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第七百二十四話ビートル隊の最後




「爆発するならせめて空にしなさい。いえ、これでも足りない、追うわよ!」


流河は穴の空いた天井からキングビートルを追う。


ここまで溜まれば十分、キングビートルの魔力は高温となり身体を赤くした。


「まずい、来るわよ!退避しなさい!」


山芋がユウカに指示する。


「退避って、街の人はどうするんですか!?」


「避難は出来てない、悪いけど見逃すしかない………」


祐子の困惑に山芋はゆっくりと歯がゆさを込めて言う。


「ふざけんじゃないわよ!あたしは烈太を助けるために魔法少女になったのにあいつのいない間に街を消させるわけないじゃない!」


祐子はそんなことさせないと叫ぶ。


「それはわたしも同じ気持ちよ。この街を守るわ!」

「行くわよ!」


刀葉と流河の気持ちも一つになりユウカはキングビートルをさらに水流で飛ばす。


「やめなさい、爆発に巻き込まれたらその姿でも持つか分からないわ!」


山芋が叫ぶがユウカは止まらない。


「マスターウォール!」


水を纏った無数の壁が出現しキングビートルを下から包み込むように展開する。


キングビートルが爆発し壁を破壊していく。だが爆発の規模は収まらない。


『まだまだーーーーーー!』


ユウカは屈せず接近して自らの身体ごと魔力の盾を形成する。


「やめなさい!本当に死ぬわよ!」


山芋が止めるがこの状況でも止まらない。レッタの帰る街を消させるわけにはいかない。消えてしまっては帰ってきたレッタが落ち込んでしまうからだ。


『はぁーーーーーーー!』


ユウカの彷徨一閃、盾は熱を吸収し爆発が地上に行くことはなかった。


『はあ、はあ………』


力を使い果たし落下すると融合が解除される。


「あれ、わたし達…………」


「限界を突破して融合が解けたみたいね」


祐子と流河は自分達の状態を確かめる。


刀葉は空を見上げ今度こそ仇を取ったと実感する。だがその仇が自爆という手段を取ったゆえに一抹の悲しさを覚えるのだった。

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