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鋼鉄少女王 タイタンメイデン  作者: 鳳たかし
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鋼鉄少女王タイタンメイデン 第七話 設立!科学装備保安警備隊 その4

「んじゃとりあえずメンバー紹介しときますか」


ミノリは奥に腰掛ける女性を指し示す。


「まず彼女、狩野カナル。空自でパイロットやってたんだけど

 問題行動で処分食らってたとこ私が拾って科装隊に来てもらったの」


「問題行動?」


「自己判断で01にミサイルぶち込んだっていえばわかる?」


「あー!」


「まあ、私とはそれ以前からの知り合いでいわゆる腐れ縁ってヤツ」


「照れんなよ。腐れ縁ってより大親友ってやつだろ」


ミノリはドヤ顔で注釈を入れるカナルを無視して話を続ける


「んで、彼は新田君。朝日台中学で巨人の脚に斧を叩きこんだ猛者」


「おお!やりますねぇ」


「よろしくお願いいたします。」


「硬い硬い、もっと気楽にいこうや!よろしくな!新田ちゃん」


「は、はぁ」


続いて新田たちをこの部屋に案内したメイドを指し示すミノリ。


「そして彼女、箕輪エイコ」


「え!メイドさんも?!」


「そう。勿論店長のセバスチャンもね。諜報活動と広報の担当。強者よ」


「お見知りおきを、ご主人様」


エイコはいたずらっぽく笑い深くお辞儀した。


「そしてここにはいない古田君と木梨君と宇佐君を加えて科装隊の特務班となります」


ミノリはその場でゆっくり回転しながらメンバーの顔を確認し、

ピタリと止まり指を掲げ得意げな態度で言った。


「さてさてそれでは早速だけど、今日みんなに最初に此処に集まってもらったのは言っておきたいことがあるからよ」


新田は改めて起立し姿勢を正す。


「まず肝に銘じておいてほしい重要なことが一つ、うちは軍隊じゃないから。そこんとこよろしく。

 我々の主な任務は各機関と協力した怪物体関連の警戒、住民の避難誘導および救助活動が主となります。

 端的に言えば救助隊の親玉ってとこかなぁ」


「自分は、武器の使用、つまり巨人や怪物体の撃退の為に召集されたのではないのですか?」


「いえ、戦う事は考えていません。なぜなら人類の持つ技術では怪物体を倒すのは不可能だと思われるからです」


ミノリは流し目で新田を見た後、砕けた態度でくぎを刺す。


「新田ちゃ~ん、怪物体、すなわち怪獣機をまともに相手にするなんて考えないこと。死ぬわよ、普通に。

 実際ミサイルでも傷ひとつ付けられなかったのは見たでしょう?

