表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/350

19、悪魔は疑われる

結局、帰路は1日半ですんだ。



というのも回復の指輪のおかげで疲労はほとんど感じなかったのでどんどん歩き続け、夜はテントごと隠蔽魔法で存在を消したので魔物に襲われることなく朝を迎えることができた。

ホント、隠蔽魔法は便利過ぎるな!


町に帰ってすぐに冒険者ギルドに向かって、"金の栄光"が全滅したこと、ヴァンパイアだけでなくヴァンパイアロードがいたことを伝えた。

俺が倒したとなると色々と面倒くさくなることが明らかだったので、ヴァンパイアロードは"金の栄光"が戦って相討ちしたことにした。

受付の男性ギルド職員はものすごく驚いていたが、すぐに俺の話を怪しんだ。

そりゃそうだ、いくらランクCのパーティといってもレベル差から考えて、ヴァンパイアロードを倒せるはずがないと思ったようだ。

だが"金の栄光"の遺体とヴァンパイアロードの討伐証明部位があると説明し、、俺がアイテム収縮魔法持ちだと言うと驚いて、慌てて遺体を出す場所を案内してくれた。


そこは遺体安置所のような所で、冒険者の遺体がギルドに来たら家族が引き取りに来るまでそこで安置しているそうだ。

そしてもし誰も来なかったらアンデッド・スケルトン防止のため火葬して無縁仏として教会に送られ共同墓地に入れられるそうだ。


俺が遺体を出すと職員はカードと遺体を確認して、氷魔法で遺体を氷づけにして安置所の奥の巨大な冷凍庫のような部屋に入れていた。

「あと、たくさんの人骨を見つけました。そのなかに冒険者カード持ってたのがいくつかあったので、カード持って帰ってきました。人骨は全部埋めました。」

俺はそう言って人骨と一緒にあった装備品の中にあった冒険者カード6枚を職員に渡した。

「ありがとうございます。・・・行方不明になっている冒険者のカードもありますね。最後が分かれば、家族や友人にお伝えできます。」

職員はそう頭を下げて言ってきた。


それとなく、そういった人骨の装備品のことを聞いてみたら、発見されたら発見者のものになるそうだ。

ということで、申し訳ないけど装備品は全部もらおう。


帰りの夜に暇だったのでレベルアップしたポイント振り分けとスキル獲得と、装備品の整理はしていた。



名前:ユウジン・アクライ(阿久来優人)

種族:人間(魔法使い)

年齢:24

レベル:31

HP:820→1020

MP:1090→1790

攻撃力:131→241

防御力:148→281

智力:298→400

速力:175→320

精神力:119→156

運:81→104


超適性:罠魔法

戦闘スキル:中級短剣術・(取得)双剣術

魔法スキル:中級罠魔法・(取得)上級鑑定魔法・アイテム収納魔法・中級火魔法・初級水魔法・中級土魔法・初級雷魔法・中級光魔法・隠蔽魔法・(取得)剣魔法・(取得)初級多重魔法


取得可能スキル:1


さすがレベル49を倒しただけあって、レベルは一気に11上がって能力も飛躍的に上がった。

今回取得したスキルについてはおいおい確認がてら説明するということで。

今は装備品の振り分けを優先したい。



鉄の剣や鋼鉄の斧など様々な武器があったが壊れていた奴は売ることにして、それ以外は持っとくことにして、壊れてないが刃がボロボロや欠けている物は武器屋で研いでもらうことにした。

剣が大きいのを含めて十数本、短剣も十数本、斧が3~4本、槍が4~5本、杖が長短含めて8~9本だ。

これは試したいことがあったから売らないのだ。


防具は武器以上に色々あったが、ブーツと脛あてが一体になっている鋼鉄のグリーブと鋼鉄のコテだけ自分用にもらって、ほとんどが壊れているかボロボロなので壊れてない防具も含めて防具屋に売ることにした。

盾はほとんど壊れていたので売ることにして、壊れていない物は武器同様に試したいことがあったので持っとくことにした。


服は全部切り裂かれているかボロボロか血がついているものばかりで一応服屋に持っていって売れるか聞いてみないと。

装飾品は高価な物はもしも金が無くなった時用に置いといて、それ以外はアクセサリー屋に売ることにした。

お金はそのままもらい、ポーションなどの薬は持っといて、本は明らかに役に立たなそうな本は売ることにして、その他の細々した道具は面倒なので道具屋に売ることにした。


因みにお金以外は念のため鑑定済みだ。

マジックアイテムもいくつかあった。


『力の大剣』

攻撃力と大剣術が強化される大剣。

黒の大振りの剣なんで、ブロックのお肉とかよく切れそうですね。


『水の帽子』

かぶると水魔法が強化される三角帽。

青い柄で男女兼用ですのでカップルやご夫婦で使えますね。


『不滅の外套』

返り血だろうが泥だろうがどんな汚れも叩くだけで汚れが落ち、古くなることもない外套。

薄ベージュ色なのでどんな服にも合わせられ、目立ちません。


『魔力のネックレス』

使用すると魔力が50%回復するネックレス。使用限度あり(残り2回)

紫の石を使ったシンプルなデザインなのでカジュアルな服なんかにも合いますね。


なんで説明にいちいち通販の文句が混じってるんだよ。

いやむしろアン○カが書いてるのか?

