第千二百七十五話ディリハ、一糸報いるべく③
『はっ』
天羅は魔法陣を展開しグラグラ空気を震わせながら耐えた。
「強くなったか。だが、だからこそ倒しがいが、超え甲斐がある。それでこそわたしが求めたものだ!」
ディリハは興奮しながら口から音波を出す。
「ちょ、今度のはきついな」
隆は口を歪める。今度は機体が震え周囲のビルがピシッ、ピシッと傷ついていく。
「はあ。ビビったの?!」
「さっきまでビビってたのはどこのどいつだよ………」
テッペキにドスの声と共に睨まれ隆は小言を呟いた。
「なにか言った!?」
「言ってねえし。さっさと決めるっつうの」
再びドスが飛ぶと顔を歪めながら返す。
「はいはいテッペキ、自分のせいで迷惑かけたのは分かるけど落ち着いてね」
「落ち着いてるわよあたしは!」
「はーい」
レッカがテッペキをなだようとしたが今度は彼にドスが飛んだ。
天羅はまた動きが鈍った。ディリハは角の間からエネルギー弾を放つ。
『ふっ』
天羅はシールドで防ぐどころかそのまま突進してきた。
「るせー!あんたのせいで、あんたのおかげで魔法少女になれたのにあんたがそっち側回ってどうすんのよ!」
テッペキの怒りと共に天羅の拳がディリハを狙う。




