第百七十二話 瀬川姉弟のお風呂&就寝事情
そこで祐子と隆は顔を見合わせる。烈太が異世界の悪魔という事実、それは流河の長い悩みとなっていた。
だが今の烈太にその自覚がない以上それを言うのは躊躇われた。
「多分昨日お前がぶっ倒れて心配だったんじゃねえの?」
「そうよ、その内戻るんじゃないかしら」
隆と祐子が励ます。
「いや、しかもなんか避けられてる感じでー風呂も寝るのも別々だしさぁ」
「は?」
「え?」
「ん?」
烈太が続けると祐子達は最初こそは納得出来たが後半になると疑問になった。
「はーーーーー!?」
「えーーーーー!?」
そして衝撃に大声を上げた。
「いやいやお前おかしいだろ!高校生にもなって姉と風呂だの同じ布団で寝るだのありえねえだろ!」
隆は困惑のあまり叫んだ。
「まさかこんなことはないと思っていたのに……………」
祐子は絶望に顔を覆った。
「いや、姉弟なら普通だろ」
だが烈太は違和感を持っていなかった。
「普通じゃねえだろ」
「もういいわ、あなたはあなたのままでいいわよ」
隆は否定したが祐子は否定する気が失せてしまった。
「うーん、大人の女だし色々あるんじゃないかしら」
祐子はなんとか真実を告げないようにした。
「恋、とか?」
「さあね、直接聞いてみないと分からないわ」