第三十四話 脱走したスパは少しおかしくて②
そこへ猛スピードで車が突っ込んで来る。ああ、自分もニュースで見るような高齢者の暴走車に引かれて死ぬのか。レッカはそう身構えたが車はスパを飛ばして止まった。
どうやら自分のところへは来なかったようだとレッカは息が乱れた。魔法少女という超人になっても車が勢いよく来ると生きた心地がしない。
車のドアが開き中から老人が来ると思われた。
「大丈夫!レッカ!」
だがその人物はレッカの姉の流河だった。
レッカの表情が恐怖から怒りに変わる。
「ちょっと流ねえ!危うく死ぬかと思ったじゃないか!」
肩を上げて流河に迫る。
「いいじゃない無事だったんだし。ほら危ないからあなたは下がってなさい」
流河はレッカの身体を押して遠ざける。
「いや、危ないのはさっきの流ねえでしょ!」
「だから下がってなさいって言ってるの」
「意味わかんないし」
レッカは声を荒らげるが流河には通じない。
スパがよろめにながらも立ち上がる。
「メイク、アップ!」
流河は魔導デバイスのダイヤルを回し斜めに構えると叫んでボタンを押した。魔法陣が出現し水玉を模したヒラヒラした裾の衣装に変わりポニーテールを翻す。




