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ネコミミとパーティを組める 幸運マイナスなにそれおいしいの?

15歳。成人式というものはない。

家でちょっとだけお祝いして、家をでるか、家業を手伝うか。

既に20歳になる長男のアルベルグは、家を継ぐため

父について当主になるべく勉強している。

次男のロンドベルグは、子爵家のお嬢様を捕まえて

養子にでたため、家にはいない。

ちなみに俺の名前はハイネスベルグだ。

兄たちからはハインと呼ばれている。

妹のリリシアはまだ8歳。

父と兄に溺愛され、俺にも溺愛され

母にも溺愛され、あまあまな妹である。


家族で俺の成人祝いのこじんまりとした食事会。

いつもよりちょっと豪華な食事がテーブルに並ぶ。

母が腕によりを鳴らせたのか、胸を張っている。

メイドはいない。雇う金がないから。



「ハイン、お前はこれからどうするんだ?

剣も魔法も、歳を考えれば天才と言える技術をもっている。

だが、まだ一流というわけではない。冒険者は危険が多い。

しかし、わが家には騎士団養成学校や魔術学校に

行かせられるだけの蓄えはない。

だが、特別優等生枠に入れれば・・・行くことは可能だ。」


「父上、確かに学校に入れれば、騎士団や

魔術師団に入れる可能性が高いので、将来性は高いでしょう。

でも、僕は自由に生きてみたいなと思っています。

世界を旅して、色々な経験をしたい。

一度きりの人生ですから。」


実は二度目だが、この世界は初めてだ。

なによりファンタジー世界を存分に味わってみたい。


父が少し憂いを帯びた表情で口をひらく。

「そうか・・・。できればその才を国に生かしてほしいと

思っていたが、冒険者を経てからでも、実力があれば

国に採用されることは多い。

かの英雄バランも、元冒険者から騎士となり

数々の魔物や魔獣との戦闘から国を守ってきた。

ただ、危険も多い。止めはせぬが、命を大切にしてほしい。」


「無茶はしないようにしますよ。

それに、定期的に手紙を書くようにします。

そうすれば安否は伝えられますしね。」


「ハイン・・・・辛くなったら、いつでも

家に帰ってきていいのよ。」


「母上、ありがとうございます。

会いたくなったら、必ず帰ってきます。」


こうして、家族の晩餐を終えた。

明日の朝、出発だ。


・・・・次の日の朝、家族の見送りの中、家をでる。

第二の人生、ファンタジー旅行のはじまりだ!

内心、すごくワクワクしている。


まずは、領地からそう遠くない街、アルンベルトを目指そう。

アルンベルトは、首都と貿易港をつなぐ貿易路の間にある街。

そこそこの人口、そこそこの規模の街だ。人口4000人ほど。

冒険者も多く、商業でにぎわう街だ。

街道を2時間ほど歩くと、街が見えてきた。


冒険者としてやっていくには、仲間も必要だろう。

とはいえ、成人したばかりの新米冒険者。

剣、魔法、回復と万能。ソロでもやっていけると思うが

なにせ幸運マイナス99965だ。何が起こるかわからない。

なんて思いつつ、アルベルトに着くなり冒険者ギルドへ行く。


それなりに大きい二階建ての建物。周りには冒険者らしき人が

行きかう。まさにファンタジーだ。

中に入ると、おもったより小奇麗だ。もっと汗と男くささが

充満してるとおもったが、そうでもなかった。

食堂が併設されているらしく、ビール片手にぎゃははと賑やかな

声が多く聞こえる。まだ昼間だというのに。


とりあえず、冒険者登録をするのに受付にいく・・・・・と

俺の心の中で何かがはじける音がした。

(うおおおおおおおおおおお!!)

ネ コ ミ ミ (巨乳カワイイ)だ!

受付は3席あり、ネコミミ♀ 人間♀ イヌミミ♂ という配置だった。

これはネコミミ行きたいです。。。と心の中で願いつつ、順番待ち。


「ハイネスブルグさん。こちらへどうぞ」


「あ、はい・・・・」

なんということだ・・・よりによってイヌミミ♂に呼ばれた。

いや、犬も嫌いじゃないですよ・・・・。

でも男じゃないですか。三分の一の確率で男を引くとは・・・

さすが幸運マイナスの俺!ラッキーは基本的に起こらない!

