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願いを望むこと

 遅くなりました。

 二つの世界には元々神が二人いた。

 一人は全ての生物を産み出した破壊神。

 もう一人は知恵と豊穣を与えた創造神。

 二人は互いに愛し合って世界を動かしていた。


 そんな二人に転機は訪れる。それはどちらも想像していなかったことだった。神でさえも気付けなかったのだった。


「俺はもう駄目みたいだ」


 破壊神であり、創造の力を僅かに持つ男神。その神の信仰は徐々に薄れていった。生物の持つ悪の心も司っていたため、全ての悪意は彼へと向かってしまう。そこには信仰という物も僅かにあったのだが、破壊神という権能が崇める者を恐れさせ、同時に崇める者を迫害させる原因となった。


 迫害が進むにつれ男神の力は弱まっていく。女神はどうにかしてそれを救おうとするが、神託を行ったとしても男神が行ったという風潮が崇める者たちの心には宿っており、最後には男神はその力を失った。


 最後に残ったのは女神只一人。人々が女神を崇める理由になったのは彼女の美しさからかもしれない。男神の風貌は余りにも化け物に近しく、それがより一層迫害の原因になったのかもしれない。


 女神は嘆いた。彼が生み出した子供が彼を裏切ったことに。だが、いくら嘆いたところで女神の傷は癒されなかった。それから女神は現世への介入をしなくなった。それは人々に絶望を与えると同時に偶像崇拝という文化を根付かせることになった。しかし神は彼女一人となった今では、そんな偶像さえも彼女への信仰となってしまう。彼女は死にたかったのに。


 ある時女神に異変が起こる。彼女の心に破壊の精神が芽生えたのだった。それは起きて当然のことだった。何故なら世界は光ある中に闇は存在する。それは創造の裏に破壊があるのと等しい。彼女は一人で二人分の役職を担うこととなった。


 だが、女神には欠点が存在した。破壊の意思を操る事が出来なくなったのだった。破壊の力は創造の力を越えていなければならない。何故なら一の物を零に戻す為なのだから。


 女神は二つの世界を行き来していた。それを女神は利用することにした。創造だけの力で作られた世界では科学という力が世界を占めていた。その世界では機械という存在も作られ世界は発展していた。その発展は悲しみしか最後に残っていないことを知っていたため、神の力で抑えることとした。


 もう一つの世界は神が死んだことにより、大地からは神力が僅かに漏れ出て生物へ異常を引き起こしていた。彼女は解決策を考えある一つの事を決行する。生物の適応を神力で補うことで進化させることにした。最初の頃は進化に耐えきれず崩壊する者が殆どであった。しかし女神は解決策を見つけてしまった。


 女神の半身が管理している世界で、レベルという概念で少しずつ、段階的に進化させる方法を見つけたのだ。それは彼女にもう一つの希望を見つけたことに等しかった。何故ならそれは神を作る事が出来るかもしれないという希望。それに気付いた彼女は一人の男の魂をこの世界へ招き入れた。その魂には最愛の人に近づけるような力を与えて。


 女神の半身はそれを見ていた。破壊のその時まで暇を持て余していた彼女には仕方がないことであった。彼女は人が絶望する様を見て楽しめないかとそう言う考えから二人の男女を異世界へ魂を送った。彼女の予想通りに事は上手く進んでいく。その結果は彼女が思いもしなかったことだった。


『『最愛の人を私の元へ』』


 それは半身同士が願ったことだった。片方が肉体を欲し、もう片方は魂を欲した。自分の最愛の人に近しい魂を。様々な妨害もあったが二人の願いは叶いそうになる。その先に待っていたのはどちらか半身が死ななければならないという残酷な結果だったが。


 悪の方の女神は自分が死ぬことを善の方へ示した。何故そんなことを言うのか善には分からなかった。だが、悪の方の女神が言った。


『私の破壊衝動が最近弱まっているの、何故だか分かるかしら?』


 それは私たちの計画が順調に進んでいることを指していた。つまり二人の内のどちらかが新たな破壊神になるということ。そのための力の壌土が始まっていること。


『歪な存在の私は消えて無くなるわ。まあ一人に戻るだけだからそんな泣かないで』


 女神は涙していた。嬉しかったことも悲しかったことも含めての涙だった。男神がいなくなってから泣いたことの無かった彼女。半身である女神さえもそれを知っていた。だからこそ、悪の女神は涙を流さぬよう戦うことをする。下界への肉体は出来た。あとは神としての力を目覚めさせるだけだった。


 孤独で蠱毒な魔王。

 最も望む物を得られない勇者。

 そのどちらかが神になるか、それとも両方か。戦いが終わるまで分からない。

 後数話で完結致します。忙しいため中々執筆が捗りませんが完結させたいです。それと完結に近づくにつれ、難産となってきました。また期間が空くかもしれません。

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