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鋼鉄少女王 タイタンメイデン  作者: 鳳たかし
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鋼鉄少女王 タイタンメイデン 第二話 パラダイム・シフト その2

乙女(タケシ)は上気した顔で急ぎ身だしなみを整え、その場の空気を誤魔化すように早口で言った。


「あの、その、なんだ、す、鈴鹿、おはよう!う、うるさかったかな?それとも、な、何か用だった?」


「あ~、うん、おはよう。え~っと、用事っちゃ用事なんだけど」


何故か今度はキョーコがモジモジと途切れ途切れに答える。


「え~っと、あ、あのさ、昨日のことなんだけど……お礼さ、言っておきたくて……その、あ、ありがとね」


「昨日?」


「ホントはさ、昨日のうちに言っておきたかったんだけど、アンタ爆睡してたし、起すのもなんだし」


キョーコは、おずおずと乙女(タケシ)を見ると続ける。


「アンタとガミオンのおかげで、お父さん無事だったから……ホントにありがと……」


「いやぁ、ボクはただ一緒にいただけだし、お礼ならガミオンに言ってあげて?」


「昨日ガミオンにもそう言われた」


「へ?」


「私よりタケシにお礼を言って欲しいって。タケシがいなかったら私は勝てなかったろうって」


「そ、そうかな?少しは役に立てたって事なのかな?」


申し訳なさそうに言う乙女(タケシ)の前に進み出るキョーコ。


「もう!謙遜しないで胸を張れって!」


「は、はい!」


キョーコの押しに姿勢を正す乙女(タケシ)に対し、キョーコは微笑みながら背筋を伸ばして言う。


「じゃあ、あらためて……」


なんだか嬉しそうなキョーコの表情を見た乙女(タケシ)は昔を思い出し、率直にカワイイな、と思った。


「タケシ、ガミオン、二人共ありがとう!と、いう訳で、今日は私にお礼をさせて?」


軽く両手を叩き鳴らしたキョーコがニッコリと笑う。


「フフ、ショップ巡りして『乙女ちゃん』の服とか、選ぼうぜぃ!」


無邪気に提案するキョーコ。

少し前かがみになり、胸元で指を合わせながらウインクをする姿がとても可愛らしい。

だが、乙女(タケシ)は申し訳なさそうに答える。


「ごめん、今日は別の場所の調査に行かないといけないんだ」


「え、あ、あ、そ、そうなんだ。アハ、それじゃあ仕方ないよね、またの機会に……」


乙女(タケシ)のつれない答えにキョーコが戸惑い、アタフタと取り繕う様を見たガミオンが

乙女(タケシ)の脳裏に語りかける。


『タケシ、君はキョーコの申し出を受けてやってくれないか。

 私はその間にひとりで調査に行ってこようと思う』


「でも……」


『心配いらない、今の私には、タケシ、君からもらった力がある。 安心してキョーコとのデートを楽しんできてくれ』


「すすす、鈴鹿とデートってそんなんじゃ……」


思わず声を上げる乙女(タケシ)にキョーコがピクリと反応する。


「デート?!」


驚いたキョーコは顔を赤らめ、何か言おうとするが


「まあ、いいか」


と呟きこらえた。

乙女(タケシ)は改めてキョーコに言う。


「えっと、それじゃあ、今日は一緒に出かけますか」


「いいの?」


「うん!改めて鈴鹿の好意に甘える事にするよ」


「よーし!うんと可愛い服プレゼントするからね!早速、出かける準備してくる!」


キョーコは階段へと軽やかに歩いていくが、ふと足を止め振り返って言った。


「あと、キョーコでいいから!昔みたいにさ!」


そして満面の笑顔を浮かべると、楽しそうに階段を駆け下りていくのだった。






 ほぼ同じ頃、東京では日本政府の臨時対策会議が開かれていた。

まさに異例中の異例とも言える対応の速さであったが

人知を超えた存在が国土を荒らした事件は、危機管理意識の低すぎる日本政府でさえ動かす驚異だったのだろう。

国会の承認を得ずに自衛隊の防衛出動を許可した首相の判断を批判する 声も上がっていたが、

自体の深刻さに比べたら、それもごく少数のノイズでしかない。

喚くしか脳のない無能な政治家には退室を願い、有能な政治家や有識者のみでの会議は粛々とおこなわれていく。

数々のデータや証言、目撃情報から、

怪物体は日本を中心に世界に降り注いだ宇宙からの落下物より出現したことがほぼ特定され、

自衛隊が巨人0-1(レイ-ワン)と仮称する巨人少女は

自衛官の証言から政府内では『メガミオン』と呼称されることとなった。

その結果、政府はこの事態に対し、特殊部隊の設立を決定した。

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