第千三十六話 ドライガン帝国のファッション④
「ていうかガレイアは服買わなくていいの?」
「いいんだよ、あたしはこういうの柄じゃねえし」
レッタに問われるがガレイアは手を振って断る。
「へえ、もったいない。せっかくいい素材なのに」
「ええ、あなたにも何か探してあげたくなったわ」
祐子が残念がると刀葉がやる気を上げる。
「うむ、頼むぞ。人間界で妾と出かけた時も中々自分の服を買おうとしなかったからの」
「皇女のお墨付きも出た。お前も辱めを受けてもらおう」
ロンが頷くとミカゲは邪悪な目をしながら手を動かした。
「お前はただの八つ当たりじゃねえか?」
ガレイアは少し不安になった。
「これ、下は祐子がタンスにしまってあるやつと似てるな」
だが更衣室で着替えを終えたガレイアは大して恥ずかしげもなく言った。その様は水色のスリットつきチャイナドレスだが肩が膨らみスカートはフリルが多段式になっていた。
「どういうことだ?てっきりお前はわたしと同じそういうものは着ないと思っていたが」
彼女を辱めようと少女らしい服を選んだはずがミカゲは予想外で戸惑ってしまう。
「別に着ないわけじゃないよ?」
「戦いがない時はたまに着てるわよ」
「まあ、女の子っぽいのは戦いに邪魔てくらいでそれ以外の時は気にしないわね」
レッタ、祐子、流河が普段のガレイアの様子を説明する。
「ふーん、わたし達は制服姿しか見ないので意外ですね」
「公私混同はしたくねえんだよ」
雷葉の関心にガレイアが説明する。
「なんじゃ、てっきりそういうのは苦手かと思っておったぞ」
「陛下の前でこのような姿、普段ならできませんて」
ロンも驚くがガレイアは本当なら彼女の前だと遠慮したいと主張する。




