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第千二百十八話屈辱のヴァキュリーン
ヘルムヴ王国の陣地にいるゾンビランは魔力による通信を受ける。相手はコートを纏った骸骨の魔人、ピエロッサクラウンだ。
「お疲れ様ですゾンビランさん。どうです、調子は」
ピエロッサクラウンは百獣王国を攻める彼に進捗を尋ねた。
「戦いは始まったばかり、尋ねるは気が早いであろう」
ゾンビランは軽くあしらう。
「野暮、でしたね。では、数日してまた尋ねましょう」
ピエロッサクラウンはふふっと笑った。そして同じ居城にいるヴァキュリーンに向き直る。
「さて昨日の失態、どう取り返しましょうか」
「見苦しくて悪かったわね。この汚名はわたし自ら注ぐ、それだけよ。あの女をなんとしても潰してね……………」
ヴァキュリーンは目を見開き地獄から唸るように言った。あれは正に屈辱、身体を焼かれるくらいでは足りない、魂すら焼かれそうな恥、憤怒を引き出すには相応しいことだ。
自分を見下したあの力と態度、どう料理してくれようかと思考する。
「ふふふ、ハハハハハハ!」
ピエロッサクラウンから離れるとその楽しみに派手に笑った。




