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23、悪魔は予感する

朝、いつものように雷魔法で起きると、枕元で寝ていたクロ助もふあっとあくびして起きた。


「おはようございます、クロ助。今日はなにをしましょうか?」

「ミャー!」

クロ助はおはよう!という感じで鳴くと俺に飛び付いてきた。



クロ助を片手で抱き上げた状態で食堂に行くと、おばさんが待ち構えていた。

「ふふふ、来たわねおチビちゃん!」

少しぽっちゃり体型の肝っ玉かあさん風の50代のおばさんで、店主ハドソンさんの奥さんでローズさんという、食堂の料理担当をしているそうだ。

ローズさんはニコニコ笑いながら豪快に撫で回した。

「おはよ~、おチビちゃん。ミルク用意してるわよ~。」

「ミ、ミャー」

クロ助は戸惑っている鳴き声をあげるが、「おはよう言ってくれたの?かわいいわね~。」とさらに撫で回した。


「ははっ、おはようございます、ローズさん。僕の朝食もありますか?」

「ふふふ、おチビちゃんの大事なご主人様だからね、もちろんよ。」



夕べ、夕食をこの食堂でとったのだが、いつもは料理をしているだけのローズさんがたまたま人手が足りないとホールに出ていたらしい。

そしてローズさんは・・・クロ助に一目惚れした。


そして多分、ハドソンさんはローズさんに名前をチビと言ったのかな?

というかハドソンさんも猫好きだよな?


夕食は俺は野菜炒め定食でクロ助はミルクと、少し歯が生えていることを話すとローズさんは刺身の残りだと言って赤身魚の切り身をサービスでくれた。

ローズさんと少し話してこれから1週間の連泊で泊まることを話すと、ローズさんは朝の朝食の時に食堂で待っていると約束してきた。

どうやら朝食もローズさんがホールするつもりのようで言ってきたのだ。

そして朝、食堂で本当に待っていたというわけだ。


4人席に案内されて俺が座ると、ローズさんはすぐに朝食のパンと目玉焼きとウィンナーとサラダ、ミルクの朝食セットを持って来てくれて、テーブルの上に降りたクロ助の前にはミルクの入った皿を置いてくれた。

呑気に食べていると、朝食を食べに来た人が次々とやって来て、あれよあれよと言う間に食堂は満席となってしまった。

ローズさんによると、この食堂は宿泊客だけでなく食堂のみの利用もできる(1食500イン)そうで、味の評判の良さからいつもこんな感じらしい。


「ごめんよ、ユウジン。席がないから相席いいかい?」

ローズさんがそう言ってきたのでオーケーすると、若い女性2人が案内されてきた。

2人はすいませんと俺に言ってきて席に座った。

2人とも若い女性で、1人は20代後半の銀髪のおかっぱ頭に緑の目の凛々しい目つきのしっかりした感じのクール系美女で、もう1人は10代後半の白金色のパーマがかった髪をポニーテールにして赤い目の明るい天真爛漫系美少女だ。


「私はアシュアっていうの!よろしくね!」

天真爛漫系美少女はニコニコ笑いながらそう言ってきた。

「レフィです。よろしくお願いします。」

対照的にクール系美女は無表情で一礼した。

程なくして、2人のもとに朝食セットが運ばれてきた。


それにしても、性格が対照的な2人だな。

話が合うのかなあ?それかよっぽど仲良いのかなあ?

というか、2人ともぱっと見た感じは簡素な鎧を着けているように見えるが、アシュアはよく見たら見たこともないような頑丈な素材の鎧だし、レフィは鋼鉄より硬いという玉鋼の鎧ではないか?

