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242、悪魔は代表を手伝う3

レベル25の時のコルネリアスのステータスがこんな感じだった。


名前:コルネリアス・クゥ

種族:エルフ(魔法使い・グリーンエルフ代表)

年齢:205

レベル:25

HP:890

MP:1190

攻撃力:80

防御力:90

智力:234

速力:95

精神力:118

運:40


戦闘スキル:

魔法スキル:中級水魔法・中級風魔法・初級土魔法・精霊魔法



それがレベルを20上げて45になり、上級結界魔法と初級多重魔法をとるとこうなった。



名前:コルネリアス・クゥ

種族:エルフ(魔法使い・グリーンエルフ代表)

年齢:205

レベル:45

HP:1250

MP:2350

攻撃力:128

防御力:149

智力:447

速力:164

精神力:208

運:71


戦闘スキル:

魔法スキル:中級水魔法・中級風魔法・初級土魔法・(取得)上級結界魔法・(取得)初級多重魔法・精霊魔法


やはり魔法が得意なエルフとあってMPと智力の伸びが目立つ。

まあ、これから使う結界魔法や多重魔法に魔力を多く使えることはいいことなのでこの伸びはいいと思う。


結界魔法に関しては最初から取得可能になる魔法ではないもので、条件が揃うと取得可能になる魔法らしい。

らしい、というのは俺はテスターだから最初から全ての魔法が取得可能になっているからどの魔法が取得可能条件があるとかがまったくわからないため、取得しているじいさんに結界魔法についてグリーンエルフに来る道中に聞いたのだ。

結界魔法の取得可能条件は「中級水魔法取得済み」と「中級風魔法取得済み」が条件だそうで、コルネリアスはすでにどちらも達成済みのため取得可能ではあったようだ。

因みに多重魔法は一応取得可能条件があるが「中級魔法のいずれか1つ取得済み」と比較的簡単な条件だった。



そんなレベル45になったコルネリアスと俺たちはグリーンエルフ内のはずれにやって来た。

ヘンリエッテは村でサーベルタイガーの解体を村人たちとやっている。


「ここでいつも色々と試しているんです。」

そこは周辺に木々もなく開けた場所で、雪が積もっているだけの平坦な土地だった。

「村から近いですし、雪で覆われていますが下の土壌は栄養満点なのは調べたのでわかってます。加えて遮るものがないので日当たりもいい。風も適度に吹いてていい環境なのは確かなんです。」

土壌のことはさすがに俺はわからないが、長年研究しているコルネリアスが言うなら間違いはないだろう。


「では、さっそく結界魔法を唱えて下さい。」

「は、はい。」

「上級にしたので結界の形状や条件を細かくできるはずです。」

そして俺はアイテムから紙とペンを取り出して絵で書いてみて形状を伝えて、条件を伝えるとコルネリアスはそこでやっと気がついたようでハッとした。

「なるほど!結界魔法で作った結界の中で野菜を育てるというわけですね!?」


そう。

俺の考えた方法というのは、結界をビニールハウスに見立ててその中で野菜を育てるという方法だ。

戦闘で攻撃を防げる結界なら、条件に雪を通さないようにしたら中で野菜を育てることくらいできるのではと考えたのだ。

だが、結界魔法で作った結界というのはどこまで条件が細かくできるかがわからない。

仮に雪を通さないようにできても害虫や動物や魔物の侵入できてしまうかもしれないし、太陽の光は通すかもしれないが風も通せるようにしたいと細かく条件できる方がいい。

だがこれを考え出した時の俺は結界魔法を見たのことがなかったこともあってじいさんに詳細を聞かないとと思っていた。

シルバーエルフの城に侵入してアレクサンディルスが結界を張っているところを見る限りは結構細かい条件もいけるようだと思ったが、念のためにじいさんにグリーンエルフに来る道中にこれも詳しく聞いておいた。


じいさんによると結界魔法は級が上がるにつれて細かい条件ができるようになるそうで、条件が細かいほど魔力を多く使うし条件によっては結界の維持にも魔力を注がないといけないものもあるらしい。

俺があらかじめ考えていた条件ができるかじいさんに聞いたらじいさんは道中の休憩中に実際にやってみてくれて、できることはわかった。

俺も密かに上級結界魔法は取得しているがレベルが上がったことにシラをきったのでじいさんらの前ではやらないことにしている。

ただ実際にじいさんやってもらってわかったのは条件が細かいので通常よりも1.2倍ほど魔力を多めに使うことになるし数日に1回維持のために結界に魔力を注がないといけないことがわかった。