ちょっと残念な顔をしていたら、イヌミミさんが

「?」みたいな顔で俺を見ていた。


「冒険者の登録をお願いします。」


「はい、わかりました。では、ステータス登録をするので

こちらの魔力水晶に魔力を流してください。」


なんか静電気でバチバチしそうな小さな水晶玉。

なんとか科学館とかにありそうだな・・・。

ちょっとビビりつつ魔力を流すと、パァっと一瞬光って

ニョキッと金色のカードが水晶から出てきた。


「そちらがギルドカードになります・・・?

え・・・?銀色?ランクC・・・・?」


イヌミミのお兄さんが目を見開いてカードをみる。

俺のステータスそんなに高かったのか・・・

地元の近場にいる魔獣を無双してたが

ギルドの評価がここまで高いとは思わなかった。


「驚きですね・・・成人直後でCランクステータスをお持ちとは・・・。

前例がないわけじゃないですが、ハイネスベルグさんは

既にレベル3か4なのでしょうか、あ、失礼、言わなくていいですよ。

個人情報なので、基本的には秘匿しておいたほうが無難です。」


「ギルドランクとステータスランクは別なんですね。」


「はい、依頼によって獲得するギルドポイントでギルドランクが決まります。

ハイネスベルグさんのステータスは既にCランクなので

依頼自体はBランクまで受けられます。ですがギルドランクはEなので

ギルドランク指定がある依頼は受けられません。

また、素材の買い取り額には関係ありません。」


「なるほど、ギルドランクを上げないと、受けられない依頼もあるんですね。

個人の「信用度」みたいなものですね。」


「そうですね。いくら強くても、強さ=信用ではありませんから。

逆に、ギルドランクがAでも、ステータスが低かったら

上の依頼は受けられないというのもあります。

ですが、信用度なので、ギルドランクが高い人は

報酬が多い依頼が多くなりますし、社会的にある程度優遇されることもあります。

その分我々ギルド側は厳密な審査をしますけどね。」


「なるほど、考えられたシステムですね。

いくら強くても、信用ができる人にしか依頼は来ませんよと。

信用を重ねた人はランクが上がり、お金が多くもらえますよと。

もちろん高い依頼成功率があってのギルドランクですが

ステータス以外の能力も重要ということですね。」


「その通りです。冒険者という性質上、誰でもなれますが

誰にでもできるわけではありません。かといって簡単に選別もできません。

ですから、こういうシステムが作られたようです。」


「なるほど、よくわかりました。

でも、パーティで依頼を受ける時はどうなりますか?」


「パーティ等の団体の場合は、最高ランクの方が基準になります。

ギルドランクがC・D・Dの3人なら、Bランク依頼まで受けれます。

分配については均等分配が基本です。

そもそもギルドか個々に報酬を支払うのでごまかしはできません。

ちなみに、自分のランクを言うときはギルドランク・ステータスランク

を合わせて言います。ハインさんはECですね。」


「ということは、自分のランク以上の依頼を受けるなら

ギルドランクが高いパーティでこなしたほうが

報酬の割合は良いということか・・・。」


「そうですね、分配こそされますが、上位ほど報酬は高いですから

リスクを考えたら、パーティで上位依頼を受けたほうが良いです。

上位になるほど危険度も増しますから、ソロはできるだけやめたほうがいいですね。

まずは適正ランクのパーティを探すといいと思いますよ。」


「じゃぁ、とりあえずギルドランクDぐらいのパーティを探してみることにします。

色々丁寧にありがとうございました。」


「いえいえ、わからないことがあったらいつでもどうぞ。」


思った以上にイヌミミ♂さんは、親切な人だった。

まぁ、同性だから気兼ねなく話せるとこもあるんだろうが・・・

でも次は巨乳ネコミミちゃんと話がしたい。

ネコミミで巨乳とかもはや兵器だ。

凶悪過ぎて話にならない。

語尾がニャーとかニャーニャー言わせてみたい。


・・・・そんな妄想をしていたら、知らない人に声をかけられた。


「そこの君、ステータスCランクにゃ?」

ニャー・・・・だとぉ?

俺はくわっと目を見開いて声のする方向に振り向いた。


「うにゃっ!なんにゃ、君こわいにゃ!どうしたにゃ!

にゃーになんかへんにゃとこあるのかにゃ!」


猫型獣人だ。ネコガタロげふんげふんじゃないよ。

受付のネコミミさんとは違い、スレンダーで筋肉質な感じだ。

冒険者だろうか、ところどころ傷跡が見える。

しかし露出度が高い。が、獣人だけあって体毛というか

毛が全身を覆っている。服はあくまで防御が必要な部分だけって感じだ。

毛並みからトラネコ獣人といったほうがいいだろうか。

興味深く全身を眺めていると


「なんにゃ、猿人のくせに猫人に興味があるのかにゃ!」


そういや人間は猿だ。彼らからすると猿人になるのか、おもしろい。


「いや、うん、猫は好きだな。かわいいし。」


「うにゃっ、猫好きとは良いこというにゃ!