 だからって、まさか核を使う訳にもいかないし」


ミノリは、これまでの冗談めかした口調とは裏腹の、冷徹なまでの現実を突きつけた。


「一応、極秘で開発された機動兵器や武装はあるけど、それはあくまで救助や消火活動のための装備という扱いになります。

 勿論、建前ですので緊急時のそれらの使用は各自の判断でお願いします。

 積極的に攻撃はしないけど、自衛はしますよってこと」


こともなげに言ったミノリはずれた眼鏡をかけなおす。


「正直無理やりな言い訳だとは思うけど、文句つけてくる奴いるから一応、救助活動用って言っとけって感じ?」


確かにあの無能な政治家を前にしたら無理やりにでもそう言いくるめるしかないか、と新田は思った。

その表情を呼んだのかミノリが話を切り替える。


「とまあ、これも実は表向きの任務」


キョトンとする新田を見てミノリが慌てて訂正する。


「あ、いやそれらもちゃんとやるわよ、普通に。でもね……」


ミノリはニヤリと不敵な笑顔を浮かべて言った。


「我々の真の任務はメガミオンと呼称する巨人01との接触!そののち可能であれば彼女の持つ情報を引き出し、なおかつ友好関係を構築すること!」


「接触!?」


驚く新田を気にせず続けるミノリ。


「カナル」


「あいよ」


名を呼ばれた長髪の女性は懐から大きめの茶封筒を取り出すとテーブルの上に置く。

ミノリはそれを手に取り中から数枚の写真を取り出した。


「これを見てくれる?」


写真をテーブルに並べながら新田に質問するミノリ。


「これは、朝日台中学校に隕石が落ちた直後にとられたものなんだけど。どう?この少女、新田ちゃんが見たくノ一バンに似てたりしない?」


ミノリが差し出した写真には崩れた校舎の端に立つ全裸の少女が映っている。


「いや、仮面を被っていたので判断しかねます。ですが体形はこんな感じでした」


「では、この声は?」


ミノリは手にしたレコーダーのスイッチを押す。

どことなくぎこちなさを感じる少女の合成音声が流れると新田はピクリと反応した。


「あ!これは自分が接触した少女の声とよく似ています!」


「じつはこれパンティー仮面と接触した木梨君に協力してもらってその『声』を再現してもらったものなんだけど、やっぱりそうか」


「パンティー仮面?!」


ミノリが口にした理解不能のワードに驚く新田。

対してカナルはミノリが発した奇妙なワードを気にもかけず口をはさむ。


「ってもちょっと会話しただけでは正確性にかけるんじゃないのか?」


「新田ちゃん、声オタだから耳は信用出来ると思うよ」


「ちょ、なんでそんなことまでしってるんですか?!」


「声オタ?」


キョトンとするカナルにメイドのエイコが解説する。


「アニメとかの声優さんに詳しい人たちの事ですよ」


「ほーん」


そのやり取りに新田は何か言おうとしたが、続くミノリの発言に遮られる。


「怪物体騒動時に現れたパンティー仮面、新田ちゃんが見たくノ一バン、そして隕石落下直後に現れた全裸の少女……これらはたぶん同一人物」


「して、その根拠は?」


カナルの問いかけを見越していたかのようにミノリが説明を始める。


「まず、いずれも驚異的身体能力を持った少女である点は当然として、共通するのはどれも奇妙な格好で現れている。全裸も含めてね。

 行動パターンや発想が一致していると思わない?これはあえてそうすることにより、

 目撃者を混乱させるようにしているのかもしれない」


新田はミノリが嬉しそうにしゃべるその姿に、かすかに狂気じみた『何か』を感じ取ったが、

それは只の危惧か、それとも何かの予感めいたものっだったのか。


「そしてもう一つ。この少女はいずれも巨人01メガミオンが出現時に目撃されているという事。

 さらに決定的なのは、きなっしーが聞いた少女の発言『メガミオン』。

 以上の事から、私はこの少女はメガミオンと何らかの関係があると確信してるわ」


「きなっしー」


エイコの呟きも無視し、ミノリは何が楽しいのか、ますますもって上機嫌になっていく。


「つまり、この少女と接触できれば、イコールしてメガミオンとのコンタクトも可能なはず!」


ミノリの発言に驚いた新田はとっさにカナルの方に振り向くが、カナルは新田とは対照的に、

発言には興味なさげな様子で手にしたコーヒーの香りを楽しんでいた。


「要するに我々の当面の目的はこの少女を見つけるってことなんですか?」


「そういうこと」


新田の質問に対し、自分の考えに自信を持つミノリがダメ押しのようにテーブルを軽く叩いた。


「結論を出すには早急すぎると私は思うけどな」


カナルが言うが、ミノリは無視し改めて少女の写真を周囲にかざした。


「じゃあみんなこの顔は記憶したわね」


ミノリはそういった後、少女の写真をエイコに手渡す。

受け取ったエイコはライターを取り出し、その写真に火をつけてガラスの灰皿の上に置いた。

燃える写真をボールペンでつつくミノリの眼鏡に炎の明かりが反射する。


「いい? 私たちの武器は『理解』と『対話』、そして『機転』よ。

自ら判断し行動に移せる『機転』これからの世界に必要なのはそういった人材。

そしてそれがあなた達をメンバーに選んだ最大の理由。

怪物体(怪獣機)を倒すのは私たちの仕事じゃない。

それは……多分あの子、メガミオンだけが可能な事。私たちの役割は、彼女と接触し、彼女が何者なのかを誰よりも先に突き止めること」


「そして……彼女と友好的関係を築く!」


ミノリはテーブルに手をつき、満面の笑顔で身を乗り出した。


「政府や軍が『未知の脅威』として彼女を排除しようとする前に、私たちは彼女を『隣人』に変える。それが、世界を救う唯一の道だと私は信じているわ」


一瞬の沈黙の後、カナルがふっと笑い、新田は圧倒されたように唾を飲み込んだ。


「……というわけで。新田ちゃん、改めて歓迎するわ。科装隊特務班へようこそ!」


ミノリは、悪戯が成功した子供のような顔で、新田に右手を差し出した。


「見てなさい、新田ちゃん、これから世界はめまぐるしい変化を遂げるわよ!」









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