第七百八十一話 レンズの魔導奏者に接触せよ②
見守る者の不安を他所に新たな魔法少女が現れる。
「あーあ、こんなとこで大騒ぎなんて随分人目を気にする悪党なんだね」
その姿は赤く鎧を纏っていた。顔には仮面があり目を隠している。
「む、違うやつが来おったぞ。しかも見覚えがないと来た」
「あいつは目的のやつじゃない?」
ロンの話を聞くとガレイアは眉を潜める。
「まあいいや、悪い子はおしおきしちゃうよ」
赤鎧の少女は槍をロンに向ける。
「汝に用はない、帰ってくれるかの?」
ロンは少女に敵意を向ける。
「へえ、人を物騒な力でいじめといてそんなこと言うんだぁ。じゃ、ちょっとおしおきしちゃおうかな」
少女の仮面の瞳が光る。
「う………汝、我に対していい度胸をしておる」
ロンは身体を縄のようなものでしばられてしまう。
「ふっ」
少女が迫るがロンを縛る縄は意外と硬い。
「陛下!くっ」
ガレイアはロンに近づこうとするが少女は咄嗟に魔弾を放つ。
「あれ、もしかしてお友達?はあ、喧嘩はほどほどにしてくれない?」
少女は疲れた様子で構えを解く。
「友達とは違うがの。これ、解いてかれんか?」
ロンは訂正すると縄型のものを指して言う。
「はいはい」




