表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/46

11話 残念美人


 引っ張るな。

引っ張るな髪を!


 狸寝入りをしていると誰かが髪を引っ張ってきた。

言葉を出すわけにも行かず。心の中でそう念じる。


 体がエルフになっちゃうし、狸寝入りしていると髪とか肌を引っ張ってくるし、なんだよこの状況!

誰か説明してくれ!

って、母さん!

俺を置いていかないで!

安心したような顔で置いてかないで!

まだ俺はここにいるよ!

このエルフの家に置いてかないで!


 そんな事を願うが、安心した顔のままこの家の扉から出て行くのだった。

部屋には扉を閉じた音が悲しいくらい響いている。


 どうしよう?

もしかして俺って売られちゃったの?

エルフに変わるような俺は珍しいからって売ったって事?

って、さっきから俺をつついてくるこいつ等は何だ!

いい加減にしろ!

と、エルフの人が近寄ってきた。

怖い。

俺は何をされるんだ。


「帰ったな。よし」


 にやっと笑ってる。

俺に何をする気なんだ。

冷静というか、落ち着いている雰囲気のせいで何を考えているか分からない。

コレは本格的にヤバいのかもしれない。


「おばあちゃんですよ~♪」


 先ほどまでの落ち着いていた雰囲気とは違い、デレデレとしている。

いつもは厳しいおじいちゃんが孫の前ではデレデレしてる奴と一緒だ!

え?

今、このエルフの人自分のことをおばあちゃんって言ったよな?

俺のおばあちゃん?


「ウィルの体がエルフになって驚いちゃった。でも・・・あれ?ウィルが起きてる!」


 やべ!

驚いて目を開けちまった!

それに何だ?

俺がエルフになったとか?

気絶してる間に何があったんだよ。


「あれ、泣かないな?話通りに本当に手の掛からないんだね」


 おばあちゃん、さっきまでの出来る人って感じのオーラは何だったんだ。

体がエルフになったことよりもそっちの方が気になって仕方が無い。

どうしよう、俺に自我があるって知ったらどんな反応するんだろ。


 不意にそんな考えが浮かぶが、今は関係が無い、そう思って消し去るのだった。


「このこの~、柔らかいほっぺしやがって」


 つつくな。

あ!

いつの間にか引っ張ってる奴がいなくなってる。

まさか、おばあちゃんが仕向けてたとか?

いや無いな。

する必要が無い。

やるなら自分でやるって感じだし。


「くりくりとした目つきで私を見てきて・・・萌え死にさせたいのか!」


 冷静?

コレは違うな。

残念な人だ。

仕事はすごく真面目にやるのに、日常生活がだらしない感じの人だ。

多分。

この人あっての、俺の母親か。

小さい頃にされた思い出からなのかな?

多分それから来てるんだと思う。

だって、行動と越していることが殆ど同じなんだもん。


 おばあちゃんに弄られることに疲れ、俺はそのうち眠ってしまうのだった。

その時思ったことがあった。

家の家系、残念美人過ぎる、そう思うのだった。

 メモ帳のアプリから、小説を書く専用のアプリに変えてみた。道具とか登場人物とかの細かい設定が出来て楽しかった。

 体調は殆ど直りました。更新は前よりも遅くなりますが、一週間に一度は更新する感じになると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