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第6話 この話は読まなくてもいいよ!次話をお楽しみに!!

この話は読み飛ばしてもOKだよ


 お城の中を散歩中。

 家に帰っても、家族の食卓のようなものはないけれど、それでも夜遊びするわけにはいかない。だから、夜からログインするギルドのほとんどのメンバーとは入れ違いになりそうだった。

 コテツに言って、今日はこれで帰ってもいいのだけど、ただあと一人だけログイン中のメンバーと挨拶してないんだ。

 どうしようかなと思っていたら、あ、見つかりました。新キャラ。

 それがもう心臓が止まるくらい可愛らしかった。

 サラサラのブロンドヘアーと澄んだ青い目、透き通るような白い肌。

 陳腐な言い回しだけど、本当にお人形さんのような少女がいた。

 それが青く透き通った翼でパタパタと直立姿勢で飛んでいる。


「お嬢さん。こんにちは」


 私のほうから声をかけたのは今日初めてかもしれない。

 少女は、私に気づくと静かな笑みで答えてくれた。

 クリクリの大きな目で私を見つめてくる。


「はじめまして。マスター。

私の名前はリップル・ファティマ・マリアージュ。傷ついたみんなを癒すビショップだよ。そして、その正体は聖天使魔法少女だったりするんだ。みんなには内緒だよ。あとね、またの名を四季を統べる聖女、笑顔ファクトリー・リップル、歩く癒しのファウンテンとも呼ばれているの。ちょっぴり恥ずかしがり屋で初めて出会った人には冷たい態度を取っちゃうこともあるけど、本当は世界中のみんなと友達になりたいんだ。自分に自信がないのが玉に瑕。だけどさ、ここ一番大切な時は勇気を振り絞って身を挺してでも仲間を守る。だから、みんなも信頼してくれているよ。ドジなところもあるけど、ただそこにいるだけでみんなを笑顔にしちゃう天性のアイドルだっていう人もいるよ。ちょっと言いすぎだよぉ。まだまだ成長途上の14歳。魔法に関しては天才的な才能を持っていながら、まだそのすべてを使いこなせていなかったり。運動は得意じゃないかな。でも、偶然知り合った剣聖様からその才能を見出されて、修行をしてもらったから剣の腕前は超一流。本が大好きでよく図書館にこもりがちだけど、炊事、洗濯、料理もこなす女の子らしいところもあるんだ。どんな動物とでも一瞬でお友達になれるのも才能かな。大好物はアップルパイ。将来は世界一のケーキ職人になりたいと思ってるのよ。パパはレオ王国の貴族。香辛料貿易で巨万の富を築き上げたの。仕事には厳しいけど、部下から慕われる人格者で、多くの慈善事業も手掛けている。ママは舞台女優出身。パパと出会うまでは世界中で講演していたんだけど、結婚してからは家事に専念しています。最近は立派に成長した私を見て安心したのか、昔からの夢だった貧しい人たちのための病院建設に取り掛かろうとしているみたい。私はママを応援してるよ。二人の愛情を受けてすくすく成長した私だけど、物心をついたばかりの7歳の時、大事件に巻き込まれたんだ。当時世間を騒がしていた大悪党カイゼルが私をさらってしまった。カイゼルは最初身代金目的で私をさらったのだけど、その才能を見出すとサーカスに出演させたり、泥棒の技術を教え込んで手下として育てようとしたわ。とてもつらい日々だったけど私は負けなかった。やがて、カイゼルが国から追われる原因を知ることになると、彼にも同情した。やがて二人の心の交流が深まって彼が改心しそうになったそのとき、黒幕である組織に二人は引き裂かれてしまったの。逃げる私を救ってくれたのが妖精の女王フェアリークイーン様よ。傷ついた私はしばらく妖精界で過ごすことになった。ちょっとした事件なんかも解決して、その功績を認められた私はフェアリークイーンから魔法少女の力をいただいたのよ。そうして親元に戻った時、すでに2年のときが過ぎていたわ。しばらくは正体を隠して、困った人たちを救ってきたけど、やがてそれも限界が来たの。10歳の誕生日、私は両親に正体を明かしたの。そうしたらパパとママも私に話さないといけない秘密があるって。実はね、私はパパとママの本当の子供ではなかったの。私には隠されたもう一つの名前があった。それはリップル・トゥエル・ウル・サーペンタリウス。私はね、滅びた古代王国サーペンタリウス王国の王族の末裔だったの。サーペンタリウス王国の末裔はジャングルの奥地に集落を作り、そこでひっそりと暮らしていた。でも、ある日悪い魔導士が古代の魔法技術を復活させようと集落を支配したわ。私の本当の両親は私を逃がしてパパとママに託した。はじめて聞いたときはショックだった。パパとママは言ったわ。本当の両親を探しなさい。そして、二人はいつまでもリップルのパパとママだよって。私は決意した。そうして冒険者となったのよ。数々の苦難を乗り越え、ついに私は故郷にたどり着いたんだけどお父さんはすでに亡くなっていたわ。私は仲間たちと悪い魔導士を倒して仇を討った。でも、敵討ちなんて虚しいだけだったわ。双子の妹ミップルと再会した私は、しばし穏やかな日々を取り戻したかに見えた。でも、私の呪われた血の物語はそこで終わらなかった。魔導士によって荒らされた遺跡では力が暴走し、魔精霊が今にも復活しそうな状態に陥っていた。これを止められるのは行方不明の私の母だけ。世界中どこを探しても見つからなかった私の母。母を知る人物から意外な真実を聞くことになったのよ。私の母親は神に仕えるゴールデンドラゴンの血を引くハーフドラゴンだったの。手がかりを元に調べると母は古龍たちの隔離次元にいた。人間たちの争いに巻き込まれることを嫌った龍は小さな次元界を作りそこに移り住んでいたわけ。故郷を追われた母を見つけた一族が母を人間界から連れ出すことを決めたんだって。私たちと頑固な古龍たちとの話し合いは決裂したわ。だから、私は無理やりに母親を連れだしたってわけ。ちょっとやりすぎちゃったけどね。魔精霊を封印し、親子三人平和な日々に戻れるかなと思った矢先、母は私をかばって死んでしまった。あの魔導士を背後から操っていた3体のデーモンロードが私を殺しに来たの。世界樹の頂上まで登り過酷な修行を終えた私は再び奴らと対峙した。熾烈な戦いの末、私と奴らは相打ちになった。私は死んだの。死んでしまったの。だけど私の純粋な魂は結晶化した。そして奇跡が起こった。私は聖なる天使としてこの世界に帰還したの。ランちゃんに出会ったのはその頃かな。ランちゃんの相棒として数々の冒険をこなしてきた。ギルドでは、創設メンバーの一人として頼りにされているわ。ところで、実は私には誰にも言えない大きな秘密があるの。私の本当の名前。それはアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。私は地球と呼ばれる星でロシア皇帝の娘として生まれたわ誰よりも平和を愛していた私だけど、激動の時代が私を襲った。革命が起こって政府によって私は銃殺されたの。その瞬間、女神が現れて私をこの世界に転生させたのよ。でも、こんな非常識なことを言っても誰も信じてはくれないよね。あ、あと前世は優しいイルカだよ。簡単に自己紹介してみたけど、うーん、何か聞きたいことある?」


私はすべてのツッコミを飲み込んだ。


「お、おう」


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