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第百十話
「どういうことよ!なんであんな物騒なもん作ったのよ!」
研究所に戻り祐子がディリハに怒る。
「そんな予定はなかった。あれは事故だよ」
彼も苦い顔で答える。
「事故って、そんなんで済まさないでよ!あいつのあんな顔…………見たくなかった 」
祐子は最後には涙声になってしまう。
「でも、これであの子が戦わずに済むならちょうどいいわ」
「え?」
流河は冷静に言う。
「元からあの子が戦うのは反対だったのよ。これは好都合て言ってるの」
なにを言われた分からない祐子に念を押す。
「な、そんな言い方ないじゃない!あいつだって正義のためだって頑張ってきたのよ!なのにそれじゃあ邪魔だって言ってるみたいじゃない」
祐子は今度は流河に怒りを向ける。
「邪魔とは言ってないわ。ただ弟を危険な目に遭わせたくないだけよ」
「ブラコンかよ………」
隆が流河の烈太への扱いに呆れる。
「命に関わるのだから当然よ」
流河はきっぱりと言う。