これはまあ、条件が細かいのでしょうがないとしてコルネリアスには納得してもらわないといけないのだが。


「野菜を育てることの条件ですので、必然的に細かく条件設定をしないといけないことはわかりますね。その条件で結界を張るには通常よりも1.2倍の魔力を使うようですし、維持に数日に1回結界に魔力を通さなければならないようなんです。」

「・・・そうなんですね。でも、野菜を育てることなら仕方ないと思います。」

コルネリアスは少し思案して納得してくれた。

1.2倍の魔力がいるといっても通常よりも多くのMPを持つエルフのコルネリアスには問題ない範囲だろうし、数日に1回の魔力も通すだけなのでそこまで魔力はいらなかったりするのでコルネリアスにはまったく問題ないだろうとわかっていたけどな。

「まあ、これはあくまでも俺の考えついた方法で今回は実際にできるかの実験もかねてますし1棟だけ作りましょう。」

「わかりました。」


そしてコルネリアスは雪の積もった地面をある程度風魔法ではらったら気合いを入れて両手をつきだして唱えた。


『空間を包み守りの盾となり、この地に我が望む結界を張れ、コンディショナルバリア!』


イイィィィィ・・・――――――――


甲高い音がしてはらった地面の上に結界でできたビニールハウスそのままのものが出現した。

ただ、ビニールハウスと見た目が違うのは鉄の支柱がないことと高さがあることくらいだ。

結界というとドーム型を思い出すが、俺の目の前の結界は俺の書いて見せた絵の通りに側面は横長の四角柱で上部は円柱を横にしたものになっていた。


「へええー!すげえーーー!」

後ろで見ていたじいさんは自分がやってみたこともあるので特に驚いてはなかったが、マスティフは面白い魔法が見れたと目をキラキラさせてそう叫んでいた。

ん?そういえばじいさんがやってみた時にちょうど魔物が出てマスティフはそれらを倒しに行っていたので確か見てなかったか。

やってみてすぐに消したこともあってマスティフは完成後も見てなかったんだっけ。

まあ、感動しているアホはどうでもいいか。


「うわあ、すごい・・・本当にできた。」

実際に唱えたコルネリアス自身が驚いて時針の両手を見つめていた。

「お疲れ様です。俺の書いた絵の通りですね。条件もできましたか?」

見た目は絵の通りだとわかるが、条件ができたかどうかは魔法を唱えた術者でないとわからない。

詠唱しながら形状や条件をイメージしたらできるはずなんだが。

「あ、はい!すいません、本当にできて嬉しくてぼーっとしてしまいました。見た目だけでなく条件も全てできました。」


結界魔法でビニールハウスを作る上での条件は「コルネリアスが許可する者以外入れない」「太陽光と風は通す」「熱はほとんど通さない」というものだ。

コルネリアスが許可する者以外入れないようにすると害虫・動物・魔物は入れないばかりか栽培の邪魔をしてくる者も現れるかもしれないのでこの条件になった。

そして太陽光と風は通すというのは栽培には必要。

熱はほとんど通さないというのはまったく通さないにしてしまうと極端な話、結界内が南国どころか灼熱地獄になってしまうため、結界内の熱は数%ほど風などに乗って外に出るようにした方がいいと思ったのだ。

外に出た空気の分冷たい外気が結界内に入るだろうから暑さは落ち着くはずだ。

まあ、この割合はまた様子を見て暑かったら結界を張り直してその時に調節したらいい話だ。


「それはよかった。ではさっそく中で野菜を植えましょう。」

「そうですね!・・・あ、そういえば種がなかったんだった・・・!」

「ご心配なく。アイテムから種のある食料を出しますのでそれを植えましょう。色んな野菜や果樹なんかも植えてみてもいいかもしれませんね。」

この間トリズデン王国に移動魔法で向かったのは実は食料を大量に買い込むためだった。

ニーズヘッグの解体したものをアイテムに入れるためにほとんどを売っぱらった俺はちょっと心もとないなと思って買いに向かったのだ。

帰りの道中のエルフ領内でも売るかもしれないと多めに買い込んでアイテムの半分は食料で埋まっている。

その時はまさかコルネリアスの手伝いをするとは思ってなかったが、買った食料が役に立つとはな。


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