第六十五話 ハルピィは魔法少女と隆の狭間にて迷う
「なんでまたこんな………」
祐子は水族館にて烈太や流河と共に隆とハルピィを監視している。
ハルピィが変身出来ない以上監視の必要はないのに今ここにいることは彼女を困惑させた。
「まだ言うのかよ、小さいなぁ」
烈太が口を尖らせて返す。
「ま、何もないと思うけど一応確認は必要ね」
流河は警戒を緩めない。
「あの、ハルピィさん」
隆は大きな水槽を眺めるハルピィに恐る恐る聞く。
「なあに?恐い顔して」
ハルピィは冷静なまま聞き返す。
「魔法少女が実在するって聞いたことあります?」
「たまーにネットで聞くわね、悪いのといいのがいるとか」
「あなたがその魔法少女だったりします?」
その質問にハルピィの目が丸くなる。が、すぐにいつもの神秘的なオーラを纏う。
「変な冗談やめて、わたしは普通の留学生よ」
「そう、ですよね。あはは、なに聞いてんだろ俺」
隆はから笑いする。だが心の中では本人が簡単に教えてくれるわけないと分かっていた。
ハルピィはなぜ隆がその質問をするのか分からない。だがそれが彼女が魔法少女であることを思い出させた。変身アイテムがなかろうと彼女は力を使える、魔法少女としてこの世界を破壊しなければならない。
よってこの世界の人間である隆に関わるのは危険だ、だから甘さが出てレッカとストリームに負けたのだ。隆は大事だ、何度だって会いたい、だがその愛が魔法少女としての甘さになるというなら捨てなければならない。
ハルピィは隆とイルカのナイトショーを見ながらそう考えた。




