第七十一話 ハルピィとの決戦⑤
「だからこの世界の人を犠牲にするのか」
「それが戦争というものよ」
彼女はレッカの追求にも動じない。
「だから、隆くんとは一緒にはいられない。いいえ、隆くんも犠牲にする!」
ハルピィは隆に鋭い爪を立てんと近づく。
「させるか!」
「だめ、間に合わない!」
レッカは走るが祐子が叫ぶ。ストリームも動こうとするがダメージに動けない。隆も恐怖に目を瞑る。
だがハルピィの爪は隆の眼前で止まる。
「なんで、なんで殺せないのよ!わたしは、この世界を侵略しなくちゃいけないのに、どうしてなの!」
ハルピィは自分でも分からないほど困惑して叫ぶ。
そんな彼女を隆は心配することしか出来ない。
「あんたはやっぱり隆が大事なんだ、だから隆が侵略相手でも殺せないんだ」
「わたしは…………うわぁぁぁぁぁぁ!」
レッカの言葉でハルピィは咳を切ったように泣きわめいた。
「これでひとまず決着ということかしら」
「誰かさんが無茶したおかげでね」
ストリームと祐子が三人の元に来る。
「悪かったよ、でも俺だってハルピィさんにこんなことして欲しくなかったんだ」
隆が思いを吐き出す。
「恋する男の力ってことか、はあ………リア充め」
「うるせー、余計なお世話だっつーの!」
レッカが恨み節を吐くと隆が言い返す。
ハルピィは隆の友人がいい人間で良かったと感じた。




