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月影の悪魔  作者: jiro-sia


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1/3

第一話「転校生」

そうだ。

あれは、高一の夏から始まったんだ——


俺は遠藤清斗。

国際連合立戦術研究専門高等学校の一年生だ。

成績は良くも悪くもない、平均くらいだ。

8月末、一人の転校生が同じクラスに入ってきた。

「月影新二です」

名前以外はなんの変哲もない。

身長は180手前くらいだろうか。

「専門は第二特殊戦術のCです」

は?

第二特殊戦術のCって…魔法?

魔法専門は百万を超える全校生徒の中で百人もいない。

「趣味は——好きな音楽家は——好きな作家は——…」

一通り自己紹介を終えると、月影の席は俺の隣になった。

その日は、特に何も話さなかった。


次の日、月影が朝早く来て読書をしていた。

「何読んでいるの?」

聞いてみると、よく聞く作家のよく聞く作品の名前が返ってきた。

その日は、その作家のことで話題になった。


最初に月影が目立ったのは、二限の時のことだった。

「これより8/26二限技術三科を開始する」

担当の御厨先生がそう告げた。

技術三科は、敵側にサイバー攻撃を仕掛ける訓練だ。

「よーい、はじめ!」

瞬間、隣から超高速でキーボードを叩く音が。

月影だ。

もう3.69%も終わっている。

「おい、見ろよあれ」

「とんでもない転校生が来た」

驚いて手が止まっている奴もいる。

御厨先生なんか、驚きすぎて意味のない呟きを繰り返している。

三限の体技一科の時も、学級の最高記録を余裕で更新した。

六限の知識一科では平均点を大きく上回り、七限の戦略三科でも好成績。

次の日も、その次の日も、そのまた次の日も、月影は目立ち続けた。

また、俺と月影の距離はどんどん縮んでいき、互いの家に頻繁に遊びに行くようにもなった。

月影が転校してきてから約一年後。

ある日、国際警察庁のホームページを見ていると、一級指名手配者の中に「月影強一」という名前を見つけた。

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