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20、悪魔は町を出る


「・・・何を勘違いされていませんか?」


ガンカーには申し訳ないがそれぐらいではニコニコ笑顔は崩れないよ。

俺は笑顔のまま、説明した。


「俺のレベルが低いということで、レベルの底上げのためにヴァンパイアのいる廃城までほぼ俺が戦うようにしてくれましたし、戦い方も教えてもらったりしました。平原を抜けて行ったのですが平原でレベル20にして、森に入っても戦ってレベル26にまで上げてもらいました。それから廃城でグールと戦って29にまで上がったんです。それから皆さんが相討ちになってから遺体などを回収して町まで帰ってくる時も戦ったので町に着いたら31になっていたと思います。」

俺の説明に、ガンカーはまだ納得してないようだ。

むしろものすごい睨んできてる。


「単刀直入に言うが、お前がヴァンパイアロードを倒して31になったんじゃねえのか?・・・もしくは、"金の栄光"を全員殺したら31くらいになりそうだよな?」


この発言には思いもよらずちょっと驚いた。

でもこういう考えがすぐに思いつくほど、この世界の人間にとって人を殺すというのは思ったよりも身近なんだろうか?

「申し訳ありませんが、俺は何があっても人殺しはやらない主義でして、彼らを殺すことは何があってもありません。ヴァンパイアロードも俺は倒してません。"金の栄光"以上にレベル差があるのに俺1人で倒せる訳がありません。」

「・・・それは本当か?」

「本当です。」

人殺しはね。


「・・・俺は鑑定魔法持ちでな。ギルド職員から聞いたお前さんの説明はよく出来ていたが、俺には逆に出来すぎなように思えてな。今の説明もそうだ。普通、そんないちいち細かくレベル覚えてるか?・・・そんな感じでなんか引っかかったから呼んで鑑定しようとしたんだが・・・なぜ鑑定出来ない?隠蔽魔法か?だとしたらなにを隠してやがる?」


おそらくギルドマスターの長年の勘とかでなんとなく怪しんで呼んだようで、そこで鑑定魔法を使ってみたが、防がれて余計に怪しんだということか。

今回は隠蔽魔法が裏目に出たか。

ちょっとしくったか?

・・・いや、俺のチートの影響で異常なステータスになっているのを見られるのはどちらにしても怪しまれてたかもしれないな。


「隠蔽魔法とはなんですか?俺はごくごく普通のステータスですし、鑑定魔法を使われるようなことはしていません。」

俺はシラを切ることにした。

ずっとなにを言っても俺はニコニコ笑顔のままなのでガンカーはイライラしだした。


「あー、・・・ところで、"地龍の牙"を知ってるな?」

え?まだあいつらの話題を聞くことになるのか?

「はい。ギルド登録したら絡まれたんですが、その時は知らなかったのですが、翌日にギルドの受付の職員からパーティ名とどんな方たちか教えてもらいました。」

「そいつらが今行方不明なのも知ってるな?」

「はい。噂で聞きました。」

「・・・"地龍の牙"とお前の一悶着は職員から聞いてる。火はお前の仕業か置いとくとして、リーダーが火傷をおってお前がやったとお前を血眼になって探していた。そうしたら行方不明になった。・・・本当に、行方を知らないのか?」

「・・・申し訳ありませんが、ギルドで絡まれてから会ってません。あの火も僕の仕業じゃありません。いきなり火が出てビックリしてギルドから逃げてしまいましたが。」



「・・・ふうん。・・・彼らが行方不明になる直前、お前さんが町の外に行くのを彼らが尾行していたと町の門番の証言があるんだがな?その後、どことなく機嫌のいいお前さんだけが帰ってきたとも証言があってな?」


予想外の発言に、また驚いてしまい、今度は少し目を見開いてしまった。

まさか町の門番がいちいち覚えていたとはな・・・。

というか・・・なんで門番の証言をギルドマスターが知っているんだ?


