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月影の悪魔  作者: jiro-sia


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3/3

第三話 「記憶喪失?」

…。

翌朝、目覚めると違和感を覚えた。

自動カレンダーが二日分進んでいる。

というか、昨日の記憶がない。

そして、なぜか制服のままで寝ている。

日記が抜けているので昨日の行動は不明なままだ。

クラスの人に「俺、昨日何してた?」とたずねるわけにもいかない。

誰に聞いても呆れられながら「日記見ろよ」としか返ってこないだろう。

昨日のことは諦めて、朝食をとる。

昨夜何も食べていなかったのか、いつもの量では足りなかった。

着替え——は必要ないのでそのまま駅に向かう。

電車に乗り、新聞を開く。

しばらく読み、連載小説に空きがあるような気がしてカバンの中に手を突っ込む。

ガサッ…

かばんには昨日付けの新聞が入っていた。

一面にはN社倒産の記事が載っていた。

そしてその記事に倒産とは全く無縁な感想を抱いた。

最近、同じ記事を見たような見てないような変な感じがしたのだ。

もちろん、この記事は初耳だ。

大企業の倒産が最近あったわけでもないし、暴落すら見かけなかった。

気のせいか?

いや、気のせいではないだろう。

そんな議論を頭の中で繰り返しているうちに、学校の最寄り駅に着いたので、無理やり「あんな大事件を見たのならおぼえているはずだ」と結論づけ、議論を終わらせた。


学校へ着くと、月影の席が空いていた。

前の山田に理由を聞く。

「山田、月影は何で休んでんの?」

「は?遠藤、覚えていないのか?風邪だって昨日大木先生が言ってただろ」

「ああそうだった、今思い出したよ」

適当に誤魔化して会話を終了する。

その日は変なことが沢山起こった。

休み時間には「遠藤、昨日様子変だったぞ」といろんな人から言われ、帰ってきた知識二科の小テストは超低い点数。

昼休みには保健室に呼び出され先生と

「遠藤さん、今日は大丈夫ですか?」

「…?はい…」

「念のため病院にも行っておきなさい」

「?はい」

という会話までした。

帰宅後も、奇妙なことは続く。

小説のしおりは全く動いていないのに続きの難行化をすでに読んだような違うようなヘンな気分で読んだ。

全く覚えのないAIとの会話履歴もあり、SNSの通知数は丸一日分たまっている。

ゲームを開くと機能は未ログインらしいことが分かり、ドラマも家事も勉強や課題も全然進んでいない。

スマホやネットの利用時間は妙に少なく、おまけに物の位置は二日前と全く変わっていない。

段々怖くなってきたので、しばらく音楽を聴いてからベッドに入ることにした。

そのときは、今夜が今世最後の安眠になるなど思いもしなかった。


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