マジックアイテムは一応全部持っておくけどさ。



俺は冒険者ギルドで依頼達成となり、ランクFとなった。

ギルドによると、俺の受けた依頼はあくまでも「荷物持ち・荷物管理」だったので依頼者の生死は関係なく、それが達成されたかどうからしい。

そしてランクFは依頼を3つ達成した人はGからFに自動的になるそうだ。

ランクGは初心者として学んで、Fでやっと一人前ということらしい。


報酬をもらいギルドを後にした。

それから武器屋・防具屋などを次々回って装備品を売ったり武器は修理に出したりした。

服はボロボロや血がついているのがやっぱりよくなかったが、貧困層に継ぎはぎで作って売っているそうで激安だったが売れた。

結果、装備品を売った分と拾ったお金を合わせると、150万インになり俺の所持金は500万インになった。


色々店を回っていたら夕方になったので宿を決めようと"金鶏の夜明け亭"に行こうかなと町中を歩いていると、先程の男性ギルド職員が走ってきた。

「すいません、ユウジンさん。うちのギルドマスターがユウジンさんに会いたいそうで、ギルドに来てもらえませんか?」

ギルドマスターが?

思い当たる節はないが、行ってみるか。

「わかりました。」

ギルド職員と共にギルドに移動して、建物の奥の2階に案内された。


ギルド職員は2階の1番奥の部屋のドアをノックした。

「ギルドマスター、冒険者のユウジンさんをお連れしました。」

「おう、入れ。」

中から男の声がして、ギルド職員はドアを開けて俺に入るように促して来た。

俺は会釈すると「失礼します。」と言いながら部屋に入った。

ギルドマスターの部屋はそこまで広くなく、ところ狭しとなにかの書類のファイルの納められた棚が並び、部屋の中央に応接セットのテーブルとソファがあって部屋の奥にデスクと椅子があってそこにギルドマスターと思われる男がどかりと座っていた。

ギルド職員は俺が部屋に入った後、自分は入らずそのままドアを閉めた。


赤い髪をオールバックした渋い中年の男性で、体つきは厳つく歴戦の戦士という感じでズボンとシャツというラフな格好ながら、全く隙のない雰囲気だった。

「おう、来たか。」

男はこちらを見てニカッと笑ったが、すぐに「んん?」っと言って眉を潜めた。

「え?あの、なにか?」

「ああ・・・いや、なんでもねえよ。座ってくれ。」

男はまたニカッと笑うとソファに促したので、それに従いながらなにかを感じて男に鑑定魔法を使った。



名前:ガンカー・ヤード

種族:人間(戦士・ギルドマスター)

年齢:48

レベル:71

HP:2740

MP:120

攻撃力:531

防御力:442

智力:107

速力:206

精神力:210

運:121


適性:剣術

戦闘スキル:上級剣術・中級斧術・中級槍術・上級体術

魔法スキル:中級鑑定魔法・初級水魔法・通信魔法



ギルドマスターだけあって、レベル71とは思わず驚いた。

攻撃力531とはえげつないし、剣術に適正があるところからガンカーは「才能がある人間」なんだろうな。

そして見逃せないのは「中級鑑定魔法」を持っているところだ。


・・・ということは、さっきの表情を変えたのは俺に鑑定魔法を使ったが、見えなかったからだろう。

隠蔽魔法をいつもステータスにかけててよかった。



「すまねぇな、わざわざ来てもらって。」

「いえ、予定は特にありませんでしたので。お気遣いありがとうございます。」

俺はいつものニコニコ笑顔でそう答えた。


「まあ、さっそく本題で申し訳ないが、ちょっと聞きたいことがあってな。"金の栄光"とヴァンパイアロードが戦った時のことなんだが。」

「あ、はい。」

「・・・本当にあいつらで倒したのか?あいつらはレベル30代だったが、ヴァンパイアロードはヴァンパイアがレベル45以上になるとヴァンパイアロードになると言われているが、そんなレベル差で勝てるとは思えない。例え"金の栄光"4人全員で戦ったとしても、勝てる可能性は低いはずだ。」

「ですが、本当に戦ったんです。証拠として討伐証明部位と塵をお渡ししましたでしょう?」

俺はアルトクスとガルファーが戦っていた状況にウィズリーやリリナをそれっぽい感じに登場させて話した。

女ヴァンパイアが攻撃しなかったことにして、ロードの体力をじわじわ削っていって、隙ができたので心臓に杭を打ち込んで・・・といった感じだ。

その説明にガンカーは一応納得はした、という感じで「ふうん・・・そうか。」と言っていた。


「・・・ところでユウジン、お前"金の栄光"の依頼を受けたときはレベル18だったが、今日帰ってきて依頼の手続きしたらレベル31だったそうだな。」

ギルドでは手続きの度に名前と年齢とレベルが登録されるのをギルドマスターは見たようだ。

俺は聞いて顔はニコニコしたまま、内心でまずったかと舌打ちした。


「数日でレベルが13上がるなんて通常では考えられない。・・・強い敵をなんらかの方法で倒さない限りはな。」


ガンカーはそう言って疑惑の目を向けてきた。





6月21日、力の大剣の効力を変えました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