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27、悪魔はさっと採取する

屋敷を出た俺はまっすぐクレイの家に向かった。


クレイはあまりの早さにものすごく驚いていたが、人形を渡すととても喜んでいた。

「ありがとう!お兄ちゃん。あの、それでステイツ、大丈夫だった?」

クレイは交渉して取り返したと思っているようだ。

まあ、普通はそう考えるわな。

「大丈夫でしたよ。」

会ったとも言ってない曖昧な答えをにこやかにして、ところでと話をすり替えた。

「他の子供たちから奪ったおもちゃもあるのですが、持ち主がわかるか聞きたいのですが。」

そう言って俺がおもちゃをアイテムからぽんぽん出すと、驚きながらも全部見てくれて、全部クレイの知り合いや友達のものだったので、クレイから返すと言ってくれた。

「すいませんお願いします。」

「ううん。こっちこそありがとう!皆喜ぶよ!」


クレイの家から出ると、昼になっていた。


「昼食をどこかですましてから北の森に行きましょうか。」

「ミャー」

お腹すいたという感じでクロ助は鳴き、近くに飲食店があったのでそこに寄って食べた。

海鮮お好み焼きを食べ、クロ助にミルクとちょっとタコやイカをあげてみたら食べた。

ラノベやマンガによってはタコは悪魔の食べ物とかいって毛嫌いされてることもあるのだが、この世界ではタコは普通なようだ。

タコ焼き美味しいもんな!



首都の北側は出入り口は緊急時しか開かないそうで、西側の出入り口から出て北の森に向かうことにした。

西側から方へ15分歩くと森の入り口に着き、そこでサーチを使ってみた。


・・・ふむ、冒険者がちらほらいるなあ。

討伐依頼を受けた者たちだろうか?

森に入って5分くらいの距離に、戦っている様子の冒険者パーティの反応があったので、試しにそこに見に行ってみた。

そろりと近づくと、若い男女のパーティが魔物と戦っていた。


魔物はでっかい花の中央に牙の生えた口のある見た目で、トゲの生えた蔦をのばしてパーティを攻撃していた。

あちらの世界でいう、世界最大の食虫植物ラフレシアと同じ見た目だ。

俺は鑑定してみた。



種族:アルラウネ

属性:木

レベル:28

HP:400

MP:85

攻撃力:93

防御力:99

智力:37

速力:59

精神力:26

運:18


戦闘スキル:中級鞭術

魔法スキル:初級木魔法・毒魔法



んまあ、首都に来るときに会った魔物よりはレベルがちょっと高いかなっというくらいか。

だいたいレベルでいうと20後半~30前半の敵が多いのかもしれないな。


男女のパーティは戦い慣れているようで、のびてきた蔦をサクサク切っていき、火魔法を連続で叩き込み倒していた。

ふむふむ、と俺は隠れて立ち回りを学んで、戦い終わったパーティは討伐証明部位のおしべだけ切り取るとこちらに気付かず去っていった。


勉強になったなと歩いて進んでいくと、また冒険者パーティが魔物と戦っているのがサーチでわかった。

また様子を見てみようと近づいてみると、男3人のパーティが豚の顔をした人型の魔物も戦っていた。

俺はもしやと鑑定してみた。



種族:オーク

属性:土

レベル:31

HP:520

MP:40

攻撃力:127

防御力:95

智力:35

速力:26

精神力:29

運:16


戦闘スキル:中級棍棒術

魔法スキル:初級土魔法



おおっ!やはりオークだ!

ゲームやラノベのイメージ通りの豚人間で、棍棒を振り回し下半身だけ鎧を着た姿だ。

パーティは10分くらいで倒すと、近くに置いていた台車に乗せた。

台車にはすでにオークの死体が1体乗せられていて、それの上に重ねるようによいしょと言いながら乗せていた。


どうやら剥ぎ取りを頼むものは、ああやって台車に乗せて運ぶようだ。

俺もアイテム収納魔法がなかったら、ああやって運ぶようになってたのか。

ホント、アイテム収納魔法に感謝だな。


パーティは台車を重そうに運んで行った。

多分もうこれで切り上げて帰るんだろうな。

・・・というか、オークは価格破壊が起きてたんじゃないか?

