第百三十話 リベンジャースパ③
「その声、スパ?まさか復讐にでも来たわけ?」
流河の怒りが募る。変身能力が失ったにも関わらず人質を取って接触したのは疑問だが今は考えてる場合ではない。
「ええ、そうよ。だから早く来なさい。仲間がどうにかなっても知らないわよ」
そう言ってスパは電話を切る。
「覚えてなさい」
流河はツーツーと鳴るスマートフォンをギリリと握る。
「うっ」
「ひゃっ」
烈太と男の子は地べたに投げ捨てられる。
「さあて、二人は来るかしら」
スパが余裕の笑みを浮かべる。
このまま流河が来るまで待つだけでいいのか、烈太は疑問が浮かんだ。
スマートフォンがあるのとは別のポケットから魔導デバイスを出す。後ろ手ならいけるか、キリリとダイヤルを回す。いけた!烈太に笑みが出る。もう一押し、ボタンを押そうとするがそこで止まった。
「お兄さん?」
男の子がなにをしてるのかと聞く。
「大丈夫、君は俺が守るよ」
烈太は励ますように言う。
「あと一押し、あと一押しなんだ。押してくれ、俺の指!」
烈太は叫ぶが指は震えたままボタンを押さない。