第三十二話 烈太は引き寄せられるように変身する②
「何の用?」
祐子がスマートフォンの着信に出る。番号はディリハのものだ。この状況で何のつもりだと祐子は不審がる。
「烈太くんはいるかい?」
彼は烈太が着信に出ないため祐子にコンタクトを取ったのだ。
「ついさっき消えたわよ。変な感じがするとか言って急に変身して飛んで行ったわ」
「変な感じ?まさか共振か?いや、その距離で共振など………」
「意味わかんないし!分かるように説明しなさいよ!」
ディリハがブツブツと言い始めたため祐子が声を荒らげる。一方的に話されてはわけが分からない。
「その必要はない、彼はもう現場に行っているのだからね」
「現場、つまりまた敵の魔法少女が出たのね」
祐子は相手と言葉から状況を察する。
「またというのは性格ではない。昨日捕虜にしたスパが急にデバイスを転送して脱走したんだ」
「うわ、逃げられるとか最悪ね」
祐子は呆れる。
「面目ない、流河くんにも連絡しておくよ」
「そうしときなさい」
「じゃあ、そろそろお暇させてもらうよ」
「はいはい」
通話が切れて隆が話しかける。
「なあ、今のって………」
魔法少女、逃げられたという言葉から状況は察せた。
「うん。昨日捕まえたスパて女逃げたって」
「マジかよ、急いで追いかけねえとやべえじゃん!」
隆は声を上げた。
「大丈夫よ、あいつも流河さんも行ったらしいから」
「行ったってあいつ、電話来る前から変身して飛んでったぞ。どうなってんだよ」
「さあ?なんか電波でも飛んでたんじゃない?」
祐子は隆の驚きを余所に軽く答える。
「電波っておいおい、魔法少女てなにもんだよ………」
隆はわけが分からなくなった。