猫好きに悪い人はいないにゃ!だからわちしらのパーティにはいるにゃ!」


なんか唐突すぎてよくわからない勧誘だ。

しかしパーティって彼女しか見えないのだが・・・

てか猫好きなら誰でもいいのかと突っ込みたくなる。

彼女はおつむがちょっと弱そうな感じがする。


「えっと、パーティって君だけかな?」


「んにゃ、向こうにいるにゃ。」

彼女が指さした方向に、男が二名。

剣士と槍士・・・かな。

食堂の一席に座って俺を見ている。


とりあえず話をしようと、彼らのほうに行く。

30台前半くらいの、身長180くらいの剣を腰にさした人。

「はじめまして、このパーティのリーダーをしている

リドルと言う。職業は剣士、ランクはBBだ。」


20歳くらいに見える、槍を背中に背負っている耳長・・・エルフか?

ちょっと暗そうな感じだが、なかなかのイケメン風の男だ。

「俺はカインだ。火槍術士だ。俺もBBだ。」


ずいっと小さめの胸の猫が胸を張って、自信満々な顔で自己紹介をする。

「で、わちしが格闘士のヤールにゃのだ!DCにゃのだ!」


ていうか三人ともアタッカーかよ。どんだけ脳筋PTだ。


「はじめまして、ハイネスと言います。

まだ冒険者になりたてなので、わからないことばかりですが・・・

とりあえず、パーティ勧誘の話を聞かせてもらってよいですか?」


すると、リドルがちょっと困った顔をした。

「いや・・・声をかけるつもりではあったが

パーティに誘おうとまでは考えていなかったんだよ。

そこの猫が勝手に話を進めたようで・・・すまない。」


ですよねー。なんかノリで誘われた感しかしなかったですもん。

まぁでも、袖すりあうも多少の縁というし

話だけでも聞かせてもらおうと思って

リーダーのリドルさんにお願いをした。


・・・・・小一時間ほど、雑談を交えた。

簡単にこの町のことや、彼らの個人的な話なんかも聞かせてもらった。


「色々教えて頂いて、ありがとうございます。

しばらくはこの町に滞在してランク上げしようと思うので

顔を合わすこともよくあると思うので、よろしくお願いしますね。」


そういうと、リドルがカインとヤールのほうをちらっと見つつ

「で、相談なんだが、うちには今、支援がいなくてな・・・

3人とも・・・自分で言っちゃなんだが、脳筋パーティなんだよ。」


見ればわかる。すがすがしい程火力しかいない。

一応俺は火力よりのハイブリッドなので支援はそれなりにしか

できないが、ヒール系を習得している人は少なく重宝するらしい。


「君さえよければ、うちのパーティでやってみないかい?」


「是非入るにゃ!猫好きならオールオーケーにゃ!」


「・・・猫は関係ないな・・・・。」

無言だったカインの一言がさりげない突っ込みだったことは

聞き逃さなかった。


彼らのことを完璧に信用するわけではないが

あくどいことをするような人には見えないし、この誘いを

受けることにした。猫獣人もいるしね。

ただ、俺のスキル事情は特殊だ。自衛程度の剣技はあるが

攻撃・支援ができる魔術師だと伝えてある。

魔術師で剣技を持ってるのは冒険者では多いらしい。

「魔力が切れた時の緊急用」に最低限の戦闘技術がないと

生きていけないからだ。中には魔法剣士になる奴もいる。


ところで、ヤールの言葉に「にゃ」が多いのは

猫獣人だからではなく、ただの訛りというか活舌の問題らしく

他の猫獣人は「にゃ」なんていわないそうだ。

また、「ニャーは」は「ヤーは」と自分のことを言ってるらしい。

ベースレベル 4 (MAX10)

HP 530

MP 320

POW 145

VIT 107

MGI 182

SPD 88

LUC -99865


職業 中級剣士lv8


習得済み職業 

中級魔術師lv1

見習い僧侶lv5

中級ポーション師lv5


所持スキル

初級ポーション精製

中級ポーション精製


所持魔法

ファイア ファイアボール ファイアランス

ウィンドブーツ ウィンドシールド

ライトヒール


ユニークスキル

ステータス隠蔽・改竄表示

ステータス常時閲覧可能

転職自由 

スキル・魔法取得自由(ポイント消費)


職業 見習い→初級→中級→上級→ハイクラス→ユニーククラス


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