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俺は夢で猫を飼っていた  作者: 留果
3/3

買い物

夏…の下には男女の双子がいる。まだ小学校一年生でソックリなのをいいことにイタズラばかりしてる。

 この間もズラされたばかりだ。思い出すだけで腹が立つ。

 俺が夏月と出掛けようとした時だった。

『おい、いいから早くコイツらを部屋に返せ!』

「何で?お前楽しく遊んでるんだから、いいじゃねぇか。」

 俺はナイトにだけ聞こえるように、小声で言った。

『馬鹿言え!遊んでやるわけ無いだろう!遊ばれているのだ!あちこち引っ張られて痛いのだ!』

 ふぅん、悪魔なのに痛いのか…

『馬鹿言え!今の姿は猫なのだぞ?痛いに決まってるだろう!』

 ふぅん、そうゆうものなのか…

『納得してないで早くコイツらを部屋に戻せ!お前だって夏月と約束してるんだろう?叱られるぞ?』

「ハアァ」

 俺は、深いため息をついた。

「悠李、冬李、いい加減にしなさい。猫で遊ぶなら、お前らのオモチャ(ガラクタ)を捨てるぞ?」

俺がそう言うと、

「しまった!あれを捨てられたら大変だ!」

「うん!大切な物ばかりだもんね!ナイトバイバイ。」

「ナイトバイバーイ!」

 そう言って冬李と悠李は部屋へと戻って行った。

「ったく、ちょっと目を離すとこれだから困るよなぁ…」

『そんな事より、私の心配は!?』

「は?お前の心配とかしないから。」

『何故!?』

「あのなぁ、俺は毎日悪夢を見せられてんのに我慢してんだぞ?心配するわけねぇじゃん。」

『お前、我慢してたのな。』

 当たり前だろ!ったく、契約切れねぇかな…

「大体、修行ってなんだよ!俺に悪夢を見せる事か?」

 俺は、心配されなかったことに拗ねているナイトに言った。

『知らん。』

 は?

『だから、知らん。大魔王様が決める事だからな。』

 ふぅん。

「それよりさ、何で人間の姿になってるわけ?」

 俺は、人間の姿でベットにあぐらをかいて座ってるナイトに聞いた。

『私もついて行くのに、猫の姿はまずいだろう。』

「は?何でついてくんの?」

『見学。』

「見学?」

 俺はもの凄くイヤそうな顔をした。

『社会科見学とか言うヤツだな。』

 そう言いながら、ナイトは髪をとかしていた。

「ただ行きたいだけだろ?」

 俺は、鏡に映っている自分に見とれているナイトに聞いた。

『……。』

 はい図星!

「ところでさ、魔界で買い物とかできんの?」


『当たり前だ!私のこの服も魔界の物、お前と私を繋ぐ腕輪も魔界の物だ!』

俺は腕輪、ナイトは首輪になってるが、俺達は同じ模様の入った腕輪をしている。おそらくこの模様は…

「前から気になってたんだけどさ、この腕輪に付いてる模様って、逆十字(逆さまの十字架)か?」

『あぁ。そうだが?』

 俺達は十字架だと思うが、魔界では逆十字なのだろう。それにしても魔界の物って結構洒落てるな。

ナイトの服はけっこう洒落ていた。まぁ魔界の物だからなのか、黒がベースになっている。

黒好きの俺には欲しい品が沢山売ってるんだろうな…

「ってか、魔界でも買い物出来るなら、別に人間界で買い物しに行かなくても…」

『…』

 はいはい。行きたいのな。


 そういえば、お前のひたい額にある変な模様は?

 ナイトは人間の時はオデコに、猫の時は頭にお天気の雷マークみたいなのがついている。

『あぁ、これか。この印は魔界の者が人間界へ修行しに行く者の印だ。』

「そうなのか…って事は、お前以外にも人間界へ修行しに来てる悪魔とか居るって事か?」

 俺は心配になって聞いた。

『いや、それは無いな。』

「 …なんでそんな事が言えるんだよ。」

『人間界へ修行しに行く者は一人と決まっているからな。』

ふぅん、そんな決まりがあるのか…

『当たり前だ!やたらに悪魔が人間へ来て、悪さをすれば、その者は死刑になる。』

「人間界で例えれば法律か。」

『ほう、人間も魔界へ行く者が居るのか?』

 ちげぇよ!そんな事出来たらニュースだろっ!

『…』

 何か言えよ。オレがすべったみたいになって…『にゃあ』

は?何?…ナイトはいつの間にか部屋に居ないのに…

『にゃあ』

 まただ…何処だ、何処で鳴いてる?

「ナイトそんなにスリスリしたらくすぐったいよぉ解った解った。ナイトも一緒にお出掛けしたいのねぇ。でもねナイト、猫はお店に入れないのぉ。だからぁ、いい子にしててねぇ。」

!夏月の部屋か!

「夏月、ちょっといいか?」

 俺は軽くノックした後、声をかけた。

「なぁに?お兄ちゃんがノックしてくるなんて。何かあったの?」

 まぁ、色々と。

「そんなことより、早く行かねーと、物によっては品切れすんぞ?」

 俺が言うと、夏月が部屋から出て来たと同時にナイトも出て来た。

「なんで支度終わってたのに部屋に居るんだよ!」

「だってぇ、ナイトが付いてきてお洋服に毛が沢山ついちゃったからぁ取ってたんだもん。」

 だもんって言われてもなぁ…

「これでよしっ!お兄ちゃん行こう!」

 切り替え早っ!


「で?なんで俺も一緒に行かなきゃいけねぇんだ?」

 デパートに行きながら俺は聞いた。確かに双子のプレゼントを買うから冬李のプレゼントを決めておくように言われたが…俺が夏月に買う物を伝えておけば、俺行かなくて済むじゃん。

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