第三十九話 レッカは暴走するスパと戦えない
「どういう、意味?」
「侵略を担当する魔法少女に与えられる変身アイテムはただ暴走させるわけじゃない。自我を、心を壊すって聞いたことがある。それは今あたしが体験してるから嘘じゃない。だから早くあたしを殺して!」
スパが自分がなるであろう状態を説明する。
「殺すって………」
レッカは震えた。侵略者とはいえ人を殺すという行為はあまりに非情過ぎたのだ。
彼女にスパを殺すことは出来ない。
「う、ぐ………早くして!ああー!」
スパ呻くと頭を抱えて叫ぶ。暴走作用が再び自我を消し始めたのだ。
目の焦点が合わなくなり正気が消える。
「うああっ!」
「うっ」
そしてレッカに魔弾を撃つ。だがレッカは避けることも迎撃することもしない。いや、出来ないのだ。相手を殺さねばならないという事態は戦意すら削がれてしまうのだ。
「なにやってるの烈太………」
レッカは攻撃を受け続けストリームは苛立つ。なぜ彼女が避けることも迎撃もしない理由が分からないのだ。
彼女をこれ以上危険に晒すことは出来ない、ストリームは自然とレッカを抱きかかえて車の影に隠れた。