玉鋼はフラヴィーナの防具屋に玉鋼の兜が売られていたのを見たことがあるので知っていたが。

若いのにこんな高価な物を簡素に見せかけて着ているというのが気になったが、気付かないフリをしていつものように笑顔を作った。


「俺はユウジンと言います。そしてこいつがクロ助です。」

「ミャー!」

クロ助がよろしく!という感じで鳴くと、アシュアはキャーと歓声をあげた。

「わあ!かわいい~!ユウジンのペット?」

「はい。道すがら保護して飼うことになった、旅の友です。」

「ユウジンは旅をしているの?もしかして冒険者?」

「そうです。といってもランクFになったばかりの初心者ですけど。」

「あ!同じだ!私たちも冒険者でランクFなの!」


この装備でランクF?

やっぱりなんかあるのか?


「そ、そうなんですか。お2人とも冒険者でランクFには見えませんので驚きました。お2人はこの食堂をよく利用されるんですか?」

「私たちは3日前からこの宿屋に泊まってるの。1週間はいるつもりよ。」

「あ、俺も昨日からこの宿屋に泊まってるんです。ではまた会うこともあるかも知れませんね。」

俺は食べ終わったのでクロ助を抱き上げ、席を立った。


「お先に失礼します。またお会いしたらクロ助にでも声をかけてやって下さいね。」

「じゃあね!クロ助!」

「ミャー」

アシュアとクロ助のかわいらしいやり取りを横目にレフィさんは無表情の無言でこちらにまた一礼した。



部屋に戻ってベッドに腰かけると俺は頭を抱えた。

クロ助は首を傾げていたが、それどころではない。



俺はなにかを感じて、会話しながら2人に鑑定魔法をかけていた。

その結果・・・



名前:アシュリート・カレラ・トリズデン

種族:人間(魔法剣士・トリズデン王国第二姫)

年齢:18

レベル:12

HP:380

MP:200

攻撃力:51

防御力:44

智力:37

速力:35

精神力:26

運:15


適性:火魔法

戦闘スキル:初級剣術

魔法スキル:初級火魔法



名前:レフィリア・カリスティ

種族:人間(暗殺者・トリズデン王国第二姫の護衛)

年齢:25

レベル:52

HP:1720

MP:1000

攻撃力:216

防御力:170

智力:131

速力:402

精神力:116

運:76


適性:闇魔法

戦闘スキル:上級短剣術・中級剣術・暗殺術

魔法スキル:中級水魔法・中級闇魔法



おいおいおいおい!

なんで姫がここにいるんだよ!?

アシュアとレフィってあれか!あだ名からきてるなコレ!

ていうか、アシュアの見るからに固そうな鎧も要人だから庶民が見ることのない高価な素材を使った鎧着てるわけだ。

そしてアシュアが敬語を使わないのは姫だからね、使わなくても問題ない身分だからね。

そしてレフィの職業が暗殺者って・・・。

スキルも暗殺術あるし。暗殺してるからレベル高いんだなきっと。


・・・と、立て続けにツッコミしてハッとした。

確かラノベでこんなテンプレ展開あったような気がする!

ここでこんなテンプレ展開するとは・・・。


そしてまたハッとした。


これがテンプレ展開ということは・・・。




あのどちらか、もしくは2人ともと、結ばれる展開がこの先にあるということか!?




・・・・・・いや、さすがにそれは考えすぎか。

人間の恋愛にまで神がしゃしゃり出ることはないだろうし、まあ何より俺にその気がないし。

恋愛よりも、人の絶望顔を見る方が楽しいもんなあ。


我ながらクソだよなあと思いながら、まあ、そういうテンプレ展開じゃなかったらいいが、もし万が一そういうテンプレ展開ならフラグへし折っていったらどうにかなるだろうと思い直した。



「う~ん、とりあえず外行きましょうか。どんな町かどんな店があるか、観光してみましょう。」

「ミャー!」

クロ助は賛成!というように鳴くと肩に飛び乗ってきた。



ハーレムものが好きな方には期待に添えず申し訳ありません。

作者がハーレムものを読みすぎてハーレムアレルギーになってしまったので、この小説はハーレムになることはありません。


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