114/1278
第百十四話
その日の学校終わり、祐子は研究所で調整された魔導デバイスをディリハから渡される。
「これを彼に渡してくれたまえ」
「これを渡したってどうせあいつは変身しないわよ」
祐子は悲痛な顔でデバイスを見る。
「何かあったのかい?」
「別にないわよ。ただ、あいつが昨日のことで落ち込んで変身しないって言ってるだけ」
ないと言うがその言い方は重大な事が起きたと示している。
「まるで君も戦いたくないと言っているようだね」
「そんなこと、ないわよ………」
そう答える祐子の顔は悲痛なものだった。
その足で烈太の自宅に行き彼にデバイスを渡した
「いいよ、どうせ変身しないし」
だが烈太は後ろ向きなままだ。
「いいから持ってて!戦わなくていいから持ってて!お願い!」
「分かった」
まるですがるように祐子に迫られ烈太は受け取るしかなかった。