「・・・そう、なんですか?俺はレベルアップのために魔物を倒しに町の外に行きましたが・・・。いい調子でレベルアップが出来て、機嫌がよくなったことはありましたから、その時のことでしょうかね?」

俺がとぼけてそう返事すると、ガンカーはますますイライラしだした。

「はっ、そう来たか。・・・チッ。色々と職員使って情報集めたんだがな。」

職員に聞き込みさせて門番に行き着いたということか。

聞き込みさせられる職員かわいそうだな。


「・・・俺の持ってる情報はギルドに話したので全てです。申し訳ありませんが夜になりそうなんでこれで失礼してよろしいですか?まだ宿をとってないのでこれから探さないといけないもので。」

「・・・ああ、付き合ってもらった礼に、宿屋を紹介しよう。俺の知り合いの宿屋だから、信頼できるぞ。」

ガンカーはそう言って、近くの引き出しから紙を1枚取ると、ペンでサラサラと紹介状を書いてくれた。

「ギルドのすぐ南の宿屋で"満月の(またた)き"亭という宿屋だ。この紹介状を店主に見せたら今日はタダで泊まれるようになってる。」

「ありがとうございます。」

俺はにこやかに紹介状を受けとると、ギルドを後にした。


わざわざ疑わしい人物にここまでしないよね?

宿屋でも監視するために知り合いの宿屋に行くように仕向けた・・・ってところかな。

ここは気付かないフリして行くのが得策だろう。



・・・いや、今日は宿屋に泊まって、明日町を出るか。


監視されるのはいい気分ではないし、ちょっとさすがにヤり過ぎた自覚もある。

これ以上は町で動きにくくなるだろう。

それだったらこの町を出て別の町へ行くのもいいかもしれない。



俺はギルドのすぐ南の宿屋"満月の瞬き"亭に向かい、受付にいた店主のおじさんに紹介状を渡してタダで泊めてもらうことにした。

因みに夕食・朝食込みだったので夕食を食べたが、"金鶏の夜明け"亭ほど美味しくはないハンバーグ定食が出た。

ベッドも少し固くて部屋全体が暗い感じで、やはり"金鶏の夜明け"亭はいい店だったのかと再認識することとなった。

部屋の中以外は監視の視線を感じて、なかなかの居心地の悪さだったがさっさと夕食を食べてさっさと部屋にこもったら問題なく朝を迎えられるしな。


部屋にこもると、俺はアイテムから地図と「神様監修:世界の歩き方」を出した。

「ここから1番近い町や村は・・・ここか。」

この町から西に行くと、この国の首都があるのがわかった。

「世界の歩き方」によるとここからその首都スクリュスクへは馬車で1週間はかかるそうだ。

1番近くても馬車で1週間か・・・。

だが、ここにいても監視されるし、監視されてまでもここの町にいたい訳ではないしな。

・・・よし!明日準備したらスクリュスクへ行くとしよう。

そう決めて俺は就寝となった。




朝食後のちょっとパサついたパンとスープを食べると宿屋を出た。



尾行されてる感じはしたので、ごくごく普通に町の露店で買い食いするフリして多めに買い込み、飲食店に寄って多めに買い込み、ぶらつく感じで道具屋に寄って調味料を買い込んだ。

肉屋・八百屋にも寄って買い込んでアイテムに入れた。

これからの旅に必要な食料確保だ。

途中で武器屋に寄って修理できていた武器を受け取った。


それからぶらぶら歩きながら町の西側近くにさりげなく来ると、素早く町の暗い路地へ入るとすかさず隠蔽魔法を使って俺の存在を消した。

監視していたギルド職員と思われる見たことのない男性は慌ててキョロキョロすると、暗い路地の奥へ走っていったと勘違いしたようで走っていった。


俺は路地から出ると町の西側へ堂々と通り抜け、そのまま西へと歩き出した。


当初は馬車で行くことを考えていたが、聞き込みで俺がスクリュスクに行ったことがすぐにバレるだろうと考えたからだ。

確かガンカーは通信魔法というのを持っていたから、もしそれで他の町のギルドに連絡されたら面倒だからだ。

それを考えたら馬車ではなく徒歩で向かおうという考えに至ったのだ。

馬車でさえ1週間かかることを考えると、回復の指輪をしているとしても少なくても1週間はかかるのではないかと思うが、これも監視を免れる手段だし運動のためだ・・・と自分に言い聞かせている。

あちらの世界で生活していたら1週間以上歩くなんて考えたこともなかったな。

案外、こちらの世界に来て考えも鍛えられているのだろうか?




とりあえず、もう少し歩いて町が見えなくなってから隠蔽魔法を解いて、新しくとったスキルの確認をしないとな。




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