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精霊の記憶 その3

 修正しました。

 エルフが押されていた中で、一人のエルフが膨大な魔力を放っている。

その魔力は唯垂れ流している風には見えず、意味があって行っているように思える。

だが、なぜ彼がそうしているのか俺には分からなかった。


 魔法がエルフに向けられ放たれる。

だが、魔法を放った集団は彼が放った魔力に気付かないで放っていた。

魔力障壁なのかなど、俺は予想したがその予想は外れた。

魔力は壁になどならず魔法が通り過ぎていく。

沢山の魔法が魔力の中に入った途端、彼は言葉を発する。


「スキル『悪食』発動!魔法を食い尽くせ!」


 彼は言う。

そう、その言葉はスキルを発動させるためであった。

発動されたスキルは『悪食』これが彼の持っている固有スキルなのか?

いや、この場合は転生特典か。

彼のそのスキルは魔力を起点としてその効果を発揮した。

スキル名の通り、何でも食べることが出来るようだ。

それは魔法でも関係が無いようで、飛んでいた魔法が一瞬で消え去った。

その魔法を取り込んだのか、彼の魔力は大きく膨れあがった。

彼は大きく膨れあがった魔力を新たな魔法を発動させるために使った。


「獄炎魔法『インフェルノ』」


 その魔法は静かに発動させられる。

詠唱破棄による魔力の消費が増えるなど、今の彼には気にする必要が無いほど多大な魔力があった。

その魔法は多くの人を包み込んでいく。

叫び声を上げるよりも早く燃え広がり、燃やし尽くした。

その魔法が通った後には灰すら残っていなかった。


「ひぃぃいい!」

「腕がぁあああ!」

「俺の足が、足がぁあああ!」

「こ、こんなの聞いてないぞ!」

「だ、だれ、か、助けて」

「ぁ、ぁぁ」


 身体を焼かれた者はその痛みに震え。

仲間の死を間近に見て恐怖が身体を襲っている者。

魔法の威力が恐ろしいほどまでの強力だったことから戦意を喪失した者。

魔法の直撃を避けたが、その余波で瀕死になっている者、様々いた。


「スキル『悪食』発動」


 彼は先程使ったスキルをまた発動させる。

だが、発動させた効果までは分からなかった。

何をしたのか分からない。

だが、スキルが発動された事は分かった。

彼は何をしたんだ?


「あれほどの魔法を放ったんだ!直ぐに魔法は放てないだろう!」


 人の指揮官がそう言って兵の士気を操ろうとする。

兵達は士気を取り戻せずにいたが、次の言葉で取り戻す。


「先程までこちらが戦場を支配していた!それならば王を倒せば後はこちらの意のままだ!」


「「「おー!!」」」


 僅かな希望を胸に抱き再び剣を手に持つ。

その他にも詠唱を始める者や魔道具を発動させる者、士気を無くした者へ喉が張り裂けるような大きな声で言っている者など、やっていることは様々だが戦いに復帰しようとしていた。

だが、彼は容赦が無かった。

新たな魔法を発動させる。

その魔法の凄さに驚かされる。


「軍団魔法『個は全にして、全は個となる』!」


 その魔法が発動されると彼から魔力で出来た管が他のエルフへ伸ばされていく。

魔力の管が彼とのパスを繋げる。

魔力のパスが出来たエルフから魔法を発動させていった。

その魔法はエルフが使いやすい精霊魔法だ。

精霊魔法の連続発動によってエルフの戦いは優位に進んでいく。


「並列起動。合成魔法。圧縮魔法。『消滅(アレクト)


 複数の魔法が使われたようだ。

その魔法は幾つもの属性の合成、いやあれは全属性の合成の様に思える。

その合成で生まれた属性は触れた者を消すような魔法だった。

目の前で魔法に触れた者が塵にならず消滅していた。

この属性を言葉で表すとしたら虚無属性だろうか。

その様は無へと返すからそれでいいだろう。


 魔法は雨のように降り注ぐ。

その魔法に当たった者は叫び声を上げてもその魔法によって虚無へと還る。

目の前で居たのにも関わらず、最初から居なかったように思えるほどまで何も残らなかった。


「ぐふっ!」


 そんな魔法を放った彼が突然苦しげな声を上げる。

彼はその苦しみの声を上げてしまった原因をその目で目にしたとき「何故」と呟いた。


「お前を、お前を殺せば、殺せば娘が助かるんだ!」


 そのエルフは錯乱したように、いや譫言のように言っている。

他のエルフも目の前で起こった現象に理解できずにいた。

 そんな中で彼は大声で哀しげに叫ぶ。


「帝国!お前らだけは許さない!召喚魔法!『悪魔』!代償は俺の命だ、出てこい悪魔!!帝国を一人でも多く殺せ!!」


 彼は禁忌を行った。

その瞬間に彼はエルフではなく、ダークエルフとなった。

白色だった髪の毛も今では黒く、絹のようになめらかな白だった肌も、黒く染まっていく。

しまいには、見る物全てを安心させるような瞳も、見た者全てへ恐怖を与えるような紫色へ変わっていた。

だが、彼はそんなことなど気にせず、悪魔を使役する。

その心の内に秘める復讐を果たすため。

お読みいただき有り難うございます。

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