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精霊の記憶 その1

 僕たちは元は一つの精霊だった。

元は一つの神様だったんだ。

精霊神って言われてたんだけど今はもう存在しなくなったのさ。

その影響で属性も全部が一緒だったのも今では沢山の属性に分かれて、個体もこんなに増えたんだけどそれでもみんな集めたとしても元の力には遠く及ばないんだよね。

それでも、元は神だ。

僕たちはそれなりの影響力を持っているのさ。

君が教えて貰ったとおりに精霊魔法は魔法よりも強い、それは元が神だったことが影響だったんだ。

魔神が魔法を行使したらさすがに負けちゃうけどね。

ま、それは置いとこう。

君には僕たちの前の主、分かりやすく言うと君の伯父だね。

僕たちはその人と契約していた。

僕が出会った記憶を君に見せるね。

この時の精霊が君に過去を見せる。

君が僕たちの主である可能性があるからだ。

主が全属性使いだったように、君も全属性使い。

その血縁者の子として生まれ、ユニークスキルを君は持ってる。

どんなユニークスキルを持っているか契約していない僕には分からないけど、転生した際に君は新しいユニークスキルを手にしたんじゃないのかな?

その影響なのか、それとも転生が不完全、いや、君の言霊だけでの転生は弱かったのかな?

僕にはそこら辺の事は分からないけど、もしこの過去を見て記憶を思い出したら僕とまた契約してね。

あ、君が違ったとしても契約するかは君の反応次第だからね。







 小さな森の、いやここは庭か?

とても広い庭だな、それに精霊も多い。

精霊を取り込んだからなのか自然のエネルギーがとてもよく分かるようになった。

もしかしたら仙人になれるんじゃ、おっと誰か来た。

小さい子が馬に乗って楽しんでる。

直ぐ側に護衛らしき人が馬の手綱を掴んで暴れないようにしているみたいだ。

楽しそうだな。


 のんびりとした光景をこれまたのんびりしながら見ていると、庭の茂みから何かが出てきた。

その出てきた者はネズミだった。

それも、不思議な魔力、いやこれは魔力のパスが出来てるのか。

ま、そんなやつが出てきた。


 驚くことにそのネズミに馬は驚いていた。

おいおい、馬がこんなに驚いてんじゃないよ。

貴族の息子みたいな奴を乗せてんだからそこは驚かない奴にしろよ。


 そんな突っ込みをしても声は出ないので伝わらない。


 おい、子供が落ちたぞ!

護衛も護衛で馬の制御が出来てねえぞ!

あ~あ、なにしてんだよ首が変な方向に曲がってるぞ!

誰か呼べよ!

うろうろして困った顔してないで誰か呼べ!

魔法があるんだから助かる可能性があるんだから!

早くしろ!


 全力で叫んで目の前の現状を変えようとするが、声も届かないし、触ることも出来ない。

子供は虚ろな目がただ空を見ているだけで、護衛はおろおろしている。

そんな現状を前にスキルを使って打開しようとするが、スキルは使えず、覚えたばかりの精霊魔法も発動しなかった。


 どうしようも出来ずにただ見守ることしかできなかった。

だが、その状況は一瞬で変わる。

子供の身体が治っていく。

治癒魔法など護衛の者が掛けたわけでなく、子供の身体が時間を巻き戻していくように、その首が治っていった。

その不可思議な光景に目を疑わずにはいられなかった。


「この国を守らないと・・・」


 小さな声でそう聞こえた気がした。

気のせいだったかもしれない。

呟くように言っていたから聞き間違えていたかもしれない。

それなのに、嫌に耳に残ってる気がしてならなかった。


 そこから場面は急に変わった。

どこか祭壇らしき場所に沢山のエルフが参列していた。

教祖?教皇?宣教師か?

ま、いいか。

なんか偉い人が長ったらしいことを言ってる。

おいおい、首を折ってた子供が眠たそうに聞いてるぞ、いいのかよ・・・


 そんな感じだが、どんどん話は進んでいく。

この祭壇で起こる出来事に驚きを隠せなかった。

 読んでくださり有り難うございます。

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