第百六十八話
「それからわたしは彼を戦いから遠ざけるためにこの世界に連れて来て魔法薬で年齢をいじったというわけさ。」
ディリハはことの顛末を話し終える。
「なんか手が込んでるわね」
あまりことに祐子が呆れる。
「仕方ないだろう?半端に記憶を消したので思い出してしまうし顔が同じではあの時の魔法少女に会ったら気づかれてしまうからね」
「わけわかんないわよそんなの、そんなの聞いたって烈太が人間じゃないなんて信じられないわ!」
流河はあまりの混乱に出て行ってしまう。
「ちょっと流河さん!」
「ほっとけ祐子、お姉さんにはこの話は刺激が強すぎたんだよ」
追おうとする祐子を隆が止める。
「つうか俺だって無理あるぜ。やっと出来た同好の士が人間じゃなかったんだからな」
隆も自分の衝撃を吐露する。
「いつつ…………」
当の烈太が呻きながら起きる。急に膨大な魔力を使った反動である。
烈太はなぜ寝ていたか分からないが戦いで疲れたのだろうと思った。
「あ、起きた」
「烈太!」
「大丈夫?記憶はある?」
祐子達が気づき駆け寄る。
「まあ、ちょっとだるいけど大丈夫。あと記憶ってなんです?」
雷葉の言葉に烈太は混乱した。
「その様子だと問題はなさそうだ」
ディリハは安堵するが烈太は体調とは別の意味を含んでるように聞こえた。