01.ヒーローショー
新しい作品を書いてみました。熊さん達の活躍を楽しんで頂ければと思います。
この世界は作者が小説家になろうで投稿している『NICO & VAN』と同じ世界イザルトを舞台にしています。
もしかしたら、その内にニコちゃんやヴァンちゃんが姿を見せるかもしれません。
では、ショーをお楽しみください。始まり、始まり~。
「疾風の如く! クマホワイト!」
「燃える心! クマレッド!」
「変幻自在! クマブルー!」
「明るく照らす! クマイエロー!」
「鉄壁の防御! クマブラウン!」
『我ら、クマ戦隊、ゴッキュマン!』
真ん中のホワイトは片膝を付いて両腕を斜め上に。そこを頂点にして、上から見ると矢印の矢の形になるように綺麗に並ぶ。右はレッド、ブルーの順、左はイエローである僕、ブラウンの順である。両脇の二人は両腕を揃えて斜めに上げ、片足を一歩前に踏み出す。
ドーンという爆発音と吹き出る白い煙と共にビシッとポーズが決まると、子供たちが歓声を上げる。
「クマブラウン、カッコイイ!」
「クマレッド、こっちを見て~」
今度は次々に若い女性達が声を上げる。
「クマブルー、最高!」
「クマレッド、デートして~」
レッド、羨ましい奴め……。そろそろ僕も呼んで貰えるだろうか?
「イエローちゃーん、頑張れー」
「ホワイトちゃん、今日も可愛いねぇ」
おじいちゃんとおばあちゃんがニコニコと手を振ってくれる。嬉しいけれど、たまには若い人にも応援されたい……。
そこへワラワラとボス役と手下の敵役の人達が来る。急いで所定の配置に付かなければ。
「何人来ようと俺の敵ではないわ! 行け、ワルクマ!」
「キュー!」
「キューッ!」
熊と言っても人間の皆さんが、ものすっごく悪い顔をした黒熊の仮面を付け、体は黒一色の服を着ている。ちょっと不気味なので、毎回泣く子がチラホラ居る。
「わあぁぁぁん! 怖いよぉ~~~!」
あ~、今日も泣いちゃった……。子供好きな人達だから、後で凄く凹むんだよね。既に動きが鈍くなっているワルクマさん達。ダメージが自動で入りました……。
「――しっかりしろ! きびきび動け!」
マネージャーさんが目を吊り上げて、舞台袖から囁いている。これも毎度お馴染みの光景だ。
「キ⁉ キュー!」
「キュー⁉ キュー!」
途端に勢いよく動き始めたワルクマさん達を、練習通りにパンチやキックをしながらやっつけていく。ホワイトがワルクマさん達の間を素早く動き回り、風の魔法粉をばら撒く。
「暴れろ! 白き風!」
右足を前にダンッと出して両腕を前に伸ばし、手の平をワルクマさん達に向ける。足を踏み鳴らした衝撃で魔法が発動した。
服がバタバタとはためく位の風だが、前方に居た五人が吹き飛ばされたかのように演技する。
「ひるむな! 人数は俺達の方が多いぞ!」
ボスの発破に三人ほどのワルクマさんが飛び出す。
「ここは俺が! 我らを守れ、鉄壁!」
ステージに仕掛けておいた厚めの板をブラウンが作動させて飛び出させる。そこへ突っ込んで行き、ワルクマさんが「キュー⁉」と悲鳴を上げながら後ろに転がってみせる。
「お、おのれ! お前達、グズグズするな! 突っ込めーーーっ!」
そこへ僕が立ち塞がる。額に両手で三角を作り、そのまま手を前へ!
