勇者だけの召喚のはずが・・・猫まで一緒とは。」

バルドロは俺の腕の中のクロ助に目を止めてそう言ってきた。

クロ助は訳がわからない状況ながら下手に動かない方がいいと思ったのか、俺の腕の中で動かず鳴かずにいて様子見をしているようでキョロキョロしたりしている。

「あなたの猫ですか?」

「え、ええ・・・飼い猫です。」

そう言うとバルドロは興味を失ったようでフェリペとなにか話し出した。

フェリペはどうでもいいように「ああ」とか「それでよい」とか答えていた。

ある程度話したらバルドロは笑顔を張り付けた顔でこちらを向いた。


「さて勇者様、詳しい話をしたいところですがここではろくにできませんから移動しましょう。見苦しいものも片付けねばなりませんし。」

バルドロはそう言うと倒れている男女に目を向けた。

見苦しいものとはローブ姿の男女のことのようだ。

宰相が見苦しい発言とか・・・やはりこいつらなかなかな奴らだな。


移動するということで、フェリペを先頭に部屋を出て俺はバルドロについてくるように促されてバルドロのすぐ後ろについて部屋を出た。

部屋の外はだだっ広い廊下が左右の長く伸びていて、大きな窓からは城下町と思われる町並みが少し見える。

サーチで範囲を広げて見てみたら、どうやらここはモンフェーラの首都のようだ。

王城を中心にぐるっと囲むように城下町が円形にあり、町を高い塀が囲っていて東西南北に出入り口がある。

先ほどの召喚された部屋は王城の一角にある広間だったようで、そこから近くの部屋に向かっているようだ。

廊下の内装も神殿のような柱がいくつもあって、燭台がいくつも並んでいてランプもいくつも壁からかかっていて落ち着いた雰囲気をだしている。

どうやら神殿のような内装なのはこの国特有のもののようだな。



・・・ん?サーチで探っていたら、誰かこっちに向かってきているようだ。


「お父様!」


廊下を滑るように優雅な動きでやって来たのは侍女と護衛を伴った美少女だった。

10代後半ぐらいで水色の長く腰まであるゆるふわな髪に派手な髪飾りを着け、意志の強そうな大きな金の目でとても豪華な真っ赤なドレスを着ている。

「おお、エスメ!今日もお前は愛らしいな。」

フェリペは美少女を見るやデレデレしてエスメと呼んで抱きついた。

「ふふふ、やだわお父様。私が愛らしいだなんていつものことじゃない。」

「そうだったな。だが愛らしいお前にどうしても言いたいんだ。」

「ありがとうお父様。嬉しいわ。」

エスメは笑ってフェリペを抱きしめ返していた。


「お父様、勇者召喚のお話はどうなりましたの?もう終わりました?」

「今終わったところだぞ。そしてこれが召喚された勇者だ。」

フェリペはそう言って振り返って俺を顎で指してきた。

これ、ねえ・・・と思いながら俺はエスメがこちらを見てきたので愛想笑いをした。

エスメは俺をじっと見て、顔を歪めた。

「本当にこの者が勇者様ですの?」

「殿下、間違いなくこの者が勇者召喚で来た者でございます。」

美少女の問いにバルドロが応えた。

するとエスメは悲しい顔をした。

「勇者様と聞いてわたくし、色々と想像しておりましたのにこのような貧相な者とは・・・本当に勇者様ですの?不埒者ではなくて?」

貧相・・・不埒者・・・。

わざわざ本人に思いっきり聞こえるように口に出して言うかなあ。

まあ、美少女からしたら貧相な見た目ではあるし、服装的にも明らかな場違いな格好をしているから不埒者と思われたのはしょうがないけど。

「きっとこの王城がきらびやかだから憧れてつい紛れ込んだんじゃいかしら?そうだとしたらさっさと叩き出した方がいいわ。」

城から叩き出すだと?

は?と思っているとフェリペが慌ててエスメに言った。


「なにを言うんだエスメ!これは確かに勇者召喚の部屋に現れた勇者なんだぞ。直後に部屋の中に余が入ったから間違いない。エスメの期待する勇者様ではなくこんな貧相な若造になってしまったが、これが勇者なのは間違いないことなのだ。わかってくれエスメ。」

フェリペが懇願するように言うとエスメはしょうがないというようなため息を吐いて改めて俺を見て微笑んで声をかけてきた。


「はじめまして勇者様。わたくしはこの国の王女エスメラルダ・アデラ・モンフェーラと申しますわ。」

あんな会話を目の前でしてまるでなかったかのように自己紹介してきたエスメことエスメラルダに俺は呆れてものが言えなかった。


・・・国王もアレならどうやら娘の王女もアレなようだ。






次回からもしばらくは新キャラがどんどん出てきます。

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