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サラサ 高い骨の花  作者: トラヤラノ
4/5

Phase4 深緑の竜

■竜の背骨 昼


 サラサちゃん、深緑の竜に襲われ絶体絶命!


 しかもここは竜の骨の上。

 少しでも足を滑らせたら、数秒もすれば地面に真っ逆さまだ。


 彼女は慌てて、回れ右!元来た山の方へダッシュする!


「グオオオオオオ!」


「逃げるが勝ちよ!」


 深緑の竜は反転してサラサちゃんの背中に回り込んだ。


「はあはあはあ!」


 猛ダッシュで逃げるサラサちゃん。

 時折後方を振り返るが、ぐんぐんと深緑の竜は距離を縮めてくる!


 バサッ!バサッ!


「わああああ!!ぐぬぬぬぬう」


 風は山から吹いていて逆風だ。思うように走れない。


 後方からは深緑の竜が口を大きく開いて迫っている。その距離はどんどん縮まってゆく!


「ああっ!こないでよ!あたしは不味いから!」


「グオオオ!」


 その距離はまだ100メートルほどあったが、深緑の竜の全長は4メートル近くあるためか

 サラサちゃんから見ると、すぐ真後ろにまで迫っている印象だった。


 そして前方からは強い風が吹き、眼をあけるのもやっとの状態。


「このままじゃ、竜のお昼ご飯になっちゃう…!」


 サラサちゃん、チラリと左の方を見る。


 ちょうど背骨から、地上へと伸びている肋骨が見えた。遥か眼下には、竜骨の街が見える。


 肋骨は比較的形状がしっかりしていて、上手くいけば駆け降りることができるかもしれない。


「やるか!」


 サラサちゃん、意を決して、方向転換。肋骨の方に走る!後方からは竜が迫る!


「あらよっと!」


 肋骨は太さが巨大なスギの大木ぐらいで、地面に向かって伸びていた。


 背骨側から視線を落すと、肋骨はほとんど直滑降といった様子で、地面に吸い込まれているように見えた。


「わったったったった!」


 背骨を駆け降りるサラサちゃんだが、7歩ぐらい走ったところでバランスを崩す!


「グオオオオオーッ!」


「あああああ!」


 後方からは逃がすまいと深緑の竜が威嚇する。


 それに驚いたサラサちゃんは尻餅をついてそのまま肋骨を落下!


 滑り台を降りるようにそのまま竜骨の街へ落下してゆくぞ!


■竜骨の街・広場 昼


 さてここは竜骨の街。


 肋骨が突き刺さった傍には、サークル状に、石畳の広場があしらわれている。


 休日のため、ここではフリーマーケットが開かれており、多くの住民たちが集まっていた。

 住民たちは、各々で持ち寄ったツボや家財道具、アクセサリーなどを持ち寄り、売買をしていた。


 上空の騒ぎに、広場の数人の住民が気づく。


「あれは!」


「緑竜だ!?」


「普段はこんなとこまでこないのに!」


 ざわざわと慌てる住民たち。肋骨の方、いや、深緑の竜を指さし、各々驚いた様子だ。


 彼らの様子から、やはり竜は、人前には滅多に姿をあらわさないようだ。

 広場に件のきょうだいたちも駆けてきた。肋骨の方を仰ぎ見る。


「サラサおねえちゃん!」


 彼らの視線は、肋骨を駆け降りる(もはや滑り落ちると言った方が精確だ)サラサちゃんに向けられた!



「あらららららっ!」



 サラサちゃんはバランスを整えつつ、肋骨を駆け降りている!


 それに並ぶように降下して飛ぶ深緑の竜!

「しつこいねえあんたも!」


 サラサちゃんさすがに切れ気味に、深緑の竜に向かってジャンプ!


「喰らいなさい!」


 バシーン!

 

 竜の鼻っ柱に右足で蹴りをかました!このブーツの底は鉄板だっ!


「グオオオオオオ!」


 思わず苦悶の表情の竜!


 手ごたえ(足ごたえ?)はあったが、大きなダメージは与えられなかったようだ。


 深緑の竜は鼻を突きあげる、サラサちゃんはお尻から突き上げられて、さながら、猛牛に突き上げられた闘牛士のように、ポーンと大きく空中に投げ出された。その長い黒髪とカラフルポンチョがバタバタとなびく。


「あらあああああ!」


「サラサちゃん!」

「ああっ!」


 地上からは驚くきょうだいたち!住民たちも思わず声を上げた!


 空中で四肢をばたつかせるサラサちゃん。しかし身体は重力に従い、落下してゆく!


「ひいいいい!」


 絶体絶命だ。



 その時である!



 彼女の持っていたカラフルな市松模様の巾着袋から、白い光が大きく放たれた!!


「カッ!」


「えっ!?」


「なっ!」


「あれは!?」


 地上から見上げる住人達。空がまぶしい!


 サラサちゃんが空中で光に包まれる!!


「なになになに!!」


 バサバサバサ!


 バサッ!!!


「ああっ!」


 なんと、サラサちゃんの周りに、四枚の白く巨大な翼が現れた!


つづく!

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