「悪しき者達を照らせ! 光明!」
裏方さん達が、ワルクマさん達の足元にセットしてある魔法具をビカーッと光らせる。ワルクマさん達は苦しんでみせながら、体に仕込んでおいた煙を発生させる魔法具を使う。
「キュッ、キュー! キ、キュー!」
「凄い! ママ、悪いのが煙を出して苦しんでいるよ。イエロー、カッコイイー!」
やった~! カッコイイを頂きました! 声援をくれた子に手を振っておく。
「わぁ~、手を振ってくれたよ。やった! ママも見てたでしょ!」
「ええ、良かったわね。もっと応援しましょうね」
「うんっ、クマ戦隊頑張れ!」
その子の声がきっかけとなり、次々に子供たちが声を上げ始める。
「行けー! クマホワイト!」
「悪者をやっつけろ!」
「クマブルー、決めろー!」
仲間達と頷き合う。最後の大技を放つ時が来た。
「よし、皆やるぞ!」
クマレッドの力強いが響くと、五人で一列に並び、腰に差していた魔法具の熊ステッキを取り出す。クリスタルガラスで出来た、羽根を背中に生やした熊の形のそれを、天に高々と掲げ魔力を込めて行く。すると、徐々に僕達の体の色に合わせたように、それぞれが色を変えていく。
現在立っているのはボス役の人と五人のワルクマさんだ。彼等は頭を振ったり腕を眼前に翳して、眩しくて動けないという演技をしつつ、僕達とタイミングを計り合う。
極限まで魔力を込めた所で視線を交わし小さく頷き合う。
「悪よ、滅びろ! クマ戦隊、ゴッキュマン奥義、裁きの手!」
ステッキを後ろに振りかぶり、右足を一歩前に出して力強く床を踏みしめて、ブンッとステッキを勢いよく振り降ろす。水平になる様に隣の子の動きも気にしながら合わせて止め、ワルクマさん達に光線を向ける。よし、五人の動きがバッチリ合ったぞ!
飛び出た光線は三十センチ位の太さで肉球の形をしている。苦しげな表情でステッキを両手で掴んでプルプルと揺らしながら、「ウッ……」とか「グッ」とか声を上げながら光線を伸ばしていく。実際は何の衝撃も苦しさも無いけど、僕達の辛そうな姿を見て、お客様達もグッと握り拳を作って真剣な顔で見てくれている。
ワルクマさん達には透明なワイヤーが結ばれており、到達した肉球に弾き飛ばされたように見せる為に、裏方さんやマネージャーさんが協力して引っ張る。全員の息が合わないと見せ場が台無しになるので、日々の練習が非常に大事になってくる場面だ。
「――いくぞ、せーのっ!」
マネージャーさんの小さな掛け声に合わせて、ワルクマさん達が次々に宙を舞う。
「キュー!」
「キュ、キュー!」
「ワルクマを全て倒したか。よかろう、俺が相手をしてやる!」
最後に残ったボス役の人も黒熊のステッキを取り出して魔力を込め始める。僕達もその間に五人でステッキの先を合わせて、五本の光が一本になるように位置を合わせる。ん? もうちょい右かな。うん、よし。きちんと五色が重なると真っ白で眩しい光になるので分かり易い。
「今こそ五人の力を合わせる時だ! クマ戦隊、ゴッキュマン最終奥義、正義の光!」
レッドが台詞を言っている間に、客席の側に居るスタッフさんが、『一緒に、「いけー!」と叫んで下さい』と書かれたボードを出して、お客様に「三、二、一!」と指で合図する。よし、今だ!
「いけーーーっ!」
会場が一体となって叫び、伸ばした光線とボスが放った黒い光線が重なり合う。ボス役の人が「うぐおぉーーーっ!」と叫びながら光線を縮めるので、僕達も「うぉーっ!」と叫びながら光線を更に伸ばす。お次は反対に僕達が縮めてというのを三回繰り返す。
「ゴッキュマン、負けるな!」
「熊さん、頑張れっ」
「悪者に負けるなー!」
僕達の不利な状況に次々と声が上がる。
「皆、最後の力を振り絞れ! 俺達なら出来る筈だ!」
レッドが台詞を言うと、そこでもう一度「いけーっ!」と声を合わせましょうとスタッフさんが合図する。せーのっ!
