神との戦い
また忙しくなるため、急いで書いたためダイジェストの様になってしまいました。
想像上や空想の中で決まっている神の姿は、この世の者とは思えないほど綺麗だと誰かが言っていたような気がする。転移した先で見た神は歪であった。フランケンシュタインのような継ぎ接ぎだらけの女性で、アンデットと言われたとしても素直に認めてしまいそうな姿だった。唯一、違うとすればそれは瞳に死者らしからぬ光が入っていることだ。意思ある、知識あるその眼差し。その瞳で見られてしまうと、この世ならざる世界が見えてくるような気がしてくる。
「余り見るな。魅入られるぞ」
何に魅入られるのか分からないが、彼女に魅入られるということなのか。それとも先程の感覚が魅入られていたのか。
「さて、神としてこの世に現れたわけだが、まだあの神の力は弱い。だが、グズグズしているとこちらの手には負えなくなる」
彼はそう言い残し戦いに入る。それに合わせるように僕たちも参戦する。
「誰が生き残るかしら?魔王かしら?それともこの世界の勇者?それとも異世界の勇者?アハハハ!」
その刈り立てるような恐怖の笑みに憶さずに各々の武器を向ける。勿論僕も最適王となったスキルを発動させ戦う。
最適王となったスキルは身体の複数変化することが出来るようになり、合成する事までも可能となった。
「僕が考えた最強の姿になるのかな」
使い慣れてないスキルとその身体。解析スキルを併用させて実験データを集めて、一秒でも早く慣らさせる。複数の獣の姿を織り交ぜて、魔力を通すことに適した筋肉であるエルフの肉体を織り交ぜ、獣の素早さ、持久力、人の持つ技術を織り交ぜ戦う。
「獣撃斬」
新しい技をプログラミングさせる。その技は連撃を主体とさせ素早い攻撃をするのだが、知覚速度が追いつかない。だからこそ決められた行動をすることでそれを補う。
「一閃」
彼女もまた僕と似たように技を決めていたのを放つ。ゲームのようにコンボを決めていくという案を伝えた彼女には上手く当ては嵌ったようで、彼女も同じようにしていた。
何撃与えるかは最後の斬撃で判断することで自分が入るタイミングを決めるということを、彼女と相談していたため二人してコンボを決めることが出来る。だが問題があるとすれば魔王の攻撃のタイミングをどうすればいいのかだが、転移で来る前に思念通話というタイムラグ無しで話すことの出来る魔法を掛けて貰っていたため、タイミングを伝えて三人でのコンボが可能となっていた。
「煉獄」
前衛二人に後衛一人という組み合わせは確実の神を追い詰めていった。それはこのまま行けば殺す事も出来るんじゃないかって思えるほどだった。だが、そんな甘い考えは否定させられた。神の自爆によって。
「ちょっと予定が狂っちゃったわ」
そう言い残して神は、後輩ちゃんを道連れにして爆発した。その光景は信じがたく、予想すらしていなかった。
「私はまだ死んではいないわよ」
呆然としていると、風が神の言葉を運んできた。それは幻覚だと思いたかった。彼女が死んだという事実でさえ疑いたいのに、彼女の死さえ無駄だったという侮辱をしているような気さえしてくる。
魔王と俺は叫んだ。殺しきれなかった怒りと、彼女を殺された悲しみに叫ぶしか出来なかった。
「油断していた、自爆するだなんて」
「俺も慢心していたようだ。これは、あの時と同じじゃないか」
だが、そんな無駄話をしている暇は無い。神は予定がと言っていた。その予定を取り戻すための行動の筈だ。それならこれから先の話というわけではなく、今すぐに近い筈だ。
「追うぞ」
「うん」
二人は神を追う。その怒りと悲しみを終わらせるため。そして本当の神との戦いが始まる。