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第七百五十四話 ロン、早々に人間界に行く③
朝早いので欠けた転移先の部隊など補充されていない。ロンはまた苛立った。
仕方ない、自分で歩くかと進む。
町で人を見つけると話しかける。
「そこの者、ちこう寄るがいい」
呼ばれた女性はロンの派手な衣装を怪しみ避けていく。
「お、おい、なぜ逃げる!待て!」
ロンが引き止めるが女性は腫れ物に触るように行ってしまう。
今度は男性に声をかけるが同じように逃げられてしまう。
「キー!なんなのじゃ汝らは!そんなに妾が恐ろしいか!」
そんなやり取りが繰り返されると怒りに地団駄を踏んだ。
「お前魔法使い、なのか?」
そんな時、薄緑のクリーチャーが問うた。身体の各部が鋭利に角張っておりビームウイングを背中に持っている。
「な、なんじゃ汝は!魔獣か!魔獣なのか!?」
ロンは異質さに腰を抜かして驚いた。