「いけーーーっ!」
会場の皆の声は先程よりも大きい。今度は大人の人達までもが大きな声で言ってくれたようだ。嬉しさに顔が緩みそうになるのを堪えて、僕達は一気に光線を伸ばしていく。
「ふぐぐっ、ま、負けるだと? そんな馬鹿な⁉ うぉーーーっ⁉」
爆発音と白い煙を噴き出させながら、ワイヤーをグンッと引っ張ってボス役の人を舞台袖まで勢いよく引き込み、マネージャーさんがキヤッチする。今が一番裏方の人は忙しい時間かもしれない。
お客様達が煙で見えずに、「レッドー!」とか「ゴッキュマン!」と心配して声を掛けてくれている間に、倒れていた人達が舞台袖に走り込み、ボス役の人はボロボロの衣装を着て位置につく。
煙が消えるとボス役の人が荒い息を吐きながら、ガックリと膝を付いてみせる。
「お、おのれ、ゴッキュマン……。ここは一旦ひいてやろう。次こそは必ず、お前達の息の根を止めてやる。待っていろ! ふはははっ!」
「ま、待てーーー!」
五人で走り出したのを見て、ボス役の人が黒いマントをバサッと広げて体を包み込む。それと同時に裏方さんが黒い煙を噴き出させる事で姿を隠し、舞台袖に消える。舞台中央まで走った所で煙を薄れさせる為に、ホワイトが煙を吸い込む装置のボタンを踏む。
「――くそっ、逃げられたか!」
レッドがドンと床を踏み鳴らし悔し気に顔を歪める。
「いいさ。イザルトを征服しようとしている奴は、近い内にまた現れる。その時こそ必ず倒す!」
ブルーが格好良く言い放つと、あちこちで黄色い声が上がる。あー、僕にもこういう恰好良い台詞をくれないかなぁ。
皆で扇状に並んでお互いの手を重ねていく。レッドが大きい声を出す為にスーッと息を深く吸った所で、またしても客席に『「おーっ!」と言ってね』とボードを見せるスタッフさん。さぁ、皆いきますよ~。声を合わせてね!
「我ら『クマ戦隊、ゴッキュマン』は必ず悪を討つ! この地を平和で満たせ!」
「おーっ!」
見事に揃った声に小躍りしたくなる中、手を下に押し合ってパッと離し、横一列に並び直して手を繋ぎ合う。
達成感と共に、盛り上がっている客席を暫く眺める。今日は物凄くお客様達と一体感があったなぁ。楽し気に隣の人と笑い合ったり、大人の人は「おーっ!」と叫んだ事で少し恥ずかしそうにしている人も居る。小さな男の子達は、近くの子と僕達を真似て手を重ねたりしている。
全員でその光景を目に焼き付けて、最後の挨拶だ。
「これでショーは終了となります。皆様、今日はお越し頂きましてありがとうございました」
「皆様の声援が力となり、悪に勝つことが出来ました。ありがとうございます」
僕とホワイトの挨拶におじいちゃん達が「いいぞ~」と声を掛けてくれる。皆で深々と下げていた頭を上げて声援に答える。
「ふふふ、嬉しいです。ありがとうございます」
手を振ると、顔をしわくちゃにして笑ってくれる。ああ、何て幸せなんだろう……。
「この後は俺達と共に撮影や握手が出来ますので、希望されるお客様は順番に舞台へお越し下さい。それと、そちらでグッズを販売していますので、よろしかったら覗いていって下さい」
レッドがそう言うと、我先にと舞台の階段に殺到する人達。ああっ、阻止しようとしたスタッフさんが潰されちゃう!
「皆様、落ち着いて下さい! 望まれる方がいる限り我々はここに居ます。ゆっくりとお越し下さい」
ブルーが声を掛けると、押し寄せようとしていた人たちが、ゆっくりと動き始める。はぁ、良かった。
スタッフさんが列を整理している間に、ボス役の人とワルクマさんが一人だけ舞台に戻って来る。前から不思議に思っていたけど、悪役と撮影や握手をしたがる人が多いんだよね。「倒せー!」って叫んでいたのは何だったのだろう? しかも、倒された悪役が復活しているのに疑問が浮かばないのだろうか?
