Phase4 深緑の竜
■竜の背骨 昼
サラサちゃん、深緑の竜に襲われ絶体絶命!
しかもここは竜の骨の上。
少しでも足を滑らせたら、数秒もすれば地面に真っ逆さまだ。
彼女は慌てて、回れ右!元来た山の方へダッシュする!
「グオオオオオオ!」
「逃げるが勝ちよ!」
深緑の竜は反転してサラサちゃんの背中に回り込んだ。
「はあはあはあ!」
猛ダッシュで逃げるサラサちゃん。
時折後方を振り返るが、ぐんぐんと深緑の竜は距離を縮めてくる!
バサッ!バサッ!
「わああああ!!ぐぬぬぬぬう」
風は山から吹いていて逆風だ。思うように走れない。
後方からは深緑の竜が口を大きく開いて迫っている。その距離はどんどん縮まってゆく!
「ああっ!こないでよ!あたしは不味いから!」
「グオオオ!」
その距離はまだ100メートルほどあったが、深緑の竜の全長は4メートル近くあるためか
サラサちゃんから見ると、すぐ真後ろにまで迫っている印象だった。
そして前方からは強い風が吹き、眼をあけるのもやっとの状態。
「このままじゃ、竜のお昼ご飯になっちゃう…!」
サラサちゃん、チラリと左の方を見る。
ちょうど背骨から、地上へと伸びている肋骨が見えた。遥か眼下には、竜骨の街が見える。
肋骨は比較的形状がしっかりしていて、上手くいけば駆け降りることができるかもしれない。
「やるか!」
サラサちゃん、意を決して、方向転換。肋骨の方に走る!後方からは竜が迫る!
「あらよっと!」
肋骨は太さが巨大なスギの大木ぐらいで、地面に向かって伸びていた。
背骨側から視線を落すと、肋骨はほとんど直滑降といった様子で、地面に吸い込まれているように見えた。
「わったったったった!」
背骨を駆け降りるサラサちゃんだが、7歩ぐらい走ったところでバランスを崩す!
「グオオオオオーッ!」
「あああああ!」
後方からは逃がすまいと深緑の竜が威嚇する。
それに驚いたサラサちゃんは尻餅をついてそのまま肋骨を落下!
滑り台を降りるようにそのまま竜骨の街へ落下してゆくぞ!
■竜骨の街・広場 昼
さてここは竜骨の街。
肋骨が突き刺さった傍には、サークル状に、石畳の広場があしらわれている。
休日のため、ここではフリーマーケットが開かれており、多くの住民たちが集まっていた。
住民たちは、各々で持ち寄ったツボや家財道具、アクセサリーなどを持ち寄り、売買をしていた。
上空の騒ぎに、広場の数人の住民が気づく。
「あれは!」
「緑竜だ!?」
「普段はこんなとこまでこないのに!」
ざわざわと慌てる住民たち。肋骨の方、いや、深緑の竜を指さし、各々驚いた様子だ。
彼らの様子から、やはり竜は、人前には滅多に姿をあらわさないようだ。
広場に件のきょうだいたちも駆けてきた。肋骨の方を仰ぎ見る。
「サラサおねえちゃん!」
彼らの視線は、肋骨を駆け降りる(もはや滑り落ちると言った方が精確だ)サラサちゃんに向けられた!
「あらららららっ!」
サラサちゃんはバランスを整えつつ、肋骨を駆け降りている!
それに並ぶように降下して飛ぶ深緑の竜!
「しつこいねえあんたも!」
サラサちゃんさすがに切れ気味に、深緑の竜に向かってジャンプ!
「喰らいなさい!」
バシーン!
竜の鼻っ柱に右足で蹴りをかました!このブーツの底は鉄板だっ!
「グオオオオオオ!」
思わず苦悶の表情の竜!
手ごたえ(足ごたえ?)はあったが、大きなダメージは与えられなかったようだ。
深緑の竜は鼻を突きあげる、サラサちゃんはお尻から突き上げられて、さながら、猛牛に突き上げられた闘牛士のように、ポーンと大きく空中に投げ出された。その長い黒髪とカラフルポンチョがバタバタとなびく。
「あらあああああ!」
「サラサちゃん!」
「ああっ!」
地上からは驚くきょうだいたち!住民たちも思わず声を上げた!
空中で四肢をばたつかせるサラサちゃん。しかし身体は重力に従い、落下してゆく!
「ひいいいい!」
絶体絶命だ。
その時である!
彼女の持っていたカラフルな市松模様の巾着袋から、白い光が大きく放たれた!!
「カッ!」
「えっ!?」
「なっ!」
「あれは!?」
地上から見上げる住人達。空がまぶしい!
サラサちゃんが空中で光に包まれる!!
「なになになに!!」
バサバサバサ!
バサッ!!!
「ああっ!」
なんと、サラサちゃんの周りに、四枚の白く巨大な翼が現れた!
つづく!




