第七百二十九話インセジェンス王女は鱗粉を振りまく②
「散ったところで勝てるわけないじゃない!」
チョウリンが言いながら羽を動かす。
「今だ、撃て!」
レイヴスが指示を出し仲間と共にビームを放つ。
「きゃあああっ!」
チョウリンは集中砲火に避けることが出来ずダメージを負う。
「はっ」
再びヨハンの鎖がチョウリンを縛る。
「二度同じ手を食らうと思ってるの!?」
チョウリンはすぐに鎖を振りほどく。
「だぁぁぁぁ!」
だがその隙にキャミィが接近し蹴り飛ばす。
「けほっ、けほっ」
チョウリンは腹に受け咳き込む。その隙をヨハンは逃さず鎖に付いた針を飛ばす。
またあれを受けたらまずい、チョウリンは転げながら逃げる。
「があっ!」
今度はキャミィの足が上から襲い動けなくなる。
「ありがとキャミィ」
ヨハンはその間に毒を打ち込む。
「今度こそ殺すの?」
「死にはしないけど歩くのは無理なタイプだよ」
キャミィが聞くとヨハンが説明した。彼の放つ毒は量と威力を調節できるのだ。
魔力の縄でチョウリンを縛り移送していると遠くでビートル隊が合体したキングビートルが空に打ち上げられていた。キングビートルの爆発を見てチョウリンが言った。
「ふ、見てなさい。あれが爆発すればあなた達も死ぬわよ。全て終わるわ、全てが」
「確かあそこにいるのは相川祐子と瀬川流河だったな」
「あと新入りのー、て一人じゃん!」
「どういう、おっきい盾?」
レイヴス達はキングビートルと対すると聞いていた魔法少女を思い出すがその人数と動きに驚く。
ユウカの盾が爆発を止めたことにチョウリンは落胆する。
「そんな、わたし達は人間に勝てないっていうの?」
「ふん、やつらをあまり舐めないことだな」
レイヴスは冷徹に言い放した。