「む~ん……」
「どうしたんだ?」
無口なブラウンが悩んでいる僕に気付いて声を掛けてくれる。
「あのね、ショーが終わった後のお客様って、悪役をどう思っているのかなと思って」
「そう言われれば、おかしな話だな。だが、ショーのお約束という感じなのではないか?」
「お約束かぁ……」
今もレッドがボス役の人と握手している映像を撮りたいという人が居る。悪役と仲良しでいいのか……。
「ショーが終わったら悪と正義は和解するって思っているのかも」
ホワイトが会話に入って来た。
「そういうものなの? 不思議だなぁ……」
「こら、舞台上でそういう会話をするんじゃない。お客様が喜んでくれればそれでいいんだ。ほら、お前達の所にもそろそろお客様が来るから、しっかりやるんだぞ」
マネージャーさんにコソッと怒られてしまった。近付いて来る気配が無かったけど、いつから聞いていたんだろう? 恐ろしいお方だ。ラスボスはマネージャーさんに違いない。
「――イエローちゃん、ホワイトちゃん、今日も来ちゃったよ」
「ふふふ。おじいちゃん、明日も来て下さったら皆勤賞ですよ。僕達のサインで良かったら差し上げますね」
「本当かい? そりゃあ嬉しいね。じゃあ、明日も張り切って応援させて貰うよ」
「おじいちゃんが応援してくれたら百人力ですよ。ねっ、ホワイト」
「うん。今日もお友達と来たんですか?」
「それがねぇ、急な用事が入って来られなくなっちゃってね~。物凄く残念そうにしていたよ」
「そうだったんですか。そんなに楽しみにして下さっていたなんて、とても嬉しいです。あっ、そうだ! おじいちゃん、お耳を貸して下さい」
不思議そうにしながらも、しゃがんでくれたので小さな声で伝える。いつもお客様には公平に接しなさいと言われているけど、これぐらいは許されるよね?
「お友達の方の分もサインを用意しておきますね。来て下さるのを楽しみにしていますって、お伝え頂けますか?」
「ほっほっほ、勿論じゃとも。きっと、喜び過ぎて眠れなくなるに違いない」
立ち上がったおじいちゃんが愉快そうに笑っているので、僕も少しおどけて返す。
「え、それは困っちゃいます。お友達の方の元気な応援がないと僕達負けちゃいますから、しっかり睡眠を取って下さらないと」
ホワイトも僕の言葉に合わせてウンウンと頷いてくれる。
「ほっほっほ、それは大変だ。しっかり伝言しておくよ。それじゃあ、また明日ね」
「はい。お気を付けてお帰り下さい」
その後もお客様と楽しく会話をしたり握手したりと忙しい。でも、忙しいのは僕達だけじゃない。グッズ売り場では、僕達と同族の可愛らしい女の子、ピンクちゃんが頑張っている。そして、舞台上に居ない人は片付けと明日の準備を裏で進めている。
今日、最後の握手をする人は、なんと差し入れをくれた。
「俺はアイスキャンディーを売る『マルカ』って名前の店をやっていてさ。良かったら、これ食べてよ」
「わぁ、ありがとうございます。とっても嬉しいです!」
袋の中を覗くと、果物を丸ごと閉じ込めたアイスキャンディーがいっぱい入っていた。うわー、どれも美味しそう!
