突然
好きだよ、と言えば、好きだよ、って返してくれる。
ただその会話だけで僕は嬉かった。
孤独が無くなっていくようで。
傷ついたからだが癒えていくようで。
愛している、って言えば、私も、って返してくれる。
ただそれだけの言葉で、僕は幸せになれた。
幸せな時間をありがとう。といつも感じていた。
日常になりつつある会話。
幸せな日々。
ずっと二人で過ごしていくと思ってた。
こんな時間をずっと過ごしていきたいと思ってた。
くだらない話のメールの送りあい。
観覧車の上で笑いあった日々。
どれも素敵な思い出だった。
「わかれましょう。」
その言葉は突然彼女の口から出てきたものだった。
「私の好きはlikeの好きだった。」
僕はただ彼女の話を聞いていた。
彼女は好きの気持ちが恋愛的じゃないことに気づいたらしい。
I'm done with you.
彼女はさようならの挨拶を僕に言う。
涙が出てくる。
泣き虫で弱虫の僕の心は現実を直視できず。
見せかけの強がりばかり僕の口からでてくる。
「貴女がそういうのなら。僕は貴女がやりたいことに従うよ。」
それは、僕なりの強がりで。
僕のプライドだった。
本当はそんなことは言いたくない。
だけど、彼女は別れたいのだ。
そう考えているうちに席をたった彼女。
「さようなら。」
「またね。」
僕は手を振り彼女を見送る。
またね。と約束できない一方的な願い。
願いがとどいても、関係は戻らないのだろう。
心がずきずきと痛みだす。
彼女に癒してもらった傷ついたからだがまた孤独にさらされていく。
僕は雨の降る夕方の街を背に誰もいない家に向かう。
そうだ、今日は久々にご飯を作ろう。
行ったことのないスーパーに寄り道をして。
できたご飯はお世辞にも美味しいとは言えない味であった。
僕はテーブルを片付け、歯を磨き、風呂にも入らずに布団に潜った。
突然は唐突に来る。
孤独を噛み締める。
懐かしい思い出がどんどん僕に張り付いて動けなくなっていく。
僕は重すぎる一日を振り返りながらまどろみのなかに意識を落としていった。
また明日、元気にやっていこう。
一人で。