8話 魔法のため最適化 その5
不貞寝したらいつの間にか日が結構傾いてた!
やべえ、こんな生活を繰り返してたら、新しいスキルなんて手に入らない。
今日中に新しいスキルを手に入れないと。
魔法は今のところ無理。
体術系も体が無理。
技能系を手に入れるか。
隠密とか気配察知とかを手に入れよう。
かくれんぼをやってれば隠密が手に入ったりしないかな?
一人で隠れて親に見つかるまで息を潜めるか?
駄目だ。
時間が掛かり過ぎる。
それに物に隠れるなんてやったら、この体だと物を壊すかもしれない。
保留か。
ガクッと肩を落とすが、すぐさま別のスキルを考える。
気配察知とか、聴覚強化、嗅覚強化、視覚強化。
ここら辺のスキルを取りたいけど、やっぱり魔力が必要そうだな。
またガクッと肩を落とす。
だが、めげずに別のスキルを考える。
生産系スキルを手に入れるか。
鑑定を使って物の品質が軽くだったら分かる。
それに、良し悪しも分かるから今の俺にはちょうどいいな!
行動に移そうと立とうとする。
立つことができたがバランスが悪いため、直ぐに尻餅をついてしまう。
うう、この身体から早く脱したい。
あ、身体を最適化をすればいいんじゃないのか?
そうすれば今よりも身体が動きやすくなるかも!
「うぎう『最適化』(※訳 スキル)」
今日も出たな。
いや、もう出したか。
昼過ぎくらいだったかな?
ま、それは置いといて。
最適化をしよう!
身体を最適化すれば今よりも動ける!
「があだを『最適化』(※訳 身体を)」
その瞬間今までとは変わる規模が違ったのが分かる。
あやふやなもの。
はっきりとしたもの。
その違いがこの時分かった。
身体の中の魔力が分かる!
頭も前よりも計算速度や知覚速度も上がった!
身体を最適化しただけでこれほど変わるなんて思わなかった!
今なら立てる!
俺なら立てるぞ!
うおおおおおおおお!!!!
その瞬間立った(元から立てたけど)。
その立ち姿は安定している。
そして歩き出そうとした瞬間倒れた。
あれ?
なんか身体に力が手に入らない。
身体が運動したみたいに重い。
まだ、何もして・・・ない・・・の・・・・・に。
意識が失われる。
先ほどまで元気にしていた姿とは違って、力が抜けて髪が青から白に変わっていた。
==(side クレア)==
ビクッ!
そう身体が反応するほどの魔力波に私は驚いた。
あり得ない。
あんな物がこんな村に現れるなんて首元にナイフを突きつけられたような物。
このままでは村は最低でも全滅。
逃げないと。
そう判断するが、それが出来ないと悟る。
最悪だわ、私たちの家で起こるなんて・・・ウィルが家に!
助けにいかないと!
あの子が、この魔力の主に殺されてしまう!
そう思い走り出す。
だが、その足は直ぐに止まってしまう。
いや、止められてしまった。
「クレア!待て!死にに行くんじゃない!」
そうウィリアムが手をつかみそう言う。
「貴方!ウィルが、ウィルがあああ。死んじゃう、死んじゃうよぉぉお」
私が泣き叫びながら訴える。
でも、夫は手を離そうとせずに身体を覆うようにして抱きついてくる。
「離して!」
一瞬の隙を突いて身体から離れる。
それに夫は直ぐに反応が出来なかったのか止まってしまう。
その止まってしまったのが無ければ、再び私は捕まっていた。
だが、その一瞬でさえあれば詠唱破棄で魔法が使える。
そして私は魔法を使った。
「『クイック』!」
そう唱えると私の身体がいつもとは違い軽くなる。
それに更に魔法を唱える。
「『ブースト』!」
詠唱破棄で魔力がいつもよりも多く消費されるが気にしない。
今は私の息子のウィルそれしか頭にない。
それと夫はもう私には追いつけない。
夫が身体強化をしてもブーストまで掛けてしまえば、追いつけない絶対にだ。
「ウィル!」
そう声が張り裂けるような程、大きな声を出し中にいるであろう自分の息子の名前を呼ぶ。
名前を呼んだ数秒後、強大な魔力波は消え去った。
消えた魔力に不信感を持ち、扉を開ける前に詠唱を始める。
扉を開けるとそこには強大な魔力を持った魔族でも精霊でも、魔物でも無かった。
そこにいたのは息子に似通った姿をした子供のエルフだった。
一日、また一日と過ぎてく度にブクマが増えてニヤニヤしてた。
今日も一人増えたけど、作者が書いてる時には一人減って元に戻った。
ブクマ外すんならどこが悪いか感想で言っていいのに。