回帰編 第四話「散るは蒼き誓い、迫るは血の僧兵」
──前線、クロス帝国跡地・バルドゥナの奥地。
地響きと共に、瓦礫の城が崩れた。 ダークとジルの前に帝王ロンリゴの軍勢は次々と切り裂かれていく。
「クハハハ! いいぞ、もっと殺し合えェ!」 帝王ロンリゴは狂気に満ちた笑みを浮かべ、巨大な鎚を肩に構える。
「こいつ……鈍器の重さを自在に変えている。」 ジルが苦悶の声を漏らす。
「俺の力を見ろ、Monument bleu! 貴様らこそ、王国の癌だ!」
ダークは静かに剣を構える。 「黙れ。……そっくりそのまま返すぜ。」
──そして戦いの幕が開く。
──その頃、王国南部・ラビーレ砦。
ギルド本拠地から離れたこの砦には、エリザとまだ幼いアーク、そしてロイヤルだけが残っていた。
他のメンバーはニンカシの策略で各国に散らばり、ギルドは半ば“隙だらけ”だった。
「静かすぎるな……」 ロイヤルが辺りを警戒する。
エリザはアークを抱きしめながら微笑む。 「戻ってくるわ、必ず……ダークも、ジルも」
──その静寂を裂くように、砦の門が爆発した。
現れたのは、血濡れの僧服に身を包んだ一人の男。
「……イナウ・フーアン」 ロイヤルの顔色が変わる。
「元6軍団長を殺して、空位に割り込んだ化け物っ!」
イナウはゆらりと歩み寄る。 「俺の幻覚の中じゃ、お前らはとっくに死んでんだよ」
瞳孔の開いたその目に、正気の色はない。
「ダークがいないなら、ここはただの処刑場だ」
ロイヤルが前に出る。 「エリザ、アークを連れて逃げろ」
「ロイヤル……」 「俺が時間を稼ぐ。こいつの術、見切るには……一度“堕ちる”必要がある…」
イナウが笑った。 「来いよ、王族の落ちこぼれ」
「黙れ、“殺しに憑かれた坊主”!」
──幻覚が砦全体を覆う。 過去と未来が交錯する中、ロイヤルの剣が閃く。
──一方、帝王ロンリゴとの戦いも極限へ。 ダークが技を構える。
「夢想神技──“虚構崩壊・エンドブレイド”」
想像すら破壊する斬撃が、戦場を飲み込む──
──次回、崩壊する希望と、迫る喪失。