彼らは知らないんだろうな。かわいそうに。



俺は哀れに思いつつ、森の奥に進んで行った。

ただ進むのもなんだから、レベル上げやりながら行くかと思ってサーチで魔物を確認しながらアイテムから『不滅の外套』を出して着て歩いた。

お、この先にオークがいるな。

俺が近づくと、オークもこちらに気付いて「ブオオオ!」と唸り声をあげた。


そんな唸り声をあげている間に俺はすでに罠をはっていた。

そしてクロ助を肩から地面に下ろして草むらに隠れとくように言っといた。


オークは勢いよくこちらに近づいてきたが、ある地点に着たとき。


バチバチバチッ


「ブオオオ!?」

オークは突如雷に包まれ、筋肉が収縮して、数秒動けなくなった。

俺はその間に腰の2本の短杖を取り出し魔法剣にして、素早くオークに近づき後ろに回り込んで、膝の裏を切りつけた。

ちょっと多めに魔力をこめたのでスパッと切れて、膝カックンの要領で崩れ落ちて前に倒れた。

俺は倒れたオークに乗り上げて、オークの首を左右から同時にぶっ刺した。


「ギョオオオォ・・・!?」

オークの首から血が勢いよく吹き出て、俺の両腕が汚れた。

オークは痙攣して変な叫び声をあげて動かなくなった。


「・・・ふむ。なかなか硬い肌なので、ちょっと多めの魔力をこめておいて正解でしたね。」

オークから降りて返り血をはたいて血を落としているとクロ助が「ミャー」と鳴きながら近づいてきた。

クロ助を肩に乗せて、オークをアイテムに入れようか迷ってやめた。

売っても安いなら、剥ぎ取り練習用にと思ったものの、人型の剥ぎ取りはちょっと気分が悪くなりそうだからだ。



そうして進みながらサーチで確認して戦ってを何回か繰り返し、レベルが上がった。

フラヴィーナからスクリュスクに行くまでにレベル1つ上がり32になり、今回レベル1つ上がり33になった。


奥に行く道中の休憩中にステータスを振り分けた。



名前:ユウジン・アクライ(阿久来優人)

種族:人間(魔法使い)

年齢:24

レベル:33

HP:1020→1120

MP:1790→1890

攻撃力:241→259

防御力:281→301

智力:400→415

速力:320→339

精神力:156→168

運:104→120


超適性:罠魔法

戦闘スキル:中級短剣術・双剣術

魔法スキル:中級罠魔法・上級鑑定魔法・アイテム収納魔法・中級火魔法・初級水魔法・中級土魔法・初級雷魔法・中級光魔法・隠蔽魔法・剣魔法・初級多重魔法


取得可能スキル:2



それから再開して進みながらたまに戦ったりしていると、また先で冒険者パーティと魔物が戦っているようだった。

またこっそりと近づいてみると、なんとアシュアとレフィの2人と木の魔物が戦っていた。

・・・今日は会うなあ。

というか、戦っている木の魔物は、そのままの木の姿で幹に穴のように目と口が開いていて、「ヒュオオオ!」とかいう声をあげていた。

もしかしてエントか?

さっそく鑑定してみた。



種族:エント

属性:木

レベル:32

HP:490

MP:90

攻撃力:107

防御力:85

智力:52

速力:43

精神力:37

運:28


戦闘スキル:中級鞭術

魔法スキル:中級木魔法



レフィはともかく、レベル12のアシュアには強敵ではないか?

俺は確認するのもかねてアシュアを鑑定してみた。



名前:アシュリート・カレラ・トリズデン

種族:人間(魔法剣士・トリズデン王国第二姫)

年齢:18

レベル:22

HP:760

MP:490

攻撃力:103

防御力:86

智力:74

速力:69

精神力:48

運:31


適性:火魔法

戦闘スキル:中級剣術

魔法スキル:中級火魔法



10上がっている!?

昨日オークを倒したと言ってたし、ここまで何匹か倒したんだろうな。

見ていると、アシュアの攻撃をさりげなくレフィがサポートしてるから、依頼こなしながらアシュアのレベル上げをしているといった感じか。


ふと、レフィがこちらを見たような気がした。

ヤバいっ、バレてるか?

慌てて隠蔽魔法を使ってその場を離れた。



そうして歩くこと数時間で奥に辿り着き、モメントの描いた絵を頼りにそこら中を探して1本見つけた。

3本いるということで続けて探して、途中でクロ助も1本見つけて3本集まった。

もちろん、見つけて採ったそばからアイテムに入れていった。


「よし、帰りましょう。今からなら十分夕方に間に合うでしょう。」

俺はクロ助を肩に乗せて帰路についた。

帰りはめんどくさかったのでサーチで魔物や冒険者パーティを避けて帰った。


帰り着いたらちょうど夕方だった。






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