「そんなに喜んで貰えて良かったよ。今日はさ、店が定休日だったから気になっていた君達のショーを見に来たんだよ」
「そうだったんですか、ありがとうございます。お店は近くなんですか?」
「うん、そんなに離れていないよ。鞄とか靴を扱う店が沢山ある『革ずくめ』って呼ばれている通りを知ってる? その通りの中ほどぐらいにあるからさ。それ、気に入ったら買いに来てよ」
その通りなら知っている。鞄が壊れちゃったので、つい最近、修理して貰いに行ったばかりだ。
「はい、伺わせて頂きます。ショーはいかがでしたか?」
「面白かったよ。君のさ、『光明』っていう技が気に入ったんだ。後、ワルクマ。そっちで握手して貰っちゃったよ」
「わぁ、嬉しいです! 僕はご高齢の方が応援して下さる事が多いんです。お兄さんのように若い方は珍しいんですよ」
「そうなんだ。君はこの中じゃ、おっとりして見えるから話し掛けやすいんじゃない? それに優しい雰囲気が出ているしね」
思わず照れてしまう。そうかぁ、僕はそんな風に見えるんだ……。
「ははは、照れるな、照れるな。店に来てくれるのを楽しみにしているよ。またね」
「ありがとうございました」
深々と頭を下げて見送って顔を上げると、皆がワラワラと寄って来る。
「何を貰ったんです?」
「マネージャーさん、アイスキャンディーですよ」
「では、溶けてしまう前に食べてしまいましょうか。皆さーん、差し入れを頂いたので休憩しましょう」
歓声を上げて寄って来ると、迷いながら嬉しそうに選んでいる。どれも美味しそうだから中々選べない人が続出だ。
「溶けてしまうから早く選びなさい」
「えー、マネージャー、こんなに種類があるんですよ~」
「……分かりました。イエロー、適当に渡しなさい」
「えっ⁉ あー……了解です」
目が怖いので逆らわない方が良い。まだ明日の準備とか残っていますもんね。その後は、「すみませんね~、マネージャー命令で」と言いつつ配り歩く。決して僕の所為ではないと強調しておかねば。食べ物の恨みは怖いからね! 最後に渡すのはピンクちゃんだ。
「ピンクちゃん、どうぞ」
「ありがとう、イエローちゃん。あら、美味しそう! オレンジの輪切りが丸ごと凍っているわ」
「僕のはイチゴですよ」
「あら、それも美味しそうね!」
「ですよね~。他の人達も凄く喜んで食べていましたよ。お店の場所を聞いたので、今度は好きなのを選んで買いましょう」
二人で仲良く齧っていると、レッドが棒を銜えてやって来る。
「もう食べたの? これ、結構硬いよ?」
「ん? そうか? 美味かったからガツガツ食べちまった」
「ふふっ。イエローちゃんがお店の場所を知っているのですって。今度、買いに行きましょう」
それを聞いた一座の皆が走り寄って来る。
「これ、まじで美味かった! 俺、今度はブドウが食べたい」
「俺はミルク」
「私はイチゴを希望します。私が取り敢えず立て替えますから、後で皆からお金を徴収しなさい」
マネージャーさんまでリクエストして来たよ。これは凄い人気だ。
「イエローちゃん一人だと大変でしょう? 私も行くわ」
「ピンクちゃん、助かります。皆さん、リクエストを教えて下さい」
ピンクちゃんと一緒に手分けして聞いて行く。後は……レッドで最後だな。
「俺は二本、いや三本欲しい」
「え、溶けちゃうしお腹壊すよ」
「ん? 大丈夫だって。ブルーが居るじゃん」
「レッド、勝手に私の魔力を当てにしないで下さい」
「ケチな事を言うなよ。ピンクちゃん、俺はオレンジとミルクと……もう一本は適当に美味そうなの買ってきてくんない?」
「あら、三本も? ふふふ、レッドちゃんは食いしん坊ね」
僕だと断られると思ったのか、ピンクちゃんに言っている。まぁ、いいか。自己責任だよね。
「さぁ、皆さん、後片付けと明日の準備をしますよ。夕飯の時間が近いので急いで下さい」
パンパンと手を叩いてマネージャーさんが急かす。おっと、僕も夕飯の当番だから急がなくっちゃ。
イエローは若者の応援に飢えているようです。お年寄りのアイドル、いいじゃない! イエローちゃん(笑)。
ボス役はそこそこ美形な方(人間)です。熊の着ぐるみにしようかとも思ったんですが、動きが激しいわ暑いわで可哀想なので、止めておきました。夏場に炎天下でショーとか倒れますね。
一番の美形さんはマネージャーさんです。みんな、怖いので逆らいませんよ~。
次話は、失せ物探しです。
お読み頂きありがとうございました。